谷 好通コラム

2011年04月07日(木曜日)

2759. 「買い換えなくって良かった。惚れ直したね」

今年三月の新車の販売台数は前年比で65%であったと、
何かの新聞で読んだ。
毎年、三月は年度末でもあり自動車税の発生の関係もあって、
一年で一番たくさん新車が売れる月なのだが、
前年の65%とは、やはり大震災が大きく影を落としているようだ。

 

しかし、ある自動車メーカーの方のお話では、
本当の地獄の苦しみは「四月」から始まるとおっしゃっていた。
販売する車が無くなると言う。

 

自動車は何万点もの部品で構成されているので、
一部の部品が揃わないだけで、車が完成しなくなってしまう。
福島県の工業団地などにあった部品製造工場が地震と津波でやられ、
工場再開の目途が立たず、
代替品がすぐに手配できるわけでもなく、
結局、自動車そのものの生産は止まるしかない。
稼動できてもごくわずかでしかない。

 

どのメーカーも事情は同じようで、
今、日本の自動車メーカーが車を生産できなくなっているそうだ。
これは前代未聞のことで、
車を買いたいと思っても
カーディーラーさんに新車が無いという状態が続くらしい。

 

この影響は大きく
今後、世の中に広く深く響いてくるだろう。

 

ところで、そういえば、
国産車メーカーは、まだ車のTVCMをどこも流していない。
トヨタ自動車が「地震があったら車を脇に止めて・・・」と
ACのようなCMを流しているが、
販売する自動車が無くなる事が解っているからなのか、
車の広告自体はまだ流していない。
対して
「フォルクスワーゲン」は積極的に車のTVCMを流しているし、
「プジョー」も「ボルボ」もTVCMこそ見ないが、
車雑誌には積極的に広告を出している。
これらの外車メーカーは、
国産車の新車を買う予算を持っていた人が
その金額で買うことが出来る車種を持っている外車メーカーである。

 

中古車の値段も高騰している。
高年式で低走行キロの車が、新車同然の値段で買われている。
新車を買うことが出来なくなってきているから、
新車に買い換えるつもりであった人が、
妥協して、新古車とも言えるまだ新しい車を買っているのかもしれない。

 

先日、会社の営業車として、
4ナンバーの1BOX車を買おうと思って、
スタッフが中古車のオークションを調べた。
見つけたのが「2年落ち、走行39,800キロ、程度上のタウンエース」
90万円からのスタートで100万円で落とせるかどうか。
中古車の相場が上がっていることは分かっていたので、
「110万円までなら落としていいよ。」と言ったのだが、
なんと137万円で落札したそうだ。
新車で買っても160万円そこそこの車が、
2年、4万キロ近く乗ってあって、
車検なしで137万円とは、びっくりした。
半端ではない中古車相場の高騰である。

 

こういう状況の中で
このように無理してでも車を買い換える人もいるかもしれないが、
多くの人が
「今乗っているこの車を、もうちょっと乗ろうかな。」と
思い始めておられるのではないだろうか。

 

車を新しく買おうと思っていた人には決して嬉しいことではないが、
こういう時勢なのだから仕方がない。

 

こんな時に、私達のような仕事をしている者としては、
ぜひ、がんばらなくてはならないと思う。

 

あるユーザーが
「何かの縁で、長年付き合った愛車も、
そろそろお別れの頃かと思っていたけど
3月11日を境に世の中が変わったので、もうちょっとこの車に乗っていよう。」
と、考えられたなら、

 

私たちは提案申し上げる。
「何年も付き合ってくれたお気に入りの大切なお車です。
新車よりも美しくリフレッシュして、
もうちょっと付き合って上げると、
きっと、より愛情が深まること、請け合います。」

 

東日本大震災の思わぬ余波で、
買うべき車がなくなって、
あるいはめっきり残業が減ることが解って、
新しい車に買い換えることを断念する人も数多くいるはずだ。
そんな残念な気持ちを晴れやかに変えられるのが、
リフレッシュ効果抜群、クリスタルキーパーなどのキーパーコーティングだ。

 

長年付き合ってきた愛車が、
クリスタルキーパーで想像以上に、新車以上と思える美しさによみがえって、
「これはいいねっ、
私のこの車がこんなにきれいになるとは想像していなかった。
本当は、この車すごく気に入っていたんだ。
買い換えなくって良かった。惚れ直したね。」

 

と言っていただければ、私達としては最高。

 

ここしばらく時代の流れとして、
お客様が気にいって買ったお車を長く乗るようなった。
それは新車を買った人でも、
中古で買った人も同じ事で、
一台の車をとても長く乗るようになってきている。
それだけ車の耐久力が上がってきていることもあるだろうし、
出来るだけ新しい車に乗ることがステータスと感じる価値観が
徐々に薄れてきていることもあるだろう。

 

一台の車を大切にして、愛情を感じながら長く乗る。
そんな大きな流れに、
大震災による自動車生産の停滞というアクシデントが、
一挙に加速をかけることになるのかもしれない。

 

私達が、そんな世の中にもっと貢献できる時がやってきたのかもしれない。

 

 

東京からの帰りの新幹線。
てっぺんが鮮やかに見えた富士山を見ながらこんなことを考えた。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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