谷 好通コラム

2022年02月03日(木曜日)

02.03.現実になってくるかチャイナリスク

北京冬季オリンピックが明日の開会式を前にして

今日の夜から一部の競技が始まるそうだ。

去年の東京オリンピックも新型コロナ禍の最中で、無観客での競技であったが、

北京では無観客どころか、

競技者などオリンピック関係者と、中国国民を完全に分離して

オリンピック関係者が世界中から持ち込むであろう新型コロナウィルスを、

絶対に国内に感染させないという厳重な隔離政策を取って、

とりあえず厳密なゼロコロナ政策のまま、

冬季オリンピックを立派に成立させようとしている。

 

冬季オリンピック期間は、中国全体の産業が停止状態になっていて、

北京では今まで見たことがない素晴らしく気麗な青空が広がっていると、

テレビで言っていた。

 

私はこの話を聞いてゾッとした。

国民と完全に切り離された形ででのオリンピック。

さらに中国の全産業をほぼストップさせてまで行われるオリンピックは、

ほんの一握りのトップアスリートの為なのか、

あるいはオリンピックの開催に、

政治的なメンツがかかっているたった一人の独裁者の為なのか。

トップアスリートたちはあくまでも自分の為に闘うのであり、

それに付随して応援してくれる人たち(自国民)の為だろう。

しかしその為に中国の産業を全停止して欲しいとまで思っている人はいない。

 

ただでさえ、中国の厳しいゼロコロナ政策のおかげで、

中国の産業界にダメージが来ていて

今、世界中のサプライチェーンがガタガタになりつつある。

中国で生産していた材料の製品の不足が深刻なりつつあるのに

さらに誰かのメンツの為に、

北京オリンピックで産業活動の停止に拍車がかかってしまい、

いよいよ世界中のサプライチェーンの一部崩壊が始まるのではないか。

 

KeePerでは中国で生産していた製品を、かなり以前から、

日本国内での生産、

あるいは他のアジア諸国での生産に切り替えてきているので、

直接的な影響を食らわずに済んでいるが、

国内の製品納入業者が、その原料を中国から買っている部分があって、

そこから「原料がなかなか入ってこなくなった」の悲鳴が聞こえ始めています。

 

独裁的権力者のメンツとは、

歴史的に見てもあらゆるものに優先するので、

世界中の顧客に迷惑が掛かろうと全産業を停めてしまう怖さがある

そこが怖いチャイナリスクと考えていたが、

こういう形で影響を受け始めるとはあまり思っていなかった。

しかし、事前にある程度は予想していたので

当社のサプライチェーンを担う協力会社と力を合わせて凌いでいく事になる。

 

しかし、本当のチャイナリスクは、

これからが本格的になるのではないかとも思う。

ここのところの中国からの供給の不安要素が明確になってきている中で、

私が知っている会社の経営者は、ほとんどの人が中国離れを言う。

世界のサプライチェーンとして中国は無くてはならない存在ではあるが、

中国からの供給に不安を感じた日本の工場の

中国離れは大きな流れになりつつある。

もし、世界中の工場の経営者がそう考えたならば、

これはボディブローのように後から効いてくる様なダメージになる。

 

更に、最大のチャイナリスクは、

中国が過去、長い期間行った「一人っ子政策」で、

日本の少子化とは比べ物にならないスピードで急激に少子化が進み、

労働人口が激減し、老齢者が激増するするタイミングがもうすぐ来る。

 

ひしひしと感じるチャイナリスクから逃れるには、

とにかく中国との縁を持たずに、なるべく離れているしかない。

 

それとは別に、北京オリンピックでは、

日本選手の活躍が大いに期待出来そうなので、

いっとき、チャイナリスクなんて忘れて、、もちろん楽しんで応援しましょう。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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