2013年07月31日(水曜日)

7.31.「やられたら、やり返せ」ハンムラビ法典

世界で二番目に古い体系立った法律「ハンムラビ法典(バビロンの法典)」、
基本は「目には目を、歯には歯を」だ。

 

以下ウィキペディアより
この条文の目的は同害報復を要請するものではなく、
無限な報復を禁じて同害報復までに限度を設定することである。
ただ195条に子がその父を打ったときは、その手を切られる、
205条に奴隷が自由民の頬をなぐれば耳を切り取られるといった条項もあり、
「目には目を」が成立するのはあくまで対等な身分同士の者だけであった。

 

 

 

いずれにしても、
この法典の基本は「目には目を。歯には歯を」
「やられたら、やり返せ」です。

 

 

核による全面戦争の抑止力とは、まさに
「やられたら、やり返せ」のハンムラビ法典のごとく、
敵が核ミサイルを撃ってきたら、
こちらも敵に核ミサイルを撃ち込め。ということ。
しかし逆に
こちらが核ミサイルを敵に撃てば、
すぐさま、向こうも核ミサイルを撃って、こちらに飛んでくるので、
核ミサイルを敵に撃てば、
簡単に敵を滅ぼすことは出来るのだが、
敵の核ミサイルによって自分も滅んでしまう。
だから、両方とも核ミサイルを敵に撃つことは出来ない。

 

だから、核を保有している国が、
核ミサイルを撃って敵国を攻撃するような全面戦争は起きない。
核抑止力とは、たとえで言えば
殴ったら、もっとひどく殴られるので、殴れない。
やったら、倍にしてやり返されるので、やれない。
という類の、単純かつ非常に原始的な動機によるものだ。

 

核を使う全面戦争になれば、
間違いなく自国も滅びるので、
核兵器は使えないので、
核兵器以外の通常兵器と呼ばれる「火薬」を使った兵器で、
一部の地域に限定して戦争をする局地戦が、
自分を滅ぼさないギリギリの戦争として世界各地に残っている。

 

しかし、ほんの一部の裕福な先進国にしか持てなかった核兵器も、
今やかなりの数の国にじわじわ広がっているし、
核兵器並みの殺傷力がある「化学兵器(サリン等)」「生物兵器(細菌やウィルス)」は、
(比較的安く製造できるし、手に入るので「貧者の核兵器」と呼ばれる)
世界中に広がっている。

 

第二次世界大戦以降、
一部の地域での戦争が、一度も世界大戦に発展しないのは、
人類のすべてを殺すために必要な核兵器の何十倍もの核兵器が
地球上に存在しており、(オーバーキルの状態)
お互いにいったん使ったらすべてが終わる核兵器の
使わない緊迫のバランス状態が延々と続いているからだ。

 

そして、
機械的・電子的、人為的なトラブルで、
核ミサイルが間違って発射されるような”事故”が、
たまたま偶然に、ただの一度も発生していないからだけでもある。

 

今の平和とは、
やったら、やり返されて、
やり合いになって両方とも死んでしまうから、やらないでいるだけ。
太古のハンムラビ法典の基本「目には目を」で、
保たれている原始的なきわどい平和だ。

 

 

はるか昔、オーバーキルの状態になった冷戦時代、
今にも世界の終末がやってくる危機感が悲観的に世界を包んだ。

 

しかし、きわどいバランスが幸いにも長く続いて、
みんなが平和に慣れてきたことと、
共産国の崩壊でイデオロギーの深刻な対立がなくなったことで、
オーバーキルの危機が無くなったような錯覚が世界を覆っているが、
それは根本的な勘違いであって、
何かの間違いで、
一発でも核ミサイルが発射されれば、
「目には目を、歯には歯を」「やったら、やりかえせ」で、
核ミサイルの撃ちあいになり世界が壊滅する。
その恐怖がなくなったわけでもないし、減ってもいない。
多くの人が忘れているが、
世界中には、人類を何十回も滅ぼすことが出来る量の核兵器と、
化学兵器と生物兵器が、
それぞれが勝手に敵と決めている国に向けて、
24時間、365日スタンバイし続けていることを忘れてはならない。

 

昨日、あるきっかけで、
「やられたから、やり返した。」の応酬に巻き込まれて
今現在も存在し続けている「オーバーキル」の兵器の事を、ふと思い出しました。

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