谷 好通コラム

2011年07月16日(土曜日)

2826.大渋滞の中で考えたこと

菅内閣の支持率がとうとう12%台にまで落ちた。
あらゆる政治家からマスコミまでが総動員で菅直人バッシングの中、
彼を100人中12人がなお支持しているわけだ。
それはそれですごい。
私には何が本当なのか解らない。

 

菅直人はその昔、
日本政治の良心と言われた二院クラブの「故 市川房江氏」の秘書だった。
市民運動のリーダーでもあり手弁当での秘書であったと読んだことがある。

 

その政治家としての元来の素性が、
利権を求める体質でも、
権力や地位を志向する体質でもなかったはずだ。
それが今、総理大臣の椅子にしがみつく亡者のごとき最悪の政治家とされている。
しかし菅直人の政治的原点と、
言われているような最悪の政治家像とは、
あまりにも大きなギャップがあって、どうしてもそれが信じられないのだ。

 

このような場合、
よくあるのは真実が全く別のところにあることだ。
多くの人が感じる事とは全く別の事を本人は考えていて、
それを説明することが出来ない何らかの理由があり、
理由を言えないのだから、説明することもない。

 

見えていないことがあるとしたら
それは福島第一原発の事故後数日間の情報の空白ではないか。
菅総理だけでなく、それを取り巻く政治家とマスコミ全体が、
東京に大パニックを避けるために、本当の危機を隠したと私は思っている。
それを証明する事実は言い尽くせないほどたくさんある。
あくまでも可能性ではあったが、とんでもない大きな危機は間違いなくあった。
論理的にそう考える方が自然だ、

 

事故から三ヶ月ほど経ってから、
事故当初に「メルトダウン、炉心溶融」が起きていたことを、
保安院が分析の結果でようやく分かったように言って、やっと認めたが、
それでも、そこから導き出される最悪の事態の可能性はやはり触れない。

 

最高権力が全マスコミぐるみで、
「知らせないという方法」で、
東京大パニックあるいは大暴動を防いだ。
この事実が、昨今のドタバタ劇の裏のキーになっているのかもしれない。

 

なんでも本当のことを、
すべて白日のもとに曝して公にしたほうが良い。
それは事実だが、曝した時のその結果を考えて、
あえて伏せるほうが良いこともあるのかもしれない。
曝すことが決して平穏な幸せにはつながらないことならば、本当にそうなのだろう。

 

菅直人が引退したその後で何を言うか。
そういう意味では、菅総理が早く引退することも楽しみだ。

 

 

今、高速道路の大渋滞にはまっている。
東北道の村田インターから白石インターの間。
渋滞の中でそんなことを考えた。

 

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