谷 好通コラム

2008年01月21日(月曜日)

1826.心地よい体の疲れ

心地よい体の疲れと言えば、私の場合、レースに決まっている。

 

今日、鈴鹿サーキットで開かれた走行会で走ってきたのだ。
福井にある鷹栖サーキットというミニサーキット主催する
鈴鹿サーキットのフルコースを借り切っての走行会。
初心者向けのBクラスと、まあまあの人向けのAクラスに別れているが、
全部で8本も走れる走行会である。

 

持ち込んだ車は4台。
10年前に作られた?25のAE111ポンコツキーパーレビン。
息子が乗っているエリーゼ。
昨年と一昨年GTIカップシリーズに出場したゴルフGTIカップカー。
社用車のアコード。
これらをとっかえひっかえ皆んなで乗ったのだ。

 

参加したのは全部で9名。
初めてサーキットを走る者が4名。
初めてサーキットで4輪に乗る元全日本オートバイレーサーが一名。
そしてレース経験のある者が4名。

 

朝一番のドライバーズミーティングが終わったその会場で、
私は皆に、
「これは、あくまでもプライベートな遊びだから、
ぶつけたら・・・、きっちり直してもらうからね。これだけははっきりしとくからね。」
と、大きな釘を刺した。

 

その”釘”がかなり効果あったのか、
皆、きっちり安全運転?で、全車まったくの無傷のまま走行会は終わった。
走行会は、レースのように張り詰めたものがまったく無くて楽ちんである。
服装も長袖とヘルメット、グローブだけで、
暑苦しい防炎のレーシングスーツ、シューズ、アンダーウェア等が要るわけではない。
今日の私は長袖シャツにセーター(!)で、いつもの革靴であった。
車も、正式なレースみたいに車検があるわけではないし、
お気楽なものである。

 

かと言っていい加減に走っているわけではなく、
もちろん集中して真剣に走るし、
車の整備にも念を入れる。
安全のため真面目に神経を使うことは決して手を抜かない。

 

それでも、やっぱり走行会は走行会であって、
レースでもなければ、レースのための練習でもない。

 

レースは勝負である。
それ自体が遊びであろうと何であろうと、レースはあくまでも勝負事である。
真剣に勝つためにあらゆる努力をする。
何のために勝とうとするのかは、人それぞれに目的があるだろうが、
レースそのものの目的は勝つことである。
勝つために必死になって走るのである。
しかし、
走行会は、走行すること自体が目的であって、
勝負ではない。
ただ走るために、ただ走る。それが走行会であって、楽しめばいいのだ。

 

というわけで、
今日の鈴鹿サーキットでは、楽しむだけ楽しんだことになる。
みんな、それぞれサーキット走行を楽しんだ。
今日はタイムのことをガタガタ言うものはほとんどいない
タイムなどは二の次三の次で、あえて言えばどっちでもいい。
絶対にスピード違反で捕まることのない、
追い越ししても捕まることもない、
追い越せばむしろ誉められるサーキットでの高速走行を、ただただ楽しめばいいのだ。
高速でカーブを曲がって、コーナーを攻めて、遊ぶ。

 

人より速い奴が偉いわけでもない。
楽しんだものが勝ちだ。

 

これはこれで良かった。これはこれで楽しかった。
自分だけではなく、みんなが一人残らず等しく楽しかった。
これは、これで、レース文化の一つの在り方であり、
その意味として、本物のレースに劣っているところは何一つない。
むしろ、みんなが参加できて、みんなが対等で、本物のレースより優れたところもある。

 

なぜか写真は一枚も撮らなかった。
その場が楽しいことにすべての意味がある走行会には
むしろ写真などは不必要だと思ったのだ。

 

これはこれで良かったなと思う。

 

体が心地よく疲れている。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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