谷 好通コラム

2004年10月14日(木曜日)

1039.さびしい時もある

今まで、たくさんの人がやってきて、去っていった人もいっぱいいる。

 

今いる人の2倍ぐらいの人がやってきて、
今いる人と同じぐらいの人が去っていった。
だから、今いる人の数だけいる。
人が去っていくことは、何ものにも代えがたく寂しい。

 

私も会社を興すまでは、何回も職場を変えた。
いろいろな理由があったと思うが、今思うとどれも理由になっていない。
一言で言えば「イヤンなっちゃった」ということか。
今考えると、私は辞めることで仕事上の苦難から自分を解放していたような気がする。

 

 

32歳の時に会社を興して、
そこからは、何度イヤンなっちゃっても、やめたいとは思わなかった。
思うことが出来なかったと言う方が正確か。
会社を興していながら辞めるということは、
すなわち破産を意味することであり、
破産とは、自分に関わった人に対して一方的に害を加えることになる。
一方的に害を加えるということは、不幸を与えることであって
その人との相互の関係を一方的に断ち切ることにもなる。
つまり、いろいろな意味で独りぼっちになること。

 

人間、何が怖いって、孤独になることが一番怖いのではないだろうか。

 

万が一、会社が破産して、財産がなくなったり生活が苦しくなったりしても、
それはそんなに苦痛ではないような気がする。
大昔、起業したころ、
会社が潰れるのではないかという危機を何度も乗り越えて、
会社が軌道に乗ってきた時、
ふっと思ったことがある。
会社が倒産したりしたら、
社員の人たちとか、関係者の人たちと仲間であり続けることは出来ないだろうし、
会社員であったころには有り得なかった様な孤独になる
何が怖いって、そんなことが一番怖いのだろうなと、
思ったことがある。

 

会社を興した以上、
絶対に破産させることは出来ない。
みんなを不幸にしたうえに、究極の孤独が待っていることを思ったら
どんなにつらいことがあっても、イヤンなっちゃっても、
歯を食いしばって頑張ることが出来るものだ。

 

人は人の中で生きていることで、心が平安でいることが出来るのであろうし、
頑張ることも出来るのであろう。
相手が誰であろうと、何であろうと、
一人のこらずの人と一緒にいたいと思っている。
縁があった以上、仲間なのだから。

 

だから、去っていく人が出ると、
言いようがないほど寂しい思いになる。

 

 

人は笑顔を向けられると幸せになる。
人に去られると、ひどく寂しくなる。

 

何ヶ月か前、北京のレストランでご馳走になった時、
北京ダックを取り分けてくれた係の女の子の笑顔が印象的だった。

 

人は笑顔を向けられると幸せになる。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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