谷 好通コラム

2011年02月13日(日曜日)

2719.顔と顔を合わせてのコミュニケーション

 

人という字はお互いに支えあっている様子を表している。
人は孤独では生きていられない。
なんて、いまさら分かったような事を言うつもりはないが、
たくさんの人がいて、その中で楽しくコミュニケーションを持ちながら暮らすのが、
普通の人間の豊かな生活の姿のイメージだろう。

 

今はIT(Information Technology)が発達していて、
さまざまな方法で人とのコミュニケーションを取れるようになっているが、
やっぱり人間は、
顔と顔を突き合わせての付き合いが、
一番濃いコミュニケーションなのだろう。

 

従来からドイツSONAXとは、
サンプルのやり取り、テスト結果の交換、メールでの会話を、
ドイツ語の翻訳を通じて頻繁に行ってきたが、
最後の最後は、
開発の増田課長をドイツ・ノイブルグのSONAXへ派遣し、
向こうの開発責任者ドクターピッチと直接に顔を合わせて、
一緒に実験をし、その結果を共有することで、
一つの製品を完成させることとなった。
結果は上々で、
何十種類とやり取りをしたサンプルでは解決できなかった次元で、
満足のいくものが出来そうなところまでたどり着いたようだ。

 

今回の訪独の話の中で、
増田課長がドイツに一度も行ったことがなかったことを初めて知った。
SONAXの開発責任者ドクターピッチは何度となく日本に来ていて、
増田課長ともかなりの回数、直接話しをしている。
三年前には、「温度の高いところでの実験が必要だ。」なんて口実をつけて、
ピッチが増田課長と”沖縄”に行き、共同のテストをやったくらいで、
だから当然、増田課長もドイツに行ったことがあるのが当然のように思っていた。

 

それが一度もなかったということは、
サンプルとメールのやり取りで、
ある程度の事が済んでしまっていたということだろう。
しかし、やっぱり最後は、
直接話しをして、詰めていかなければいいものは出来ないと感じた。
他の用件もあったので、彼にドイツに行ってもらった。

 

もう一つ、彼のドイツ訪問の目的は、
現場レベルでの親交を深めてきて欲しかったことだ。
会社と会社との表敬は、経営者レベルでのことだが、
それは取引上のことであり、今のアイ・タック技研とSONAXとの関係は、
いくつかの製品を共同で開発をするレベルになっているので、
実際にその仕事に携わる人たちが、
円滑に仕事が進むよう、親しい関係を構築することは大切なことだ。
そんな目的もあったので増田課長には新婚の奥さんにも同行してもらった。
個人的な家族づきあいは欧米の親交の常であるからだ。

 

ドクターピッチも奥さんのクラウディアさんと愛娘を連れ立っての食事を、
二度も持ってくれたそうだ。
おまけに、SONAXホフマン社長との食事会にまで招待されたそうで、
嬉しい限りである。

 

遠い地の人と直接会うのは時間もコストもかかるが、
それ相応に十分な意味があるようだ。

 

私も実にたくさんの人と会う。
会ってお話をすることによって、新しい発見がたくさんある。
色々な現場にもよく行く。
写真や文章では解らなかったことが現場にはいっぱいあって、
お客様と直接接している現場にこそ真実があると、いつも思わされる。
ビジネスを進めるために、またそのスピードを上げるために、
ITの活用は絶対に必要だが、
基本は人と人とのコミュニケーションであり、
直接、顔と顔を合わせて、生の声で話し、表情などで相手の感情までを感じつつ、
ダイレクトなコミュニケーションが一番濃厚であり、
最も大切なコミュニケーションであることには違いない。
メールのやり取りでなかなか進展しなかった問題が、
ドイツに行くことによって、今までにない進展を得ることが出来たようだ。
彼から来る報告や相談のメールは非常に多い。

 

私も彼も本社にいる時、私が仕事の用件が終わって帰ろうとすると、
「一つご相談があるんですが・・・」と、
エレベーターまで追っかけてくることがたびたびある。
仕事に対する真剣さと、だからこそ彼の報告と相談は濃厚で、
だから、私は彼の仕事のことをよく知っている。
だから、本当に仕事を任せられる人間の一人である。

 

ドイツから帰ってきて、成田から直接愛知の会社に帰ってきて、
その行動と結果を役員会で報告する増田課長。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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