谷 好通コラム

2020年05月04日(月曜日)

5.04.恐怖を動機とした行動は人間性を失うことがある。

中世のヨーロッパで、魔女狩りがあって、
何かの災いがあったり、悪い事があったらそれは「魔女」のせいであって、
犯罪を犯した者がいても、それは魔女にそそのかされたものとして、
何でもかんでも「魔女」が悪いとして、
その怖い魔女が私たちの生活の中に紛れ込んでいるとして、
普通の女性の何気ない普段の行動の中に「証拠を見つけた」と難癖をつけ、
普通の女性を、それも多くが若い娘を魔女に仕立て上げて
教会を裁判所とした「魔女裁判」を開き、
その難癖の証拠を元に、過酷な拷問の末、
「私は魔女です。」と自白させ、
魔女となった若き娘たちは、火あぶりという残酷な手段で殺された。
それが「愛の宗教」と呼ばれる宗教の名の下で行われたとは
にわかには信じがたいが、
でっち上げられて処刑された魔女にされた者は
数万人とも言われています。

 

中世のヨーロッパでは、
徐々に都市が形成されて人口が集中し始めたころ、
ペストなどの疫病が多発し始めた。
人の集合した所には疫病がつきものです。
しかしまだ科学も医学も発達していなかったので、
その恐怖から逃れるすべが無く
人々はその恐怖のはけ口を「魔女」のせいにして、
でっち上げた魔女を片っ端から殺して、その恐怖から逃れようとしたようです。

 

それが、現代の新型ウィルス禍と何の関係があるのかというと、
現代は科学と医学が十分に発達していて、
魔女をでっちあげるなんて狂気がある訳がありませんが、
テレビのニュースで、
渥美半島の先っぽにある伊良子岬の恋路が浜の「四葉のクローバー」が、
若い子たちが集まって感染の原因になるのが怖いと
大量のクローバーを全部刈り取ってしまった。と言っていました。
あるいは、
福岡の八女に近い何とかいう所に、
全国的に有名な見事な「藤の大木」があって、
その花の房が見事に長くて、素晴らしく美しいのですが、
今年は、観光客が押し寄せてはかなわない、感染拡大が怖いと、
見事に咲き誇った藤の花を全部切り取ってしまったというのです。

 

いくら感染が怖いからといって、
美しく咲いている最中の藤の花を切って捨てるなんて残酷なことが
人は平常心で出来るものでしょうか。
恐怖が人の心を狂わせてしまったと思えるのは、おかしいでしょうか。
中世の魔女狩りと相通ずる所があるのではないかと思えたのはおかしいでしょうか。

 

恐怖に駆られて、
あるいは、
感染症を何か月もかけて終息させるために、
あと一か月も続ければ77万人もの「失業者」を造り出してしまう
「経済の破壊」の施策はいけないように思えるのです。
今後、襲ってくる戦後最大の大不況、大恐慌は、
コロナウィルスによる死者の何倍、何十倍もの自殺者を出してしまうかもしれず、
その方がむしろ恐怖に思えます。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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