谷 好通コラム

2012年11月05日(月曜日)

11.5.腹が減って、力が出なかっただけか

今日は東京にいます。
東京駅八重洲口のカンファレンスセンターで
キーパープロショップ研修会です。

 

これで三回目ですが、
やっとペースをつかめたような気がします。

 

ポイントはお昼ご飯でした。

 

私は今、ダイエットをけっこう真剣にやっているので、
研修の日も、お昼ごはんの弁当を1/3残してカロリー調整をしていたのです。
研修は午後1時から始まるので、
午前11時過ぎには弁当を食べて、研修会に備えます。

 

研修会はそれほど体を使うわけではないのに、
いつもお腹が減ります。
やっぱり一生懸命やるのでそれなりにエネルギーを使うのでしょう。
終わりがけになると、
妙に力が入らなくなっていました。
そこで今日は、しっかりとお弁当を残すことなく食べて、
研修が始まる直前にはレッドブルを1本飲んで、
エネルギー満々で研修会に望んだら、
最初から全開で、終わりまで平気でした。

 

谷 好通は腹減りにいたって弱いという結論でしょうか。
自分で言うのも変ですが、情けない話です。

Posted   パーマリンク

2012年11月05日(月曜日)

11.5.難しい問題ですが、いつかは結論を出さねばならない

ただ今東京に向かう新幹線の中です。

 

 

先日、ドイツに行った時、
ミュンヘンからフランクフルトに飛ぶ飛行機が、
フランクフルト空港に着陸のため高度を落とし、
着陸体勢に入った時、下に稼動している原子力発電所を見てびっくりしました。

 

 

ドイツでは、数十万人の都市フランクフルトの中央駅からわずか27kmの
フランクフルト郊外と言えるような場所で、
原子力発電所が動いているのです。

 

ドイツには地震が来れば崩れやすい石造りの家やお城が、
何百年も前のまま残っています。ドイツは「地震が無い国」なのです。

 

 

世界中でも特に地震が多い日本において、
福島第一原子力発電所の悲劇は、
地震、津波による異常事態の想定があまりにも甘かったということに尽きます。
想定していた事態が、確率的には1,000年に一度のことだとしても、
現にこうやって、たくさんの人がご苦労をされていることは現実です。
そもそも、
1,000年に一度の異常事態で、
原子力発電所が崩壊するかもしれない危険が、
全国のたとえば10ヶ所の原子力発電所にすべてあるのなら、
それは「(1,000年に一度)/10箇所=100年に一度」であって、
全国10箇所の原子力発電所のどこか1箇所が、
100年に一度は、
想定の最大異常事態で崩壊する危険をはらんでいることになります。

 

こんな乱暴な計算はたぶん間違っているのでしょう。

 

しかし、すでに日本の原子力発電は50年の歴史があります。
(ウィキペディアより)
※日本で最初の原子力発電が行われたのは1963年(昭和38年)10月26日で、
東海村に建設された動力試験炉であるJPDRが初発電を行った。
これを記念して毎年10月26日は原子力の日となっている

 

乱暴であり無茶な計算ではありますが、
今回の事故が100年に一度の確率の事故だったとすれば、
ちょうどその半分の約50年で起きたのは、確率的には平均的なこととなり、
とすれば、あれは、
あの時点で起きても何の不思議もない事故だった。
と言えるのかもしれません。

 

「そもそも原子力という代物は、
人間の能力では完全にコントロールできるものではない」と、
ドイツの親友であるDr.ピッチが言っていました。
私もそのとおりだと思います。
どのような事態を想定しても、
1,000年間、すべての原発を100%安全に使いこなすことは、
(原潜、原子力空母なども含めば何千基以上の原子力発電機がある)
確率的にもあり得ないことだと思います。

 

