谷 好通コラム

2019年01月21日(月曜日)

1.21.お互いが持っている価値観が違うのだから

「与えよ、さらば与えられん。」「ギブ&テイク」が、
商売の基本ならば、
「愛せよ、さらば愛されん。」は、
親子の愛の基本であり、
恋人や夫婦の愛の基本なのかもしれない。
しかし、心の問題はそう簡単ではない。
商売ならば、
相手に与え、提供した価値が、(与えよ)
与えられた側・お客様側にとって価値があれば、
それに見合う対価を支払い売買が成立して、商売が成り立つ。(与えられる)

 

しかし、人の気持ちの問題では、
必ずしもそうはいかない。
一つの定理として、
「愛とは相手の”しあわせ”を願う気持ち。」と習った。
確かにそうだと思う。
しかし、
親は子供の幸せを願い、
子供の幸せを実現しようとするが
しかしそれは親の価値観による幸せであって、
子供にとってそれは自分の価値観からすると幸せでなく、
でも親は、それを子供に実現しようと、子供に強いることになって、
子供は親に反発して「わからずや!」などと、ののしる。
よくある事だ。
価値観のズレは同じ環境で生きていても必ず発生して、軋轢が生まれる。
すると、お互いがお互いの幸せを願って、想い、
つまり愛し合っても「解かってもらえない」と仲たがいになることがある。
どちらの価値観が正しいのだろうか。
お互いが正しいのだろうけど、
しかし、お互いがお互いに「自分が正しい」と思うので、
特により強く信念を持って価値観を造り上げ成功した者は、より譲れず、
相手をののしり、罵倒して、破局を招くこともある。

 

これは親子の間だけではなく、
むしろ”他人”であり、育った環境も違い、
お互いに持っている価値観にずれが無い方が不思議な夫婦においては、
もっと大きな行き違いがあって当然だろう。

 

お互いがお互いの幸せを願って、
つまり愛して、
自分の価値観での幸せを相手に提供(与える)しようとするが、
あるいはそれを与えて、
相手から愛され返されることを期待するが、
商売のようにそれに見合った価値を返されることはむしろ少ない。
当然だ。
お互いが持っている価値観が違うのだから、
商売のようには簡単にギブ&テイクとはならない。
お互いがお互いに人間として尊重するところから、
解決が、見つけられるのだろうが、
特に片方が社会的に成功しているような場合は、
自分の価値観に相当大きな確信を持っているし、
その成果は誰もが認める大きさを持っているのだろうし、
簡単には、相手を理解して、相手を尊重するなんて次元には行きつかない。
難しいことだ

 

しかし、
糸口は、
相手をいとしいと感じる自分の気持ちに、
素直になることだけなのかもしれない。
愛は、必ずしも理性ではなく、
価値観なども超越した遥かな気持ちなのかもしれない。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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