谷 好通コラム

2013年09月03日(火曜日)

9.3.ギセイ被膜という考え方 その③ アルコキシオリゴマー

【ドイツSONAXからの提案】
ドイツのSONAXは、
ヨーロッパ最大のオートケミカルメーカーで、
10年以上前から交流があります。
今ではSONAXとアイ・タック技研㈱との共同技術開発で、
色々な商品を作り出しています。
KeePerブランドで出ている商品はすべて、
両社の共同開発によるオリジナル商品で独自の処方です。

 

SONAXの研究開発の責任者であるDr.ピッチが、
アイ・タック技研㈱に
今のダイヤモンドキーパーケミカルの原型を持ち込んだのは7年前。
それは当時、不思議な性質を持ったものでした。
ガラスタイプであり無機であることは間違いないのですが、
ポリシラザン系のように容易にガチガチに硬化することはなく、
ある程度の柔軟性を持ちつつ硬化していくものでした。
しかし無機質なので紫外線などの攻撃には優れた対抗力を持っています。

 

アルコキシオリゴマーという類のガラスコーティング】
それはアルコキシオリゴマーという類のガラスコーティングです。
ポリシラザン系のように無限大に反応が連続して硬い皮膜を造るものでなく、
反応が制限的で造られる皮膜は比較的低分子量(オリゴマー)であり、
比較的柔軟な皮膜を造ります。
また、アルコキシオリゴマーは低分子量なので、
ポリシラザンのようにキシレン等の有機溶剤で溶解しておく必要がなく、
車の塗装を変質させる心配がありません。

 

【有機溶剤が要らない】
カーコーティングとは、塗装の身代わりとなって
傷つき、汚れる「ギセイ被膜」であるべきと考えています。
だから私達は、塗装を痛める有機溶剤を必要とするポリシラザンを、
頑として使わなかったのですが、
有機溶剤を必要としないアルコキシオリゴマーは、
まさにキーパーが求めるべきものです。

 

【硬度競争とは無縁のギセイ被膜発想】
多くのポリシラザン系のガラスコーティングが
「硬度」を競っていますが、その競争には、
アルコキシオリゴマー被膜の硬さ(4H程度)では到底参加できません。
しかし、我々はあくまでも、
コーティングとは、塗装の身代わりとなって
傷つき、汚れる「ギセイ被膜」であるべきと考えています。

 

我々は「被膜の硬さ」を求めて、「傷つかなくなる」ことを求めていません。
だいいち、どんなに硬度を上げても全く傷つかなくなる事は無理です。
被膜の固さは「傷がつきにくい」レベルで十分であり、
それよりも、有機溶剤を使わないで済むメリットの方が何倍も大きいのです。

 

【アンカー効果で塗装を痛めることなく定着】
また、このアルコキシオリゴマーは分子量が低いので、
配分を上手くコントロールすれば
塗装のナノレベルの凸凹に入り込むことが出来、
コーティング剤が塗装に塗られた時、超微細凸凹に入り込んだ状態で固まって、
ちょうど錨(イカリ)を下ろしたような効果、
アンカー効果で塗装面にコーティング被膜を定着させることが出来ます。

 

多くのガラスコーティングが、
塗装そのものとの接点で塗装を変質させる欠点を持っていますが、
これなら大丈夫です。

 

 

【SONAXとの本格的な共同開発が始まる】
塗装を守るもの、
つまりコーティングが施工される時、
逆に塗装を傷めたり痛めるのでは本末転倒です。
それでポリシラザン系を使えず、
塗装を大切にするキーパーならではのガラスコーティングが、
なかなか実現できなかったのです。
しかし7年前、アルコキシオリゴマーで造ったガラスコーティングを、
SONAXから提案され、これなら行けそうだと、
そこからSONAXとKeePerの独創的な共同開発が始まったのです。

 

・・・・
この続きは、また今度。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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