谷 好通コラム

2008年07月31日(木曜日)

1982.クールビズは文化になった

今年の夏はラクチンをしている。
ほとんどの場合、
ノーネクタイ、背広無し、半そでシャツで過ごしているからだ。

 

「クールビズ」は、冷房温度の設定を何度か上げることによって、
電力の消費を抑え、発電に使う燃料の量を抑えて、
CO2の排出を少しでも抑えようというのが目的で、
その何度か高い設定温度のためにネクタイを外し、背広を着ず、
出来るだけ涼しい格好で仕事をしようというもの。

 

これでどれだけのCO2排出を抑制できるか、疑問といえば疑問だが、
いずれにしても、私のように暑がりのデブには
こんなにありがたいことはない。
『半そでシャツ』は、クールビズに入っていないかもしれないが、ついでである。
絶対に半袖の方が涼しい。

 

何年か前までは、真夏にビジネス街を歩くと、
ヒートアイランド現象で間違いなく40℃以上になっているのに、
長袖シャツに、キリッとネクタイを締め上げ、
ダークスーツを着込んだエリートビジネスマンが、
陽炎を立てながら歩いていた。
その姿はさながら修行僧のごとく、
「心頭滅却すれば火も涼しからずや」で、
とても凡人の私の及ぶところではないと感服、感動していたものだが、
今や、永田町でも、新橋でも、霞ヶ関でも、
歩道を歩く人は背広無しのノーネクタイの人ばかりで、
へたにネクタイでもしていれば、かえって場違いのような風景になってきた。

 

これ幸いと私も、背広無しで半そでシャツを決め込むが、
お客様の会社を訪問する時は、やっぱりネクタイまで外すのには抵抗がある。
意志が弱いのであろうか。それても割りきりが弱いのであろうか。

 

いっそのこと、クールビズで短パンOKになったら、
ネクタイは絶対おかしいので、ノーネクタイもすんなり行けるのかも知れない。

 

短パンか。
大昔、小学校から中学校に上がったころ、
夏になっても長ズボンで通学しなければなくなった時、
暑いのになんで長ズボンを履かなければならないのか理解できず、
妙に腹が立ったことがある。

 

アメリカなんかに行くと、
暑い夏は、みんな当たり前のように短パンを履いて街を歩いていて、
半そでシャツであったとしてもネクタイを外せない自分が変に思えたことがある。

 

クールビズは大歓迎である。
だからこそ、その意味を徹底するために「短パン」をOKにしませんか。
みんなが短パンに半袖ポロシャツになったら、
冷房温度は30℃でもOKだ。
さすがにここまで温度を上げると、電力もかなり少なく済むのではないか。

 

しかし、今日の東京は涼しかった。
特に夜に入ったら、風がぞくっとするほど涼しかったのだ。
みんながクールビズをやって、
冷房温度を高く設定したから、
ヒートアイランドが激しくなくて、涼しかったのか?
いくらなんでもそんなことはないだろうが、
いずれにしても、
今日は東京のど真ん中ではなく、緑がいっぱい残る茨木県の街に行った。
ちょっと日が陰って来ると、車のクーラーを切っても大丈夫なくらいであった。

 

 

日本において、背広無し、ノーネクタイのクールビズは、
一時的な言い訳がましいポーズとしてのスタイルではなく、
本当の意味で、CO2排出量削減に進まなければならないのならば、
新しい文化として「短パン」はもっとも効果的だと思うのだが、
霞ヶ関の街を短パンのおじさんが闊歩している光景を想像してみると、
やはり不気味なので、
たぶん実現しないだろう。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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