谷 好通コラム

2006年11月05日(日曜日)

1506.情けなくも悔しい

朝8時半からの予選は意外なものであった。
おっさんドライバーである私は、先週と前日で計90周にも及ぶ練習の甲斐あってか、
あるいはニュータイヤのおかげか
15分間の予選で、すぐに1分10秒台に入った。
10秒736、まずまずの結果と思っていたが、
9秒台が4台、そしてなんと、10秒台が10台もいて団子状態。
私はその一番後ろであった。
だから20台中の14番手。

 

あと0.3秒速かったら5台も前であった。
あと0.5秒速かったら8台も前で、クラブマンクラスのベスト4に入っていた。
勝負事に「たら」は禁物であるが、
何で、もうちょっと頑張れなかったのか、
問題はヘアピンからの立ち上がり、それが解っていて克服できない。
悔しくて悔しくて、

 

しかしそんな悔しさもまだ序の口であった。

 

決勝レースが始まって、
団子状態で競り合うのだが、
その0.1秒ごとも違わないライバルたちに、
私はジリッジリッと離されるのだ。

 

前にいる車に襲いかかっていくべきなのに、
いかにヘアピンの立ち上がりが下手とはいえ、
前に来た車に確実にジリジリっと離されていくのは、
自分が攻撃的でなくなっているのではないかと、
歯がゆくて腹が立ってくる。
走りながら怒鳴ってみるが、同じ事。
後の車が私を追い越すためにたびたび仕掛けてくるのは、
そんな私にイラツいているのだろう。
ヘアピンのたびに、後の車がバックミラーいっぱいに広がるが、
その先の高速コーナーでは私の方が速いのか、
なかなか抜くことは出来ない。

 

100km以上、時には150kmものスピードで、
カウンターを当てながら駆け抜けていく高速コーナーが、
私は大好きで、
たぶん、そんなコーナーほど危険なのだろうが、
むしろ快感を持ちながら思ったとおりに車をコントロールできる。
しかし、せせこましいヘアピンは
体が窮屈になるようで苦手であり、私は大嫌いである。
筑波は狭いサーキットなので、そんなヘアピンが3箇所もあるのだ。

 

ヘアピンのたびにイラツいている後の車を、
15周のレースの後半、10周過ぎに、わざとインを開けて2台抜かさせた。
本当は押さえ込もうと思えば出来たはずの2台を、
わざわざ抜かせたのは、
私を抜けばこの2台は、
私がジリジリっと離されていく前の車に
迫っていくチャンスがあるかもしれないと思ったから。

 

そのチャンスを、私が前で頑張っているからみすみす逃すとしたら
申し訳ないと思ったのだ。
そうすることがマナーであるとも。

 

そんな風に思うのは私のレースじゃない。
後のことなど気にせず、ひたすら前の車に襲いかかって行かねばならないのに、
私の闘争心は一体どこへ行ったのか、

 

前の車に着いていくことが出来ない歯がゆさに輪をかけて、
後にレースを譲る自分の情けなさに、腹が立って、
その抜かして行った2台の車が、
私をまた、ジリジリっと離して行くという情けなさ。

 

20台中16位でゴールした時、
そんな自分が恥ずかしくって、悔しくって、
涙が出て来そうになって、
待機所に帰ってから皆が声を掛けてくれても、返事の声が出なかった。

 

レースを手伝ってくれた石川さん、畠中君、富澤君たちには
ただ申し訳ないと言うしかない。

 

クラブマンクラス16台中12位であった。
まったくもって情けなくも歯がゆい結果だ。

 

しかも、レース中のベストラップで言えば、
16台中の5位であって、タイムだけで言えば速く走れるはずなのに、
前の車には着いていけず、
後からプッシュされたら、わざわざインを開けたりして、
レースに負けている。

 

こんなに悔しい思いは、そうあるものではない。
このレースのことはしばらく忘れる事は無いだろう。

 

来年もゴルフGTIカップシリーズが開催されることが決まったと主催者が言っていた。
絶対に勝つまでやろうと思った。
私は激しい闘争心を取り戻さなくてはならない。

 

朝早く終結したライバルたち

 

 

張り切って予選に出かける。

 

 

予選の途中で一度ピットに入る。
この時点では結構前の方のタイムが出ていると信じていた。

 

 

思ったよりポジションが良くないと分かっても、
まだ、やる気満々で、「どうやって前を車達をごぼう抜きにしてやろう」などと考えいる。

 

 

何故かいつもすぐ前にいる美人ドライバーの?55竹本圭(?)さんの
後のポジションで、今回もスターティンググリットに並ぶ。

 

 

スタート直後、まだ団子状態でデッドヒートだ。

 

 

徐々に、ジリジリっと?55に離される。

 

 

レース終盤、一台に抜かされる。
このあともう一台に抜かされて、情けなくもクラス16台中12位に終わることに。

 

 

先月SUGOでエンジンがブローし、
消化剤まみれなっていた我がKeePreゴルフを、
今回のレースに間に合わせて直してくれた吉永さん。
ありがとうございました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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