谷 好通コラム

2011年11月14日(月曜日)

2912. グランドスタンドから観たレースに興奮する

昨日は富士スピードウェーでした。
スーパーGTのシリーズ戦ではなくJAFカップというエキジビジョン的なレースです。
シリーズ戦では一つのレースを二人がかりで走るが、
このレースでは、
ファーストドライバーとセカンドドライバーが別々に、
それぞれが22周をスプリントレース的に走る。
一昨日は脇阪寿一選手が予選12位から3位までポジションアップして、
見事に表彰台に上がった。(残念ながら私は観られなかった)

 

昨日はセカンドドライバーとアンドレ・クート選手の番であり、
車のバランスが良い状態なので、
脇坂選手が三位ならば、クート選手はどこまで戦えるのか、
興味津々でものすごく楽しみでした。

 

加えて、今回のレース、いろんな事情があって、
初めてグランドスタンドで観戦する事になったのです。
富士スピードウェーでは初めてのグランドスタンド。
というよりスーパーGT戦で初めて観客側のグランドスタンドで観戦したのです。

 

それは、とても新鮮でした。
というよりスーパーGTは、
グランドスタンドで観ると、滅茶苦茶、カッコよくて、
私は、本当に感動してしまったのです。

 

私たちはピットの中でデータが映し出されるモニターを見ながら、
ごちゃごちゃ評論家みたいなことを言いながら、暗く見ていたのです。
そのほうが、なんとなく関係者っぽくて、
カッコいいみたいに思ってきたのか、そんなのばかりでした。

 

それが、普通の観客と同じようにグランドスタンドに座り、
ストレートを300km/h以上のスピードで駆け抜け実物のレースカーを見て、
オーロラビジョンでレース全体を見て、
みんなと一緒に歓声を上げながら観ると、新鮮に面白かったのです。
特に自分たちが応援している車がポジションを上げたりすると、
立ち上がって喜んだりして、ものすごく興奮しました。

 

私はずっとグランドスタンドでレースを観るのを馬鹿にしていたのです。
レースは、グランドスタンド前のストレートが一番スピードは出ますが、
乗っているドライバーにとっては、
ストレートではGもまったくかからず、
アクセルをべったりと踏んでいるだけの、
ドライバーにとっては「休憩」するところであり、「計器をチェック」するところ。
レースは、大小取り混ぜたコーナーを如何にGに耐えながら、
路面を判断し、ライン取りを考えて、如何にハイスピードで走り抜けるかあって、
ストレートはあくまでもほっと一息みたいなところがあるのです。
だから、そのストレートが見えるだけのグランドスタンドでレースを観て、
何が面白いのだろうとずっと思って来ました。

 

ところが、ところが、
実際にグランドスタンドで、スーパーGTのレースを観たら、
レース全体の様子がオーロラビジョンでよく分かるし、
車が一番かっこよく見えるし、音が素晴らしいし、
ストレートでの駆け引きも意外と面白いし、
何よりも、たくさんの観客と一緒に声を張り上げて応援しながら観るのが、
こんなに面白いとは、まったく思わなかった。

 

今回は、
突然一人でレースを観に来てしまった佐々木の姉さんを探しに、
グランドスタンドに行き、
見つけた姉さんと一緒に、グランドスタンドでレースを観てしまって、
初めて見つけた観客としてのレースの面白さでした。

 

初めてサーキットに来て、
どこへ行けばいいのか分からなくなって、
「一人で見るからいいっ」と電話で言われると、
余計に探したくなって、
私だけが顔を知っているので、自分で探さざるを得ず、
初めて歩いたグランドスタンドは、
私に「また、ここに来たい。」と思わせてくれました。
佐々木の姉さんありがとう。

 

 

 

レースはアンドレ・クートの大活躍でした。
予選は路面の関係もあって12位と振るわなかった順位でしたが、
スタンディングスタートで、一気にINを着いて、
なんと6台をごぼう抜きして、第1コーナーですでに5位にジャンプアップ。
見た事のないような強烈なドラマチックスタートであった。

 

 

その後、混戦を徐々に順位を上げて、
7周目くらいには、なんと3位にまで上がった。
それも2位を走る「Sロード、GT-R」をジリジリと追い詰めるではないか。
「ひゃーこりゃ、脇阪3位で、クートが2位か? すっげー」と大興奮。

 

 

しかし全22周のレースが中盤を過ぎたころから、
2位との距離が少しずつ開いていって、3位キープの様子になったが、
タイヤがたれてきているようで、徐々に遅れはじめ
後ろから中島一貴が迫ってくる。
ラスト2周くらいまではそれでも大丈夫かと思ったが、
最後の最後で、追い詰められ、強引にインを付こうとした中島一貴に、
当てられてしまった。
両車ともコースを出て、いっぺんに何台かに抜かれて、
結局、6位に終わった。

 

最後は残念であったが、私たちは、興奮の絶頂であり、
「何であそこで当てられるの?」と、レースを全く知らない佐々木の姉さんまで
目に涙を浮かべながら、怒っている。

 

久しぶりに、多分何十年かぶりに、
レースを観て興奮して、ものすごく面白かった。
忘れていた何かを思い出したように、帰り道まで興奮が冷めなかった。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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