谷 好通コラム

2019年10月20日(日曜日)

10.20.どうしてもレースには興奮する。

昨日から富士スピードウェーに来ています。
インタープロトスポーツの(IPS)第5戦の第6戦がある今年三回目の大会です。

 

その前座の形で、昨日の昼、
アウディA1funcupというレースもあったので、それも見ました。
このレースには一度本気で出る気になって、二度、練習に来たのですが、
二度目の時に二回車をぶつけて、肋骨を傷つけて、
すっかり自信を無くして、レースに復帰するのを諦めたのですが、
未練がましく、出ようと思ってあきらめたそのレースを、
コソッと見に来たわけです。
このレースは本当に入門編レースなので、
一番速い人の車が、一台だけ飛び抜けて先を行って、
何台かが、デットヒートしてレースをやっていて、それからまた、
ずいぶん遅い車が1台、そこからまたうんと遅れて1台。

 

全部で10台だけだったので、緊迫感こそなかったものの、
私も、走りたいな~~と思って最後まで、
コースが近くに見える所まで行って、立って見ました。
あのみんなの車の集団から遅れて走っている二台のA1は、
あの二台よりは自分は速く走れるな。と思いつつ、
立って見ているだけの自分に比べてあの人たちは立派だと
コンプレックスに似た感覚を持ってしまい、
たった二回車をぶつけたくらいで諦めてしまった自分を恥じ、
また練習をやって見るだけでもやって見ようと本当に思いました。

 

それはさておき、IPSレースは、
今朝9時からジェントルマンレースが行われました。
IPSはその車のオーナーが乗って競うジェントルマンレースと、
プロが乗るレースがあって、プロのレースが面白くて私は見に来ていました。
しかし、今回はA1レース見たさで土曜日から来ていたので、
せっかくだからと思って朝一番のジェントルマンレースも見たのです。
レースは速い人とそうでもない人、遅い人がいるので、
一度順位が決まってしまうと、その順で回るだけのレースになってしまいます。

 

それでも、みんなIPSに乗って相当練習を重ねているので、
プロより1周2秒遅れぐらいで走ります。
結構速いのです。
タイムで言うとプロが1周1分45秒くらいで、
(コースレコードは平川亮の1分43秒885)
ジェントルマンで一番速い永井選手で1分47秒くらい、
他の人で1分48秒から50秒くらい。
一番遅い人でも1分51秒台だ。
私はこのIPSに真剣に乗ろうと練習したことがあるが2分を切るのが精一杯。

 

そう考えると、かなり速いレースなので、
見ていて楽しいレースで、また見たいと思った。

 

その次に「競女レース」
女性ドライバーだけで争われる本格的レースで、
このレースも、激しい抜きつ抜かれつがあって興奮する。
わずか10周のスプリントレースだから、見ていて飽きない。
前回のレースでは見事にデビューウィンを飾った#37の翁長さんが、
惜しくも2位でゴールし、残念であった。

 

 

プロのIPSレースは午後1時50分から見ました。
当たり前のことながら、
プロとアマではまるで違います。
絶対的なスピードで言えばわずか2秒足らずの違いだが、
実際のレースは、デッドヒートぶりの激しさもあって、
まるで違う車の闘いのように感じます。
ジェントルマンクラスのレースでは、
何となくどんなふうに運転しているか想像がついて、
出来るものなら自分もやって見たいと思ってしまうのですが、
プロのレースを見ると、
そんなことを思う間もなく、すっかり観客として見てしまい、
単なる1ファンに過ぎなくなっている自分があります。
自分があの中にいたらなんてとても思う間も無く、ただ興奮するのです。

 

プロのレースは本当に興奮します。
レース中は、私もただの1ファンで、みんなと一緒に興奮します。

 

 

次に「レジェントレース」で、
何十年も前に活躍した、今のレース界の草分け的なレジェント達の、
“レース”だ。
皆さん、既にずいぶん歳を取っていらしていて、
若い関谷正徳さんで70才。
元ドライバーでありTOM‘Sの昨年までの社長の大岩さんは80才、
第一回日本グランプリのクラス優勝者である多賀さんが最年長87才、
みんなトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、ダイハツなどの
バリバリのファクトリードライバー達でありプロ中のプロだ。
私はTOM‘Sと一緒にいるので大岩さんのことはよく知っているが、
あの方がレースに出られるとはとても信じられないほど、
もう完全に老齢と言っていいと思っていた。
その彼がレースカーに乗って運転すること自体信じられない。

 

とすると、レースと言っても、
実質的には「パレード」であってのんびり運転するもの、と思っていた。
しかし、乗るのは「ヴィータ」という1000ccながら、
パイプフレームの軽量レースカーで、
富士スピードウェーで2分を切って走る本格的なレースカー。
しかも、クラッチ付きのマニュアルのミッションカーだ。
更にシフトがフォーミュラカーのように『右』についているという。
シートが真ん中なので乗って運転する分にはまるでフォーミュラカー。
多分、私には運転できないだろう。

 

それを、70才代、80才代の爺さん達が運転するのだから、
元プロドライバーといえども、それだけで大変なことだと思える。
80才の大岩さんは「来年”免許返納”なので、これがラストドライブだ。」
そう笑っていらっしゃった。

 

しかし、どんなに爺さんでも、元プロレースドライバーだ。
レースで闘うことを職業してきた猛者たちだ。

 

レジェントレースが始まった。
最初の一周は「紳士協定」で、追い抜き無しで、
最年長の多賀さんを先頭にパレードのような走りだった。
しかし、紳士協定が外れた2周目からは、みんなフルスロットル。
ガンガン抜きあいを始めた。
穏やかな関谷さんが前の車を抜きまくって、いつの間にやら2位にいる。
その前を行く1位の長谷見選手は、抜かれまいと必死に走る。
第1コーナーで見ていたのだが、
関谷さんは、細かくカウンターを当てて走っていた。
中団では、混戦でコーナーでインをついて、鼻をねじ込み抜いていく。
これはパレードどころでなく、今日のレースでも一番激しいバトルではないか。

 

プロとアマでは、歳を取っても違うのだろう。

車のレースは、三十歳とか私のように四十歳とか
ある程度歳を取ってから始めても、それなりには速くなって、

 

ちょっと走れるようになると「おれって才能あるのかな?」と勘違いするが、
アマチュアはしょせんアマチュアでしかなく、
闘いを職業としたプロとは本質的に違うのだろう。

 

プロとアマの違いと、
実際に歳をとっても、レースそのものは間違いなく出来るものだということを
改めて痛感した今日の一日でした。

 

やっぱりやるしかないですね。

 

写真は85才の多賀選手

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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