谷 好通コラム

2022年05月07日(土曜日)

05.07.ハローキティーちゃん号になった、技術者塊満載の弾丸500系。

名古屋から姫路には「ひかり」で行って、

姫路から博多には、まず「こだま」で岡山に行って、

岡山から博多までは「のぞみ」に乗っていく事になる。

姫路から博多には直通の「さくら」があるが、本数が少ないので、

まず「こだま」に乗って岡山まで行った方が、最終的にうんと早かったのです。

 

時間がちょうど昼頃になったので姫路の駅で「駅弁」を買って、

ほんの25分ほどの乗車の間に食べてしまった。

駅弁は、売り場で「どれが、人気あるんですか?」と、おばちゃんに聞くに限る。

これは安い弁当だったが、おばちゃんの推薦通り大変美味しかった。

この駅弁売り場のおばちゃんは人気者で、きっと売上げ抜群だろう。

 

岡山からは8分乗り換えの「のぞみ」で博多駅へ走るのですが、

乗り換え前に、自分たちが岡山まで乗ってきた「こだま」の車体を見て、

私は、大変、驚いたのです。

なんと「ハローキティーちゃん号」と名付けられた可愛い車体だったのです。

ホームを歩いていた小さい子供が「あっ、キティーちゃんだ。」と大喜び。

山陽新幹線では一番遅い「こだま」を、500系の新幹線車両が使われている。

500系車両とは、何十年か前まで最速の新幹線車両として君臨していた。

最高速度320km/hで、

実際にも最高300km/hで運用されていて、

当時の花形車両であり、日本の新幹線を代表する車両でもあった。

 

その車体の断面は、

圧力に一番強く出来て軽くできる「ほぼ円形」で、

車両の先端はあくまで細く、長く、

超スマートで、極端なスピード重視の空力優先ノーズで、

ほとんど翼の無い飛行機そのものだった。

それに加えて記録的に強力なモーターと、計算しつくされたサスペンションで、

日本の記録的な最高速が記録され、

鉄道ファンには、最高のスピードと、

うっとりするようなスマートなボディの憧れの最新鋭列車であった。

しかし、

その後、700系の新幹線車両が造られた。

500系の車体の断面は”円形”。

700系の車体の断面が”四角”。

 

その断面積は、

500系の横幅(直径)が”100”だとすると、

断面積は半径✖半径✖3.14=50✖50✖3.14=7,850

対して

700系の四角で、横が100で縦も100だとすると、

100✖100≒10,000

つまり、

500系の断面積7,850に対して、700系は断面積10,000であり、

断面積の大きさは空気抵抗に比例する。

つまり、空気抵抗を減らしてスピードが出しやすくするには、

断然、円形の断面積のほうが有利。

 

しかも、

その表面積では、車両の長さは同じなので、

例えば長さを500だとすると、

500系の円形では、

100(直径)✖3.14✖500(長さ)=157,000

対して、

700系の四角では、

縦横2枚ずつで100✖500(長さ)✖2枚✖縦横=200,000

 

500系の表面積157,000に対して、700系は表面積200,000であり、

表面積の大きさは、その厚みを掛けると重さになるので、

500系の断面の円形の方が、

157/200と、断然軽くなって、そのスピードにも断然有利になる。

 

つまり、断面が円形の500系の方が、

スピードを出すという技術的な条件では断然有利となる。

 

かくして、500系列車は地上最速の弾丸列車となった訳だ。

当時の技術者は、スピードアップという命題に、

断面積が小さい=居住空間が狭くなる。

という宿命があっても

当然のように円形の断面の設計を選択した。

技術者としての追求が生んだ技術者魂満載の列車と言える。

 

