谷 好通コラム

2022年02月26日(土曜日)

02.26.一瞬の後に、長い長い時間+夜。

手術は本当に一瞬でした。

午前10時に手術室に入って、服装は普通のバジャマ姿ですが、

そのまま手術台に乗って、すぐに点滴を確保する作業があったのですが、

あまり上手ではなかったのか、痛いばかりでなかなか確保が出来ません。

で、私が痛い痛いというものだから、

酸素マスクのようなマスクをぐっと口に押さえつけられたら、

わずかに、頭がボヤッとしたのが判って、

でも次の瞬間、聞こえたのが

「終わりましたよ。」「目を覚ましてください。」という言葉。

 

さっき頭がボヤッとしたのが、全身麻酔に入った時だったのでしょう。

そこからまったく時間の感覚も無く、痛みも無く、何も無いまま、

次の瞬間に「終わりましたよ」だった。

時刻を聞くと、約1時間後。

目が覚めても、何の痛みも何も感じない。

まだ意識が朦朧としたまま、自分の病室に戻って、

病室のベッドに移されて、いろんなパイプと配線が取り付けられた。

着ている服は、パジャマではなく、上下ともに手術着でほとんど裸。

 

それからがつらかったのです。

10分、15分刻みの時間が過ぎ始めて、

意識がはっきりするにしたがって、

取り付けられているパイプやら配線が気になり始めて、

ベッドに寝ていることが課せられた唯一の仕事で、ただただ我慢の時間です、

この日は、朝ごはんから晩ごはんまで無しで、

痛くも何もないのに、縛られているようにじっと寝ている事だけが許される。

すべてのパイプも線も明日の朝までは外せないという。

 

この時間の辛さだけが、今回の手術のクライマックスであった。

 

次の日になった今、1本のカテーテルだけが残されて、他すべてが取り去られ、

朝ごはんも昼ご飯も食べて、一か所の違和感だけを我慢して、

あとは普通の状態に戻っている。

内視鏡での手術なので、痛くも何ともないが、

約18時間の「ベッド安静」だけがひどく苦であったが、

眠剤をもっと有効に使えば良かったのかもしれない。

 

でも、今日10時からは体を起こしている事が許されてから、

早速、PCを開いてみたら、数百通のメールが来ていた。

私宛のルールではないメールがほとんどだが、

返事を書くべきメールも何十通もあって、それはそれで嬉しいものだ。

別世界からこの世に戻ってきたような気がして嬉しいものだが、

しかし、それにしても、人が手術を受けているというのに、

よくあんなに返事を求めるメールを書いてくるものだと感心する。

 

喜ぶべきなんだろうけど。

いずれにしても、これで手術はもう無しです。

完全に生き返りました。

 

 

天気予報によると、来週から、本格的に「春」になると言っていました。

猫柳の芽が膨らみ出したそうです。

馬酔木(あしび)の小さな花がもう満開です。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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