谷 好通コラム

2013年11月15日(金曜日)

11.15.なるほどなの棺おけのようなシート

キャセイパシフィック航空に乗っています。
申し訳ありませんが、畠中君と増田君、大橋君はエコノミーシートですが、
私と連れ合いはビジネスシートに乗せてもらっています。

 

ビジネスシートというと、たっぷりの幅広のシートで、
シート全体が動いて限りなくフラットに近くなるシートを思い出します。
大きなお相撲さんでも座れるようなボリュームです。
ルフトハンザ航空も
FINエアラインも、コンチネンタル航空も、
日本のANAでも、JALでも、中国の東方航空、南方航空でもそうでした。

 

ところが、今日のキャセイパシフィック航空は違いました。
最新のシートというのですが、
これは私には棺おけのようにしか思えません。

 

斜めに配置されていて、
すごく狭く、壁に囲まれていて、
一人一人が別々に座り、
私は連れ合いと話をする事すら困難です。

 

新婚さんには絶対に合いません。
顔も見えなければ、話もできず、手も握れない。

 

この圧迫感は私は大嫌いです。
その代わり、シートが完全にフラットになります。

 

逆に言えば、
シートがフルフラットになる代わりにすべてを犠牲にしているとも言えます。
この狭い窮屈なシートで、
「キャセイにはもう乗れんなぁ」と
ぶつぶつ言いながら、機内食を食べ、PCを打ち、
しょうがないから、シートを「寝る」のポジションにして見ました。

 

別に寝なくてもいいのですが、
すべてのものを犠牲にしてフルフラットにしているシートです。
それを試してみなければ、このシートに座った意味がありません。

 

私は、今は、ビジネスクラスを贅沢させてもらっていますが、
ファーストクラスには座ったことがありません。
さすがに信じられないほど高いファーストクラスは要りません。
そのファーストクラスのシートは、
フルフラットになると聞いていましたが、
ビジネスクラスのシートでも限りなくフラットに近くなるので、
わずかに角度はありますが、これで十分だと思っていました。

 

しかし、今日、
シートの幅がひどく狭くはありますが、
フルフラットに寝たら・・なんと快適でしょう。
思わず、眠ってしまいました。
棺おけの中は、フルフラットで最高の寝心地です。

 

人間、わずかでも角度がついているのと、
フルフラットでは、
こんなにも寝心地が違うものなのでしょうか。

 

なぜ、この最新のビジネスシートが、
すべてを犠牲にしてでもフルフラットにしているか判りました。
なるほどです。

 

でも、それは「眠る」ということを最優先にすればのことです。
私は隣に一緒に座った連れ合いと会話を楽しみたいし、
ゆったりと食事も楽しみたい。
打たなくてはならないPCだってゆとりを持って打ちたい。
それをすべて犠牲にしてフルフラットを欲しいとは思わない。

 

でも、一人旅ならばこれもいいかもしれない。
壁に囲まれているので、隣の人とも前人とも干渉せずに、光すら届かない。
私は今、連れ合いと一緒だが、
ビジネスクラスといえば、
その名前の通り
世界を駆けるような豪腕ビジネスマンが乗るのだろう。
ならば、一人で乗っているはずだ。
だから、最新のビジネスクラスのシートは、
狭くても、快適に眠れるフルフラットのシートなのか。
なるほどなと、また思う。

 

ゆったりと食事をして、会話を楽しんで、
シートの幅が広くて、
なおフルフラットが欲しいならば、
ファーストクラスに乗れ。ということか。

 

豪腕ビジネスマンはビジネスクラスで、
欧米では社長は、普通、富豪であるはずだから、
たぶん、ファーストクラスに乗るものなのでしょう。
私が違うだけなのです。
欧米文化としては、そういう構造になっているのかと、

 

三度目の、なるほどな、と思いました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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