谷 好通コラム

2018年07月26日(木曜日)

7.26.北海道、霧多布からの珍客

日本で一番涼しい街は道東の根室市であると朝のテレビで言っていました。
根室市、本日の最高温度19℃、最低温度14℃、くもり
その根室市から50kmも離れていない所に浜中町があります。
さぞかし涼しかろうと羨ましい限りですが、
根室と釧路のちょうど真ん中ぐらいに「霧多布湿原」という所があって、
私も何度も足を運んだことがある自然の豊かな場所です。

 

霧多布湿原は浜中町にあって
動物作家でありエッセイストのムツゴロウこと畑正憲さんが、
近くに「ムツゴロウの動物王国」なるものを造って、
ちょっと昔まで、よくテレビに出ていました。
畑正憲氏は、菊池寛賞を取ったこともあるれっきとした作家で、
初期の「ムツゴロウの青春期」などを中学校の頃読んで感動しました。
それから私は大ファンになって
畑正憲氏の本は1冊残らずすべて(たぶん100冊以上)読んだほどです。

 

そんなことで知っていた浜中町の一部が広大な湿原になっていて、
霧多布湿原という名で国定公園の一部です。
ここは釧路から根室に向かう途中にある自然豊かな湿原ですが、
特に観光設備がある訳でもなく、
ただ、ただ、自然があるだけです。
動物が飼育されている訳でもありませんが、
丹頂もいれば、オジロワシなども普通にいる自然で、ただ、美しい自然です。
エゾシカが増えすぎて困っているそうですが
まったく観光地然としていない漁村でもあり、自然で、
人とうまく住み合っている不思議な大きな自然です。

 

私はここが気に入って、若い頃から何度も通いました。
会社の人間もかなり連れて行きました。
広大な湿原の真ん中に1kmもの長さの木道が渡してあるので、
それを渡って湿原の中ほどまで行って、ボーっとするだけですが、
それが良くって、何度も何度も行きました。

 

でもそんな良い所だから、
特に水源地を買いあさる中国人の投資家の存在が霧多布でも見え隠れして、
放っては置けない状態になって来ていて、
交流のある霧多布のナショナルトラストの人が訪ねて来てくれるのです。

 

どんな相談になるかは判らないし、言えませんが
日本で一番涼しい根室市の近く霧多布湿原から、
ちょくちょく日本で一番暑くなる名古屋にまでお越しになるのだから、
むげにお返しする訳には行かないでしょう。

 

畑正憲氏が一年間、家族ともに無人島に済んだことがあって
「ムツゴロウの無人島記」という本を書いていますが、
その無人島「瞼暮帰島」を望める海岸を少し持っています。
昔、町の人から直接手に入れました。
その地は町の人が夏の盆踊り大会に使っていると聞いています。
霧多布の水源の山林と原野があります。
ヒグマの親子が住んでいると聞きました。
オジロワシの巣があるという地名にしびれます。

 

おととしの6月、霧多布にて

 

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