谷 好通コラム

2003年07月17日(木曜日)

756話 ありがとうの力

また飛行機に乗っている
上海への2時間の旅

 

たしか、先週石垣島に行ったときには飛行機に3時間乗った
上海へは、たった2時間20分
上海が近いことをまた強く思う

 

世界で一番注目の都市である上海
それがこんなに近くにあることをラッキーと考えなければならない
ありがたいことだ

 

ありがたいことと言えば

 

昨日福岡に行ってアイビー石油さんの那珂川店に行ったのだが
帰ってきて、このコラムを書いて
そのあと、色々考えていた
そこで、ふと気がついたのだ

 

馬場さんのアイビー石油さんの
何がスゴイのかってこと

 

その源は「ありがたい」だったのだ
きっと間違いない
あのパワーの源はすべて「ありがたい」から来ている

 

ある人からこんなことを聞いた
「アイビーさんに伺ったとき、差し入れを持っていったんですよ。
そうしたら、アルバイトの人まで一人残らず
人が入れ替わり立ち代りで
『お菓子いただきまして、ありがとうございました。』って言いに来るんですよ。
大したものでもなかったので恐縮してしまいました。」

 

その話を聞いたとき
私は「フ~~ン、ずいぶん行儀がいいんだなぁ」
とぐらいにしか思わなかったが
どこか引っかかるものを感じていた

 

そして、昨日
オープン前日であったその時、馬場社長と待合室で色々話をしていた

 

色々な人がやってきた
タイヤ屋さん
電気屋さん?
保険屋さん?
水道工事屋さん
馬場社長は、その一人一人に丁寧に自然に接し
その人が帰るときには、必ず「ありがとうございました」と見送った

 

ただ単に挨拶に来ただけの人もいた
オープン前日の忙しいであろう日に、何かを売り込みに来たらしい人もいた
その誰にでも、丁寧に接し
「わざわざ来ていただいて、ありがとうございました」と見送る

 

それが誰であっても、決して威張ったりしない
もちろん、卑屈なものでもない
媚びているわけでもない
ものすごく自然なのだ
はにかんだような笑顔を持って、誰にでも接する
そして「ありがとうございます」

 

その自然さは
お客様であっても
業者さんであっても
役職を持った人にでも
作業をしに来た若い子にでも

 

ポスティングから帰って来た人には
「いや~~ご苦労様でした。疲れたでしょう。ありがとうございました。」と
ねぎらっていた
その人たちがポスティング業者の人なのか
好意で手伝っていた人が分からない
そのどちらであっても、馬場さんは同じようにねぎらったであろうから

 

小学生ぐらいの男の子と女の子が店の中に入って来た
「こんには~」
「ハイ、こんにちは」
2人の子供はニコニコしている
馬場さんは、近くにいた奥さんに「なんかジュース入れてあげて」と言う
奥さんもニコニコして、子供たちに何か上げていた
「どこにすんでいるの?」
「○○○」
「へー、○○○ね、じゃあ△×■小学校?」
「ウン」
「あー、そーね、来てくれてありがとうね。」
と、そのうちポスティングに出ていた女性のアルバイトさんが帰ってきた
「あっ、おかあさん」

 

その2人の子供は、そのアルバイトさんの子供さんとお友達であったのだ
私は、その会話を聞いていて
いい気持ちになった

 

その自然さが、ものすごくホッとさせてくれるものを私に与えてくれたのだ
どこの誰かも分からない子供が2人
フラッと入ってきて
それを何気なく自然に受け入れて
自然な会話が成り立ってしまう

 

こんな風景をどこかで見たことがある

 

その昔、田舎とか下町で
町の人達は、それが誰の子供であろうが、訪れた子供におやつを上げて
自然に受け入れてしまう
だからといって子供も、どこででも図々しくおやつを貰うわけではなくて
みんな、なんかの用事で行き
そして礼儀正しかった
自分の親が、よその家を訪ねるとき礼儀正しかったように
訪れる人は「もてなしていただいき、ありがとうございました」
訪問を受けた人は「わざわざ来ていただいて、ありがとうございました。」

 

お互いに「ありがとうございました」

 

礼儀とは、もてなしの気持ち
礼儀とは感謝、「ありがとうございます」が根本

 

その礼儀を教えることを「しつけ」という
「しつけ」とは、漢字で書いて身を美しくする「躾」と書く

 

アイビー石油さんのパワーとは
そして、圧倒的な力を発揮する“接客”とは
実に、感謝の気持ち「ありがとう」に凝縮されているのではないだろうか

 

そして、その感謝の気持ち、礼儀を
お客様以外の人でも、誰にでも
自然そのものに
自ら100%表現し
また、すべてのスタッフ一人一人を“しつける”“躾ける”ことによって
店全体を“もてなしの塊”にしてしまっているのだ

 

そして
店を訪れたお客様を、一人一人残らず
心の底から、本気で“もてなしてしまう”のだから
お客様は、ひとたまりも無い
この店のファンになってしまうこと間違いなしなのだ

