谷 好通コラム

2001年10月24日(水曜日)

258話 暇にまかせて、もう1話

飛行機に乗ってから、8時間経った
あと3時間と40分

 

飯を一回食べて
本も結構読んだし、コラムも2つ書いた
窓の外もたっぷり見た

 

やることは
もう一回ご飯を食べるだけ

 

コンセント見つけてしまって、パソコンの充電バッチしだし
嫌われるのを承知で
もう1つコラムを、書く気になってしまった

 

本当は、時差の関係もあって、寝て置かなければイカンのだろうな、とは思う
その証拠に、みんな窓を閉めて、暗くしてすっかり寝ている
皆さんホントに良く寝ている

 

私は、飛行機が飛び立って2時間ぐらいしてから、15分ぐらい寝て
外を見たら
「真っ白!」
「シベリア!」が、始まっていたのだ
もちろん、シベリアなんて見るのは初めて
延々と続くという表現ではとても追いつかない、そのとんでもない広さ!
しかし
何も無い、という表現は全く当たっていない
さまざまな地形が
次々と目に入ってくる
当然、寝てなんかいられない

 

毎度のごとく、窓に顔をくっつけて
全く見たことのない、すばらしい風景に感動しまくり
デジカメで取りまくり
声こそ出さないが、はしゃぎまくっている

 

寝るのもいいが、この風景を見ないのは、絶対もったいない

 

等高線が書いてあるような山々、この風景が30分続いた

 

 

北極海の上、どこかの海岸に氷山が押し寄せている
地平線が丸い?

 

 

最高緯度69度に近いところ
無数に開いている穴は、いったい何なのだろう
隕石の跡か?
もう身震いするほどワクワクしちゃいます

 

 

皆さん、飛行機に乗ったときは、窓にカブリツキ
ワクワク、ルンルン
これ、国際便でも常識でした

 

他の人が全部寝ていても
自分は自分で、信念を持って、しっかりと楽しまなくては
イカンのです

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2001年10月24日(水曜日)

257話 北緯69度回り

名古屋からドイツ・フランクフルトまで11時間40分の予定と
機内アナウンスが言っていた

 

そして、機長から今日の航路の説明があった
名古屋を離陸後、北上し
日本海、オホーツク海から「ハバロフスク」を通って
ロシア領に入る
シベリアのツンドラを北上しながら、延々と西へ西へと飛ぶ
北緯69度まで、北に回り込みながら西進する
そして、フィンランドを通ってドイツに進入する、ということだ

 

北緯69度といえば
北極圏に近い
離陸から2時間ほど経ってから
何時間も、何時間も
外の景色は、白く凍り、雪に覆われた大地が見渡す限りに広がっている
まだ10月の下旬だというのに
北極圏に近いシベリアは、もう極寒の世界だ

 

ところで、異様なものを見た
地上に映る、何本もの直線の影
なんだろうかと考えながら、上を見て気がついた
この飛行機と同じ高さに、ず~っと黒い帯状の雲が見える
“飛行機雲”だ

 

それが何本も何本も、平行して並んでいて
地上に、何本ものまっすぐな影を映しているのだ

 

 

日本からヨーロッパへの飛行機は
みんな、きっちりとこのルートを飛ぶみたいだ

 

なぜ?
このルートが、アフガニスタンから一番遠いからか?
そうかもしれない
いずれにしても
今、航空業界は致命的なダメージを受けつつある

 

今、乗っている名古屋→フランクフルト便
1ヶ月にチョッと前、チケットを予約した時には、キャンセル待ちの状態であった
満席が当たり前の便であったようだ

 

それからすぐ、アメリカでの連続テロ事件があって

 

今日、実際に乗ってみてビックリ!
キャンセル待ちであったはずの飛行機が、ガラガラ

 

このA340かなり大型で
3クラスでも300人は乗れるであろうが
今日乗ったのは、50人ぐらいいるかどうかで
文字通りガラガラ
完全に採算割れであろう

 