だから、いずれは、
原子力発電所を廃止してゼロにするのは当然だと思います。
しかし現在稼動できる原子力発電所を
再稼動せず速やかに廃棄すべきか、というと、これは難しい問題です。
ドイツのように新しい原発は作らず、老朽化した原発から順に廃棄していって、
何十年がかりで世界中の原発をゼロにする事が現実的なのかもしれません。
別次元での異常事態の想定と基準で安全を確保した上で、
再稼動すべきなのかもしれません。

 

 

日本の経済状況は、
間違いなく危険な局面に立っていて、
日本は、国の総生産・GDPの二倍近い国と地方の借金を背負っていながら、
収入の二倍近いお金を使って生活を続けているような状態です。
これが正常ではないことは明白です。
国家財政のGDP対 財政赤字の比率の高さは、
大国の中では世界で一番(詳しく調べていないので不正確ですが)だそうです。

 

これにとうとう”国際貿易収支の赤字”が加わってきました。
貿易収支の赤字とは、
日本の国全体と世界との収支関係の赤字です。
かつては完全に輸出が輸入より超過していて、
国際貿易収支で莫大な黒字を出し続けていました。

 

しかし今の日本は、
労働賃金、物価、土地がものすごく上がって、
中国などの低賃金=低生産コストに根本的に勝てず、
コストにおいて国際的な競争力は低下しています。
しかも、今、電力を火力発電所のフル稼働でまかない続ければ、
電気料金の上昇が生産コストのアップにつながり、
ますます国際間競争力が低下します。
また、不当だとは思いますが、中国などでの日本バッシングが急で、
輸出が減って、日本はとうとう輸入超過の国になってしまいました。
ここから抜け出す道は見えていません。

 

日本の膨大な「財政赤字」は、
これまでは「輸”出”超過」によって、
キャッシュフローの上では成り立っていたのでしょう。
会社にたとえれば、
たとえ赤字経営でも、売り上げの増加があれば、
資金繰り(キャッシュフロー)だけは成立している状態と同じようなもので、
国内の収支が大赤字でも、国際貿易収支の黒字、
つまり輸出超過が、超赤字財政を
キャッシュフローとして支えていたのではないでしょうか。
とするならば、輸入超過に転落した日本は、
どこかでキャッシュフローの破綻が来るかもしれません。

 

今、原子力発電所をほぼすべて止めたことによって、
火力発電所をフル稼働させており、
海外から高い液化天然ガスを大量に買っています。
これが輸入超過、つまり日本の国際貿易収支の赤字に拍車をかけています。
このまま天然液化ガスの輸入量を高止まりさせるのは危険です。
今の日本の厳しい経済状況下、
経済的な観点からすれば、
早く原子力発電所を再稼動させるべきなのでしょう。

 

もう一つは環境問題で、
火力発電所は日本のCO2排出量のかなり大きな部分を占めています。
待ったなしの状況に追い込まれている地球温暖化問題は、
原子力発電を今すぐやめて、
膨大なCO2を発生する火力発電をフル稼働させ続けるべきかどうか。
難しい問題です。

 

いずれにしても、
日本は地震が極めて多く発生する国であることは間違いのないことで、
地震のないヨーロッパ諸国と、
地震が日常的に多発する日本とは、
根本的に与えられている条件が違い、
日本は原子力発電所を稼動させるには、厳しい条件を持った国です。
しかしそれ以上に、
今は、経済的に厳しい状況を持っている国でもあります。
本当に難しい問題です。
両方を100%満足させる結論は出ないかもしれません。
それでも何らかの結論を出さねば、
無為に時間が過ぎ、事態は悪化していく一方です。難しい問題です。
しかし、どんな難しい問題でも、いつかは結論を出さなくてはなりません。

Posted   パーマリンク

ページのトップへ ページのトップへ

  • 最近の記事

  • プロフィール

    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

  • カレンダー

    2012年11月
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
  • リンク集

  • 過去の記事

  • RSS1.0

    [Login]

    (C) KeePer Giken. All rights reserved.