谷 好通コラム

2017年11月19日(日曜日)

11.19.文化の伝承は、今のままでは難しいから。

今日は、親戚の三回忌の法事が三重県の田舎でありました。
子供のころからよく知っている私のおばさんの三回忌です。

 

私は33年前に起業してから、
親戚の法事の類は、連れ合いと私の母親に代行してもらって、
私自身はお葬式の時だけ出たりして、法事などにはあまり出たことがなく、
つい、義理を欠きがちでした。
しかし私の母親が高齢であてに出来なくなって来て、
最近では、私が自分で出る機会が増えてきた次第です。
65才になってこの挙句では情けないことですが、
ふと見渡すと、こういう場に出席しているのは
私の同年輩かそれ以上の方が多く、若くてもせいぜい50才、40才台の人で、
それより若い人は連れて来られた子供になってしまいます。

 

その65才の私も、自分の代が亡くなるようになったら、
葬式はともかくも、49日とか、1周忌、3回忌はあるのでしょうか。

 

結婚式が私の年代では常識であった古来の「神式」が、今ではほぼ無くなって、
カトリック式から、演出された人前結婚式やら、
その形が大きく変わってきたように、
お葬式も、今は、
常識的にはまだ仏式が多くとも、
親戚から仕事関係の人、近所の人まで出席する葬式が減って、
身内だけでの家族葬がどんどん増えて来ています。

 

何世代もの家族が同居する大家族が減って、核家族化し、
亡くなる人も医療が発達しているので
社会活動から引退して長く経った高齢者が増えています。
そんな影響も強いのでしょう。
今回も、歴史のある田舎であった法事であって、
これが都会だったらどうでしょう。
死んだ人を3年後に集まってしのび、祈るような儀式があるでしょうか。
今日の法事は親戚が約二十人集まって開かれました。
私の法事の場合、何人が集まるでしょうか。
私の子供、甥、姪、孫はそんなにいません。その半分もいません。

 

文化・文明とは、宗教と同じく、
人の死の存在と家族との関係に強く結びついています。
だから、家族の在り方と、人の死の在り方が変わっていくと、
人が造り上げてきた文化・文明が大きく変化して、
現時点では想像もできないような文化と文明が、
新しく造り上げられるのかもしれません。
今後、AI人工知能が人間の生活の中に高い密度で入り込んでくることと、
人の家族と死の在り方が密接に絡んで、
人の死を何年後も悼むような儀式に代わって、何が在るようになるのでしょうか。

 

とても長いお経を聞きながらそんなことを考えました。

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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