谷 好通コラム

2018年10月12日(金曜日)

10.12.病院で病気になる。→ 走りたい。

5年ほど前に大きな病院で三日間の人間ドックに入ったことがあります。
その時にヒマな時間を持て余して
病院のソファーに座ってPCを打ちまくって、
社の役員など仕事で直接関わっている人たちにメールを打ち続けたのでした。
人間ドックは、ある意味、体と精神の休養なので、
体を休めるのと同時に頭を空っぽにするのが本来の在り方なのでしょうが、
私は「ゆっくりいる」「くつろぐ」「静かにしている」の類が大の苦手で、
つまらない検査とうまくない病院の食事にイライラしてきて、
つい、メールの打ちまくりをやってしまったのです。
会社の役員たちには迷惑なことだったでしょう。

 

しかし、そんな悪行に天罰が下りました。

 

病院のソファーの角度が私の腰にぴったり悪い角度だったのか、
私は重い椎間板ヘルニアになってしまったのです。
大病院の人間ドックに入って健康になるどころか、
逆に、立てなくなって車いすで病院を出てきたのです。

 

「椎間板ヘルニア」を患ったという人は多いので、
軽く思っていましたが、いざ自分が罹ってみると、
とんでもなく痛くて、とても歩けず、立てずでした。
それで、その時に夢中になりかけていたレースで、
インタープロトと言う本格的なレースカーの運転もあきらめて、
と言うよりレースに出ること自体をやめてしまったのです。
私は根っからの無趣味で、仕事大好き人間なのですが、
43才になってから、サーキットを走ることに目覚めて、
国内Aライセンスを取り、レースに出るようにもなって、
私の一生のうちの唯一の趣味が出来たのですが、
60才すぎになってから、健康の確認の為にと思って人間ドックに入って、
逆に車いすで帰ってくるような病気になって、
その唯一の趣味のモータースポーツをやめてしまう羽目になったのです。
それからずっと仕事ばっかりで、
つまらないと言えばつまらないのですが、
結果として良く仕事をしたのでしょうか、
あるいは運気が回ってきたのでしょうか、
会社は成長を続け、株式の上場、一部への鞍替えまで果たしのです。

 

今考えると、
あの時、人間ドックなんかに入らず、
椎間板ヘルニアも患わず、今でも元気にレースで走っていたらどうでしょう。
元気はつらつで、レースで有効な人脈が出来たりして
ひょっとしたらもっと大きく成功していたかもしれません。
しかし、
どんくさい私がうんと速いレースなんかに出続けていたら、
ひょっとしたら事故で大きなけがをしたかもしないし、
(※今のレース車は安全対策がすごいので死ぬことはほほ絶対にない。)
あるいは夢中になって、
仕事をいい加減にしていたかもしれない。
レースの仕事も「たら・れば」は禁物なのだが、
「人間ドックに入らなかったら」は、どうなっていたか。
まったく分らない。
しかし少なくとも、今と全く同じではないことは違いないでしょう。
人間、どこでどんな運命が待っているか分りません。

 

しかし、最近、体調がいい事もあって、
無性に、また、サーキットをレースカーで走りたくて仕方がない。
ふと思い出してゾクゾクっとするのです。
だから、
具体的にレースカーを手配したり、
Aライセンスの再取得に走ったりはしていないので、
レースに出ることはほぼあり得ず、
ご心配は無用なのだが、
少し速い車でサーキットを走るぐらいは出来るかなと思ったりはしている。
もちろん、
サーキット走行に必要なヘルメットもスーツもグローブもある。

 

病院に入って、かえって、病気になって出てきた話を
バカバカしいと書こうと思ったのですが、
またサーキット走行がしたいという下手な結論で終わってしまいそうです。
困ったものだ。まったく

 

 

 

昔の写真です。
KeePerのロゴがKeePreになっています。懐かしいですね。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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