谷 好通コラム

2010年02月25日(木曜日)

2434.すべての人達の意思を同一にする

豊田章男社長がアメリカの公聴会で約3時間質疑したと言う。
「トヨタ自動車は拡大成長が早過ぎたのかもしれない。
その中で1.安全、2品質、3成長の優先順位があいまいになってきた。
安全を確保するための組織作りの先頭に立って、顧客の信頼を取り戻して行きたい」
テレビのニュースで見ただけなので正確ではないが、
私はちょっと感動した。

 

車がこの世に生まれてから初めて、
アメリカ以外の国のメーカーが世界一になったトヨタ自動車が、
そこまでに至った経緯を「急ぎすぎた。」と、自ら断定したのはすごい。

 

厳しい質問に、どちらとも取れるような曖昧な回答をした場面もあったが、
不用意な発言をすれば取り返しがつかない事態に直結するあの場では仕方ない。
それを差し引いても豊田社長は、
トップとしての自分の役目を立派に果たしたと思う。
一言で言えば、かっこよかった。

 

長い公聴会のあと、トヨタの社員とディーラーの人達の集まりに出席して
豊田社長は「私は一人ではなかった。皆さんが一緒だった。」と声を詰まらせ泣いた。
この姿にトヨタ自動車に関わる何十万人か何百万人かの人々は、
気持ちが一つになって、一致団結しただろう。

 

私は別にトヨタ大好き人間ではないが、
トップとはああでなければイカンのだなぁと思った。

 

自らがトップを勤める会社が引き起こした騒動に、
自らその非を認めるのはとても勇気がいるだけでなく、
言い訳がましく非の認めたのでは、返って見苦しく、自分の味方をも失望させる。
間違いは間違いと実直に認め、
間違いを改善するための具体的な方策を示し、自らがその陣頭に立つ。
その姿勢に社員はもとより、ディーラーの人達、関係の会社のすべての人が
トップの元に意思を同一にするのだろう。

 

すごいなぁと思った。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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