しかし、次に開発された700系列車では、

500系で居住空間が狭くなったことは、

乗客からは不評だったので、

まず居住空間を広くすることを優先させて、断面を四角とした。

500系の頃よりも技術が発達して、より強力なモーターが出来、

しかもボディの素材に樹脂が多用されるようになり軽量化されたので、

スピードもある程度維持された。

さらに、

N700系になって、ハイテクが取り入れられ振動が制御されるようになって

乗客の乗り心地が格段に改善された。

こうなると乗客は、

断然700系、N700系の列車を好むようになって、

技術者魂満載の500系は、東海道新幹線からはずされ、

残された山陽新幹線からも「のぞみ」「ひかり」から外されて、

なんと一番遅い「こだま」の専用車両にまでなっていた。

 

それをスピード優先の、乗り心地のあまり良くない

弾丸列車の成れの果てだと思っていた。

 

それが今度は、ボディをピンクに塗られ、キティーちゃんがプリントされて、

「ハローキティーちゃん号」と名付けられ、

小さな子に「かわいい、キティーちゃん、好きっ!」と言われていた。

 

この様子を見たら、

500系を造った当時最先端の技術者たちは、泣いてしまうだろうか。

 

新幹線が造られた目的は、

最先端の高速鉄道でありスピードが命ではあるが、

その新幹線を使うのは、

あくまでも乗客であって、

どこまで行っても乗客が主役であり

スピードを出すために乗客の居心地を悪くしたら、

いかな弾丸列車でも、キティーちゃんになってしまうのだろう。

 

新幹線の世界でもはやり「お客様は、喜んでいますか?」なのだろうか。

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2022年05月07日(土曜日)

05.07.SDカードを入れ忘れたまま新店「LABO博多店」にて

昨日は、朝一から新幹線「ひかり」に乗って姫路に行き、

オープンからちょうど一年とちょっとで

平月1,000万円オーバーを記録した「LABO姫路店」を、

建設後初めて見て、この店が何故ここまで強いのかが納得できた。

 

姫路店訪問の後、

福岡まで足を延ばして「LABO博多店」に行きました。

この博多店は4月22日にオープンしたばかり。

博多店も姫路店と同じようにコンビニストア跡に居抜き建設で造りました。

福岡市(人口162万人)のほぼど真ん中「博多区山王町」に位置し、

大通りの角地にあって視認性も抜群。

 

姫路店よりも少しだけ面積は小さいが、

成功店・姫路店の店舗レイアウトを踏襲したデザイン!になっていて、

ものすごくかっこいいコーティングブースは、6台分のキャパシティがあり、

車を動かさないタイプの洗車スペースも5~6台分ある。

 

九州を代表する店舗として、華やかな「博多店」と名付けた。

 

そして、博多店の主役であるスタッフは、

店長が、福山店で目覚ましい実績を造り上げ、

その高実績を出し続け維持してきた安藤祐希シニア店長。

この人の、お客様を思いやる姿勢と気持ちの強さは定評があり、

妥協を許さぬ運営と、優れたマネージメント能力を備えている。

すばらしい共感力と相まって

先輩であるLABO姫路店を凌駕する要素は十分あるメンバーです。

もう二人のメンバー「つちだ君」「せきや君」は、今日はお休みの日でした。

 

実はこれらの写真、全部みんなに撮ってもらったものです。

私は姫路店訪問後に新幹線で博多に移動中に、

列車の中で姫路店の話を書き始めて、その時、

カメラの中からSDメモリーカードを抜いてPC写真も整理したのですが、

書くのに熱中しすぎたのか、

SDカードをカメラに戻すのを忘れてしまったのです。

そして、博多店に着いてSDカードがカメラに入っていないまま、

博多店で店やみんなの写真をたくさん撮ったのですが、全部空撮り。

それを帰りの新幹線の中で、博多店の事も書こうとした時に気が付いたのです。

だから、

あわてて九州のLABOを統括する増田課長に電話をして

博多店のみんなに写真を自分たちで撮ってもらって、送ってもらったものです。

 

何とも恥ずかしい限りで、

みんな、ごめんな。

 

安藤シニア店長

おぐら君

しばざき君

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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