谷 好通コラム

2019年07月26日(金曜日)

7.26.懲りない男でも「どうしよう」と真剣に悩んだ日

今日は、レース仕様のアウディA1で、
富士スピードウェー(FISCO)にて、レース走行の練習の日。
なのに、
昨日の夜は、食事会で楽しくて、つい深酒をして、(反省)
なのに、
今朝は午前5時起きで出発は午前6時。

 

びっしりの予定をかいくぐってのお楽しみの時間が、
夜遊びと早起きで、つらい事になってしまった。
しかし、前回のFISCOでの練習走行でレースタイムに少し迫るタイム出せて、
今回は思い切った走行をして、
本当にレースに参加しても恥ずかしくない走りをするのが目的だったので、
頭に残ったアルコールとか、睡眠不足とか、
そんなことを言い訳にしているようでは話にならない。
気合を入れていく。
最初から一段速い旋回速度をイメージして大胆に走る。
五年前の昔、ゴルフGTIでのレースを思い出して、一生懸命、突っ込む。

 

1回目の走行は午前9時半スタート。
路面はまだ冷えているが、とりあえず一周走れば、
タイヤのウォーミングアップは出来たと考えて、
二周目のストレートのエンド、
つまり200km以上のスピードから1コーナーへのブレーキングで、
私は思い切ってブレーキペダルを踏み込んだ。
その瞬間、後ろのタイヤがロックしたかのように、左右にリアが取られ、
スレートエンドでスピンし、防護壁に激突した。
前方向と後ろ方向に一回づつ、計二回壁に激突し、止まった。
激突と言っても、それ程ひどくぶつかった訳でもなさそうで、
車は動いたので、そのままコースの外周を周って帰った。
恥ずかしい。
車の前後をへこましたアウディA1に乗って、富士スピードウェーを一周。
カッコ悪い。
穴があったら入りたい気分。

 

メンテナンスを請け負っているチーム一ツ山の皆さんの所に帰って、
「壊しちゃいました。すいません。」と頭を下げた。
すると、チーム一ツ山のメカニック吉原さんが、
「今日は試験走行の為にA1をもう1台持ってきています。
せっかく来ていただいたのだから、これに乗ってもう一本走って下さい。」
と言ってくれる。
たしかに、このままやめたのでは、悔いが残ることになる。
同行の村藤君も「ここで乗らないと後悔しますよ。」と言ってくれる。

 

が、正直言って、気を奮い起こしてもう一本乗ると言う気分ではない。
久しぶりに車をぶつけたので、帰りたい気分だが、
午後からIPSシリーズのサポートについて
関谷さんの所の人との話が残っている。
だから、いま直ぐ帰る訳には行かないし、
このままでは、済ませたくない気持ちもあることはある。
何せ一本目は1周廻っただけで、まだタイヤが暖まり切っていない状態で
不用意なブレーキングで”スピン”
前回に続いての今日は、”強気”を心掛けて、傲慢な運転が裏目に出た。
もっと謙虚になって、徐々に調子を上げていく運転をすればきっと行ける。

 

そんなことを思いながら、
せっかくチーム一ツ山が出してくれたもう一台で二本目を走ることにした。
今度は冷静に、最初は謙虚に行こう。

 

今日の私の二本目は午前10時50分から。

 

早目にシート合わせをして、ポジションを決める。
そしてスタートは、時間が来て少し経ってから、遅れてスタート。
「もう一台壊してきまーす。」と軽口をきいて出る。
まず一周目、慌てず、
タイヤが暖まることを意識して無理せず周回。
2周目から3周目は、リズミカルを意識して、無理せず周回。
そろそろベースを上げ始めるかと思った3周目のストレートエンドで、
ブレーキの踏込で若干左右にリアが取られた。
と、これはコントロールで、元に戻すことができたので、
よしよしっと思いながら、
「やっぱり一本目で終わらずに良かった。」と思う。

 

しかし、1コーナーからAコーナー、
その先の100Rで強めのスピードで入って、
続くヘアビンを責めるが、
ヘアピン入口で不意に車が内側に巻き込まれるように、また、スピンした。
あっしまった。と思う間もなく、
また、防護壁に激突。

この日、私はわずか合計5周かそこらで、
二台のアウディA1を壁にぶつけて壊してしまった。
今度はなんか大きな部品が飛んだが、車は動く。

 

またコースの外周を、ハザードをたきながら半周する時、
私は自己嫌悪のかたまりになっていた。
「なんでまた、ぶつけなきゃいかんのだ。」
うっかりすると涙がこぼれそうだ。
バケットシートの壁に打ったのか、左わき腹に少し違和感がある。

 

それでも大丈夫だと思って、しばらくしていたら、
だんだんじわっと痛くなってきたので、
近くの大きな病院に行って、
レントゲンを撮って診察してもらったら。
「左肋(あばら)軟骨損傷」で、痛み止めとシップ剤をいっぱいもらっただけで、
心配した肋骨骨折は無かった。

 

さぁ、どうするか。
いくら懲りない男と言えども、
一日のわずかの周回数で二台のA1を壊してしまったのだ。
高齢者運転免許返上の風潮の今、
私自身、社会的責任もまだ大きい今、
サーキットでレースカーを中途半端にすっ飛ばして、
ぶつけて壊すだけでなく、
ろっ骨を折りそうになっている場合ではないような気もする。

 

しかし、今回は頑丈すぎるヘルメットのおかげで、
弱近眼のメガネをかけることが出来なかった。
今までメガネなしで走ったことはない。
多分、そのせいだ。
などと言いながら、懲りない男の本性が起きて、

 

帰りに富士市のチーム一ツ山のガレージに寄った時、
「今日だけで二台も壊してしまったけど、また、車出してもらえますか?」
と、聞いたら「どうぞどうぞ、また走りましょう」と言ってもらえて、
性懲りもなく、また、その気になっているバカな私です。

 

肋骨は軟骨部分が傷んでいるだけらしいのですが、
「はっくしょん」とくしゃみをすると飛び上るほど痛く。泣けてきます。

 

 

まだ一台も壊していない頃の私。

 

 

一台目のA1を壊す直前。

 

 

二台目のA1を壊す直前。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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