谷 好通コラム

2005年10月19日(水曜日)

1269.食堂は何処にある

昨日の夜、(日付が変わったので正確には一昨日)
右足の腿の裏側にデキモノが腫れ、
仕事を早めに切り上げて急いで病院に行った。

 

行ったのは、いつものM整形外科
ここ3年間で4回目のお世話になる。
午後7時までの午後の診察時間にぎりぎりで間に合って、早速診察。

 

ここのM先生は、“切開”が大好きであるような気がする。
私が「足の腿にデキモノが出来ました。」
と告げると、
M先生の目じりにかすかに“ニヤっ”が、見て取れて、
看護婦さんが、
早速、メスと麻酔の注射の容易を始めている。

 

私「切る準備の前に、切らなきゃいかんのかどうか、まず見て下さいよ~。」
と、私が目で訴えると、
M先生「とりあえず、見てみましょうネッ」とボソボソッと言って、
デキモノを見る間もなく皮膚を消毒している。
M先生「こりゃ切った方がいいですね~」
私「どうしても、切らなきゃいけませんか」
M先生「・・・・・・・麻酔の注射しますから、痛いですよ!」
私「・・・・そうですか。」

 

私は今日、つまり18日、
午後から滋賀の工場での見学の方に、お話をさせていただいたあと、
北海道に飛ぶ予定を立てていた。

 

だから、少し腫れて来たデキモノを“見て”もらう“つもり”で、
M整形外科に来たのだが、
M先生は、そんな私の“つもり”など、一切関係なく、
「デキモノはとにかく切るべし」の信念のもと(?)に、容赦なく切開をされてしまった。

 

だから、今日の朝一で、
ガーゼの取替えに再びM整形外科を取替えに来て、
それからの仕事となったわけだ。

 

午後の滋賀の工場までは会社から約150km。
左足の腿の後ろ側を切開していたので、車のシートに当たって痛い。
どうしても痛くなって我慢できなくなったら運転を交代してもらおうと、
事務所の鮫島さんに着いて来てもらった。

 

が結局、
私は高速道路に入ってしまうと、
前の車を抜く事に神経が集中してしまって、
腿の裏側の切開の傷のことなどすっかり忘れてしまい、
鮫島さんの出番は一度もなかった。
これでは、若い女性と二人でドライブみたいなもんだ。
こんな楽しい仕事ならいつだってルンルンである。

 

午後5時に滋賀での仕事を終わり、
中部国際空港に着いたのは、6時20分。(道が空いていたのだ)
空港では、大貫君が原稿を見てもらおうと待っていてくれた。

 

札幌・千歳行きのJAL3117便の出発は午後7時55分。
充分に時間がある。
とりあえずチェックインだけして、
静かなところで、
じっくりと原稿を見せてもらおうと思った。

 

中部国際空港の4階にあるレストラン街は、
見物客や、このレストラン街目当てで来た飛行機の乗降客以外の人でいっぱいで、
とても、ゆっくりと食事など出来やしない。
そこで思いついたのが、
1階にあった食堂のような感じのレストラン。
何かの拍子に1階に降りた時に見つけたのだ。

 

とにかく1階に行こう。
と、三人で歩き始めた。
ところが、1階に降りるエレベーターも、エスカレーターもない。
あるのは4階のレストラン街に行く手段ばかりなのだ。

 

しょうがないので案内に行って1階への行き方を聞くが、
あまり要領を得なかったようだ。

 

 

たまたま近くにいた清掃のオバサンに聞いて、
やっと行き方が解る。
たどり着いたのは、
空港によくあるセルフスタイルのレストランで、
ガラガラである。
しかし、セルフの入り口が塞いであって、随分向こうの入り口から入った。
テーブルに座っているのは空港のスタッフの人たちばかり、
私たちもテーブルに座って、
ウェイトレスの人に尋ねた。
「一般の人も来るのですか?」
「ハイ、来ますよ。」と苦笑い。

 

 

この階は「ウェルカムなんとか」と書いてあった。
となれば、一般の乗降客のための施設のはずだが、
ここまでやってくるのは至難の業であって、とても「ウェルカム」とは思えない。

 

どうも、四階のテナントとして入っているレストラン街に気兼ねしているようなのだ。
高いテナント料を払って入っている四階のテナント達の客を、
空港の施設である1階のレストランが取ってはいけない事のようだ。

 

見物の観光客が多くて、どの店にも行列が出来ている四階のレストラン街では、
空港の乗降客として利用が不便なので、
たまたま見つけた1階のレストランに行こうとしたら、
わざわざとしか思えないぐらい不便にしてあった。

 

先の万博で、テナントとして入っていた食事のための店舗達の利益を守るため、
入場口で、食べ物の持ち込みを規制するために、
持ち物検査をしていた馬鹿げた行為に似ている。

 

空港が考えるべきは、テナントの利益なのか、
利用者の利便なのか、
主客転倒なのではないか。
そう思えることが多いこの新しい空港である。

 

 

このレストランで、
大貫君はシーフード丼、私は味噌カツ丼、鮫島さんも味噌カツ丼を注文し、
彼女は注文の時「玉ねぎとネギは入っていますか?」と聞いた。
「ハイ、大丈夫です。」と感じのいいウェイトレスさんが答えたのだが、
出てきた味噌カツ丼にはネギがふりかけられていた。

 

 

(これは私の味噌カツ丼)

 

鮫島さんはそれを見て、絶句。

 

彼女はネギがすごく苦手なのだそうだ。
そして「すいませ~ん、これ、ネギが入っています。取り替えてくれません?」
本当にネギがダメなようだ。

 

嫌いな食べ物がほとんどない私には、
ネギを見て困った顔をしている鮫島さんがかわいくも面白く思えた。

 

 

今は、札幌のホテル。
夜11時近くにホテルに着いたが、先に来ている専務に連絡がつかない。
どっかで飲みほうけているのか、
しょうがないので一人でコンビニに行って、
今晩のビールと、明日の朝ごはんを買ったのだが、
これを書きながら、つい、また、ビールを飲みながら明日の朝ごはんまで食べてしまった。

 

目の前に食べ物があると、それが明日のための物であっても
つい、食べてしまう自分が情けない。

 

M整形外科から始まり、札幌のホテルで明日の朝ごはんまで食べてしまった18日、
長い一日であった。
今夜は、満月であったのだろうか。
飛行機の翼が月の明かりで不気味によく見えた。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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