 

作られたものではなく、本物の感謝を知っている人は
それがお客様であろうが
業者に人であろうが
役職者であろうが、一スタッフであろうが、アルバイトであろうが
自分の会社のスタッフであろうが
まったく区別無く
きちんと「ありがとうございます」と言えるものなのだろう

 

だから、わざとらしくもなく自然であって
お客様も、その感謝の気持ちを素直に受け入れてくれるのだろう

 

馬場一浩のすごさの本当のところは
「ありがとう」の力にあったのだ
そして、それがアイビー石油の一人一人に躾となって浸透している
これなのだ
アイビー石油のパワーの源をやっと見つけたような気がする

 

本当の意味で感謝することが出来る人は
当然、感謝されることにもなる

 

「人の一番大きな幸せは、感謝されること」と
どこかの精神科医が言っていた

 

だから、この店を訪れるお客様は幸せなのだ
だから、アイビー石油に通うのだ
ここのお客様の幸せが、アイビー石油の驚異的な実績を作り上げている
そうことだったのだ

 

そして、ここのスタッフは幸せである
給料を貰いながら、最高の躾をしてもらえるのだから
だから、きっとこのスタッフの人たちは幸せにもなれるのだ

 

ずいぶん前のグリットコラムで吉田君が
「○○○で、ありがとう」
「××××だから、ありがとう」
と、20回言うと、ものすごく幸せな気持ちになれる
というようなことが書いていた

 

なるほどなぁこのことか、とあらためて思ったのでした。

 

私なんざ、まだまだ、とてもとても、まったくダメである
勉強せにゃイカンのである

 

そろそろ飛行機が降下を始めるころだ
もうすぐ上海
とてもいいことを学んでの上海入りは
いいものになることは間違いない
楽しみである
・・・
・・・・・

 

と、ここから、上海のホテルの中
上海の空港について
頼さんが迎えに来てくれていた

 

頼さんの洗車屋さんの店長さんが運転して
上海のホテルにまで送ってくれたことはいいが
なんと、2時間半もかかってしまった
道がよく分からなかったらしい
名古屋⇒上海の飛行時間よりかえって掛かってしまったわけで
ヘトヘトでホテルになだれ込む

 

疲れてしまったので
ホテルの横で食事をすることになったが
頼さんは恐縮することしきり

 

それでも、明日からの盛りだくさんの予定をワクワクして話しながら
夜が更けていく
ただ今、上海時間で夜10時30分
日本時間で11時30分

 

急いでこれを上げないと、また明日になってしまう

 

※恐縮するも、元気な頼さん

 

 

※初の海外出張に張り切る、たった一人の海外事業部員“熊沢”、とたじたじの頼さん

 

 

※上海の町は相変わらず騒然としていた

 

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2003年07月17日(木曜日)

755話 土壇場クソ度胸

名古屋から北九州・小倉への新幹線の中
約3時間の行程だが、こういう時にはたいてい嬉々として原稿書きをするのだが
しかし今日は
これを書き始めたのが
やっと、新神戸を出たころ
なかなかエンジンが掛からない

 

列車に乗って
まず弁当を食べて
歯を磨いて
トイレに行って
一眠りしてしまった

 

私は新幹線とか飛行機でほとんど寝ない
しかし、今日は少し寝てしまった
隣に座っていた老婦人が新神戸で降りるときにやっと目が覚めた

 

少し疲れ気味かなぁとも思うが、このぐらいのときが一番調子がいい
・・・・はずであったが
体の根っこの部分が重い感じがする
これは歳のせいだ

 

手帳には、ほぼ2週間先までの予定が詰まっており
うんと先の方の日時にも予定が点在している

 

自分が作った予定をこなしながら
また、先の予定を入れていく
それでもなお、もう詰まっている予定の隙間にも、もっと細かく予定を押し込んでいく
毎日がその連続で
そうしていても、予定が突発的に変わったり
ハプニングに翻弄されたりもする

 

そんな風に書くと
いかにも、激務をこなしていて
疲れ切っているように思われるかもしれないが
実は反対であって
あらかじめ自分で作った予定なので
それを、こなして行けば
目的が実現していくことになる
「労多くして、実り少ない」という一番疲れるパターンにはならないのだ

 

スケジュール自体は、決して楽なものではないが
それを立てたのは自分であるので
非効率的な、消耗してしまうような組み立て方はしていない
その一つ一つの予定がこなされていく度に、達成感を感じることも出来
精神的にはまったく疲れない
それより突発的な出来事の方が
よっぽど疲れる

 

肉体的には、私のデブッた体を見て分かるように
大したことはないし

 

予定の立て方には一つのコツがある
時間刻みで最初から予定をきっちり詰めていくと
一つ予定が狂っただけで、そのすべてがガタガタになってしまう
だから
大まかな予定をザクッと入れておいて
間近になってから、こまかく時間をつめて行くのだ
こうしておくと、相手の予定もかなり固まってきているはずなので
滅多なことで予定が崩れることは無い

