谷 好通コラム

2016年06月13日(月曜日)

6.13.長崎ちゃんぽん・リンガーハットの日本一はなぜ

私は「ちゃんぽん」よりも「皿うどん」の方が好きです。
それも「野菜たっぷり皿うどん」を食べるようになってからは、
もっぱら、こればかりです。

 

食べるのは、もちろん「リンガーハット」で。
ちゃんぽんも皿うどんも長崎の名物なのですが、
長崎出身の東京在住の人が言うには
「わざわざ長崎に行って食べるより、
東京でもどこでも、リンガーハットで食べる方が美味しい。本場の味がする。」
と、そうおっしゃいます。

 

昔、
何かの資料で見たような気がするのですが、
リンガーハットは「店舗数」か、「売上金額」か、「利益」か、
いずれの要素であったかが、
外食チェーンの中の日本一であったはずです。

 

しかし、リンガーハットは目立ったTVCMや宣伝をしている訳でもなく、
特に安いわけでもなく、
今風の造りの奇抜な建物でもなく、
昔から、札幌でもないのに時計台みたいな建物です。

 

メニューだって、
「ちゃんぽん」と「皿うどん」が基本で、
それぞれが野菜たっぷりかどうかで、
みそ味、ピリ辛味はちゃんぽんだけです。
あとは「餃子」と「チャーハン」があるくらいで、
CoCo一番屋のように工夫された何十種類のトッピングがあるわけでもなく、
吉野家の「早い」「安い」「旨い」が三拍子のうち、
リンガーハットは少なくとも「早い」はなく、
MACのようにメニューにいつも新味を用意している訳でもなく、
子供が喜ぶような楽しい企画がされている訳でもなく、
子供をMACの味に小さい頃から慣らしておくなんて長大な戦略がある訳でもなく、
いって見れば、ただのちゃんぽん屋さんです。

 

それが、何故こんなに繁盛するのか。
私の連れ合いも、リンガーハットによく行きたがります。
私も嫌ではありません。一緒に行きます。
一昨日も大府市の共和店のリンガーハットに行きましたが、
順番待ちが出るほど繁盛していました。

 

家族連れがほとんどです。
店内のテーブルは、四人掛けには最低三人が座り、
一人二人で来た人は大人しくエウンターに座って、
「ちゃんぽん」「皿うどん」を待ち、食べています。
店内のスタッフもテキパキと、一生懸命さが伝わってきます。
だから店内は効率的に回っていて、
たいていのチェーン店に感じるイライラを感じません。

 

私は「野菜たっぷり皿うどん」を、「ソース」たっぷりかけて食べました。
皿うどんには、
「お酢」を掛ける派と「ソース」を掛ける派があって、
健康志向派は「お酢」らしいですが、
私はだんぜん「ソース」派です。
「野菜たっぷり皿うどん」には、
特製三種のドレッシングを選んでかける選択もありますが、私は躊躇なくソースです。

 

リンガーハットでは、何時、何度来ても私は「野菜たっぷり皿うどん」で、
餃子かチャーハンをサイドメニューで付けるかどうかぐらいで、
他の物を食べようとは思いません。

 

それだけ野菜たっぷり皿うどんが美味いかというと、
別にそんなことはあなく、
野菜たっぷり皿うどんは、
普通においしいですが、それ以上でも以下でもなく、
リンガーハットに行けば、それを食べるだけです。

 

でも、少なくとも、野菜たっぷり皿うどんを頼んで、
しまったと思ったことはありません。
いつも美味しく食べて、普通に満足して帰ります。

 

思うに、リンガーハットには大きなプラスのモチベーションはないのですね。
飛び抜けた「美味さ」、
「カッコ良さ」、
「速さ」、「安さ」、
「量の多さ」、「気分の良さ」、
そのいずれもありません。
あえて言えば「美味さ」は、人それぞれの好みがありますが、
たいていの人は好きで、美味しいですが、
ものすごく、飛び抜けて美味い訳ではありません。

 

しかし、我慢しなければならないことは、何もありません。
普通に美味しくて、決して高くなく、
不当に遅い訳ではなく、
その店に入ってもカッコ悪くはなく、
量も普通のお腹がいっぱいになるほどに多くあって、
店のスタッフは一流企業に就職した子達だけあって感じが良い。
気分を悪くすることなく、清潔に、無難に美味しく食事を済ませられる。
でも、
それだけで日本一になれるものなのか。

 

私達一般市民が、
リンガーハットにちゃんぽん・皿うどんを食べに行く動機は何か。
直感的に言うと、78点だからだと思うのです。
コストのかかる85点の高得点ではないけれど、
ほとんどの人に合格点をもらえる75点or70点をらくらく越していて、
不満、不快の無いお店と言えるのでしょう。

 

私は少なくとも100回以上はリンガーハットに行っているでしょう。
一年に5回以上は行きます。
20年くらい通っていることになます。
会員証でもあれば、レギュラーメンバーにはなっているかもしれません。
しかし、そんなものはありません。
私は特別美味しい訳ではありませんが、
おいしい野菜たっぷり皿うどんを、20年くらいかかって100回以上食べました。

 

その間、不快と不満を感じた事はありません。
だから、20年間、100回以上もリンガーハットに行ったのかもしれません。
行ったというより”通った”とも言えます。

 

20年間に100回くらいは飽きずに食べれる美味しさを維持して、
不快と不満が起きない店舗とサービスを維持して続けて、
間違いのない経営を積み上げると、いつの間にか日本一になったのかもしれません。

 

KeePerの目指すところと似ているなぁと思い、
本気で武者震いしました。

 

 

席がほとんど全部埋まっている小さなリンガーハット店

 

 

食べかけの連れ合いの「野菜たっぷり皿うどん」と、
私と半分ずつにした「チャーハン」

 

 

まさか、これがあったので満員だったのか。
「ぎょうざ一個増量!の、6月12日・日本のぎょうざの日」?
そんなことはない。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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