みんな中央列の肘かけを上げ、ベッド状態にして寝ている
これならエコノミー症候群も関係ない

 

航空旅客、とりわけ国際線の旅客が激減したとは聞いていたが
これほどまでとは・・・・・

 

 

名古屋発着の国際線が、潮が引くように撤退が続いている
たとえば、デルタ航空の名古屋事務所は
事務所閉鎖の発表の翌日、留守番一人を除いて全員解雇だそうだ

 

テロは、人の命を奪うばかりではなく
経済を壊し、人の職場をも奪う
その影響は、とんでもないところまで出ているものだ

 

みなさん、こんなときにこそ飛行機に乗りましょうよ
国際便にバンバン乗りましょうよ
安いし、ガラガラで楽だし、こんな時にこそ飛行機に乗りましょうよ
どうせ
道路を走っているほうが、よっぽど危険なんだから
どうせなら、こんな時にこそ、飛行機に乗りましょうよ

 

テロなんかに負けてちゃイカンと思うのです
脅しに負けて
航空会社を、潰しちゃ、イカンと思うのです

 

ヨーロッパ便は、北極海を見れるんですね~

 

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2001年10月24日(水曜日)

256話 重量級の離陸

23日の朝10時に名古屋空港を発って
ドイツに向かう
フランクフルトまで11時間40分
そこで乗り換えて、ミュンヘンまで合計約14時間
初めての超長距離フライトである
時差がマイナス8時間あるので、向こうでの到着時間は23日の3時過ぎ

 

何度も外国に行ってはいるが
片道3~4時間程度のところばかり
今回のように
地球を半周近くするような旅は、初めてだ

 

乗っている飛行機はドイツの「ルフトハンザ航空」
機体は、ヨーロッパのエアバス・インダストリー社
「A340」
スマートで、大変美しい機体だ
4基の高バイパス比・ターボファン・ジェットエンジンを、両翼にぶら下げている
遠めに見ると
細長いボディーに4基のジェットエンジンは
世界で最初に実用化された大型ジェット旅客機、ボーイング707に似ているが
そのスケールはまるで違う
エアバス社の飛行機では、現在のところ、最大の機体であり
世界一の航続距離を持つ飛行機である
(エアバス社は、「A380」という総2階の馬鹿でかい機体を開発中である)

 

A340は、10,000kmに近い超長距離フライトに備えて
主翼のインテグラルタンクには、満タンの燃料が詰め込んでいる
そして尾翼にも燃料タンクがあり
燃料の減り具合によって
ポンプで燃料を、主翼と尾翼の燃料タンク間で移動させることによって
理想的なバランスを取る仕組みになっている

 

入るだけの燃料を抱え込んだ機体は、極端に重くなっている

 

初めての超長距離フライトの離陸!
滑走路の端から、4基の高出力エンジンをフルパワーにして
全力で加速を始めるが、なんとなく重い
そろそろ、離陸かと思うぐらいの速度になっても
なかなか機首を上げない
ウ~~~~ん、て感じで、ようやくテイクオフ

 

やっと浮き上がってが、上昇の角度がひどく鈍い

 

最近の飛行機は、機体の重量に対してエンジン出力が大きいので
離陸のあとは、ジェットコースターみたいに急上昇する
国内線は
燃料をあまり積み込まないので、余計にそうだ
力強く離陸する

 

今日のA340、タンクローリー何台分?かの燃料を積んでいるので
そんな急上昇どころか
水平飛行に毛が生えたぐらいの角度で
じわーっと、昇っていく
まるで、非力なプロペラ機の離陸のように

 

こんな離陸は初めての経験だ
いつも乗っている国内線・短距離飛行の離陸と
国際線・超長距離飛行の離陸の様子が
こんなにも違うとは思わなかった

 

まず、一発目の感動

 

一度この飛行機には乗ってみたかった憧れの「A340」

 

 

離陸前、重そうに下にたわんでいる翼

 

 

離陸直後、揚力と重量がバランスして、かなりまっすぐになった翼

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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