 

それでも、予定は予定でしかなので
思ってもいなかった事態になることもあるが
最後は、土壇場のクソ度胸
慌てたりさえしなければ何とかなってしまうもの

 

 

快洗隊のオープンについても同じように、
(誤解を恐れずに言えば)
前日までオープン日を決定しない

 

準備がすべて整って
「そろそろいいかな?」ってところで
「じゃあ、明日からやろうか」なんて感じでオープンしてしまう
店を開くのはそんな感じ
それから、一生懸命、みんなで練習をしながら
ボツボツ入ってくるお客様の車を洗わせていただく

 

その間に、スタッフの技術的習熟と
店舗の不具合の修正をするのだ

 

オープン時には、新聞折込みチラシも入れるが
オープンを特定する“日時”を刷り込んでいない
天気予報を見ながら
一番具合のいい時を見計らって
えいや!っと「オープン!」のチラシを入れる

 

だから、おもむろに営業を始めて
お天気などの様子を見ながら“販促投下”で、オープン!とやってしまう

 

洗車屋は、お天気がものすごく重要な要素になる
だから
いくら前もって日時を決めても
その日に雨が降ってしまったら、すべてが台無しになってしまう
そんなリスクを犯してまで
オープン日時を決めてしまう必要性も無いのだ

 

お天気が良さそうな日を見計らって
えいやっ、とオープンなのだ

 

ガソリンスタンドの場合はそうは行かないようだ
私も、昔からたくさんのガソリンスタンドのオープンに立ち会ってきたが
前もって決められたオープン日に向けて
全員が一丸となって突進する

 

オープンこそ、スタンドの命とでも言わんばかりに
すさまじいまでのパワーを結集し
オープン日に向けて突っ走る

 

オープン2・3日前ともなると
あれが足りない
これがまだ届いていない
何が出来上がっていない
あいつに頼んだものがまだ来てないぞ!

 

オープン日が迫ってくると
みんなピリピリしてくるのだ
疲労もたまってくる

 

そんな時、「くそったれ~」と大声を出して
パニックになっているのが私であった
予定通りに物事が進まないと、頭から湯気を出してイライラしてくる
私のパターンであった

 

今考えると、情けない限りである

 

(今、福岡から帰ってきた)
今日は小倉で大切な仕事をした後、福岡に行って
明日オープンのアイビー石油さんの那珂川店を訪問した

 

この那珂川店の建設は、途中までトラブル続きで
工期が遅れに遅れ
やっとのことで完成に漕ぎつけた

 

アイビー石油の馬場社長は超有名人
工事完成ギリギリまで
全国を講演で飛んで回っていて、行った先で携帯電話を掛け捲って
色々な指示を飛ばしていた
10日ほど前、講演のついでに快洗隊部分をどうするかの相談に
アイ・タックに来てくれたときもそうであったから
他でもそうであったのだろう

 

あんなにドタバタしていたのだから
オープン前日の那珂川店は
ピリピリの絶頂かと思っていた
が、意外にも静かであった

 

スタッフの人たちは全員ポスティングに出ているという
誰もいなくなった那珂川店

 

 

17日、まずスタンド部門のオープン
25日に快洗隊オープン
そのつなぎの為のお化粧を、グリットの吉田君とアイ・タック福岡の平山君が
一生懸命やっていてくれていて
ダイフクユニックス福岡のメカの親分宮田さんが
少し手直しをしてくれていた

 

 

まだまだやり残していることがいっぱいあって
本当は焦っているのかもしれない時
馬場社長は、いたっておだやかであって
焦ってジタバタしているそぶりなど、まったく無い

 

ジタバタしたって
出来るものは出来るし、間に合わないものは間に合わない
全力でやってきたし
明日からも全力でやるだけ
長~い長~い商売が始まるのだから
ジタバタしたってしょうがない
そんな感じか

 

みんなが焦ってしまいがちなとき
リーダーが落ち着いていることが、一番肝心なのだ
大変勉強になりました。

 

かつての、オープン前日の私と、えらい違いである
自分の昔を思い出し、思わず赤面してしまう

 

撮られるのを嫌がる馬場社長と奥さんを
無理やり写真に撮った
恒例のポスティングスタイルの馬場社長と、チャーミングな奥さん

 

 

どんな場面でも、決して人に対する心配りを忘れないご夫婦
彼の大物振りを目の当たりにした

 

土壇場のクソ度胸
「馬場一浩、大したやっちゃなぁ~」と思わずつぶやいた

 

クソ忙しい吉田君
わざわざ日帰りで福岡までインスタント看板を張りに来てくれた
平山君に手伝ってもらい
夕方、やっと出来上がった
ご苦労様でした

 

 

私は、明日上海に行かねばならない
オープンの様子を見ることは出来ないが
大成功を祈るばかりである

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