谷 好通コラム

2004年12月31日(金曜日)

1089.違う立場になる事

「お客様の視点に立って、
店を見、接客を見、商品を見なければ、商売は何も見えない。」

 

そんな風によく言う。

 

たとえば店舗を考える場合、
私たちは、店舗を平面図で動線をまず考え、
看板デザインなどは立面図でデザインを考える。
また、店舗が出来上がったあとは、店舗の中に入って見るし、
外から見る場合でも、至近距離でつい見てしまう。

 

ところがお客様の視点と言うのは、
ロードサイドの店舗ならば、
道路を走っている場合、かなり手前から見ることになるし、
ましてや道路に面した真正面から見ることはない。

 

お客様の最初の視点は、店舗の数十メートル手前の道路上である。
この視点から、店舗のポール看板がまず見えて、
その次に、道路にほぼ直角に据えてある看板、あるいは店舗の側面が見える。
そして、近づくにつれて、斜め前方から、そして少し下から見る形になる。

 

こんな目線で店舗を、お客様は見ていることを忘れてはいけないのだ。

 

いつも店舗内にいる私たちは、
お客様からの視点ではあり得ない場所に立って、店舗を見がちである。
まず、お客が見るであろう場所に、実際に自分自身を持っていくことが肝心だろう。

 

実際にお客様いる場所に行って見る。

 

そして、
お客様が“外”から店舗を見て、
何を感じ、何を理解するか、

 

その店に入ったら、何が有って、
自分はどうなって、何が得られるのか、

 

その結果、自分にとってプラスなのか、マイナスなのか、
得するのか、損するのか、
快適なのか、不愉快になるのか、

 

そして、“中”に、入りたいと思うかどうか。

 

店の前を通過する時、
チラッと一瞬見て、
どうでもいい店なのか、興味のある店なのか、
はたまた入りたいとまで思う店なのか、
ほんの2~3秒の勝負なのだ。

 

お客様の視点で考えなければ、そんな一瞬の勝負に勝てるわけがない。

 

お客様の視点に立つためには、
お客様のいる場所にまで実際に行って見なければ絶対に解らない。
そういうものだと思う。

 

 

「相手の立場になる。」
簡単に言えばこれだけのことだが、
しかし、本当はなかなか出来ることではない。

 

でも、実際にそこに行けば、意外と簡単に見えてくるものでもある。

 

そう、実際にそこに行かないと、
信じられないような事がいっぱいあるのだ。

 

昨日、新幹線で神戸に行く時、
名古屋から岐阜を通過して、それまではきっちりと晴れていて、
路面も乾いていたのに
関が原にかかったら、突然、目の前に雪国が出現する。

 

 

しかし、ものの10分も走ると、
また、元の晴れた世界が広がる。

 

時速200km/hで10分というと約30kmぐらいの幅か、
その間だけ「雪国」が広がるのだ。

 

関が原は、本州が一番細くなっているところで、
裏日本の雪を含んだ空気が、
山の間を通り抜けて表日本に吹き込んでいる道に当たるところ、
だから、その狭い区間だけ裏日本の気候になっているのだろうか。

 

これは、実際に体験してみないとわからないことだ。
あるいは信じられないことだ。

 

 

キーパータイムスは、月に一度の目標で発行している。
毎号12000枚ほど発送する。
その発送作業は実に大変な仕事で、
実際にやってみないと解らない。
このキーパータイムスの影響力はかなりのものがあるが、
その恩恵もこんな地道な仕事に裏付けられているものなのだ。

 

 

この看板、神戸店に設置してある。
高さ2.5m、幅1.5mほどの大きなもので、非常に効果的なものだ。
実際に見てみなければ、その効果は理解できない。
2枚組みになっていて10万円ほどで付けてもらった。
何故そんなに安く出来たのかも、
実際に見てみなければ解らないものかもしれない。

 

 

一昨日、午前中が雨であった29日。
せっかく、
全国から年末の快洗隊応援のために集まったアイ・タックの営業たちの為に、
何か出来ないかと考えて、
快洗隊のマネージャーたちに、
アイ・タック営業のインストラクターとしての技術チェックをしてもらった。

 

(写真は快洗隊日記より拝借)

 

いつもは逆の立場で、インストラクションをしている者たちが、
この日はチェックを受ける立場で、
快洗隊Mgたちに見られるのだ。

 

「これはいい経験になりました。」とは、アイ・タック営業たちの言葉。
逆の立場になることで、今まで解らなかったことが解ったというのだ。

 

相手の立場に立って考えるとは、
実際に相手の立場になってみること。
これが、また、なかなか出来ないことなのだが。

 

 

大晦日の今日、あいにく雨と雪が全国的に降っていて、
洗車お天気指数“0%”になっている。
年末の洗車ラッシュは、洗車にとって最大のイベントなのだが、
この雨と雪で、まったく台無しになってしまったわけだ。

 

ところが、ここで信じられないような事が起こっている。
土砂降りの中、
快洗隊・刈谷店では、やはり洗車ラッシュが出現しているのだ。

 

洗車屋とは、日本においてはまだパイオニア的な存在であり、
認知されるまでにかなりの時間を要する。
だから、オープンからすぐにラッシュが来るものではない。
商品としての洗車・コーティングなどの品質を確実に維持し、
大切な接客の質を維持していけば、
確実にリピーターを積み重ねていくことになって、
適度な販促(粗利の5%)で
一年目より二年目、三年目、四年目と
段階的かつ右肩上がりに確実に来店台数が増え、収益も上がっていくものだ。
そんなことを言い続けていた。

 

それが、この光景を造り上げているのだろう。

 

現在午後1時過ぎ。
朝からの予約客が、ほとんどキャンセルなしでご来店していただいている。
※この時点で洗車売り上げ20万円

去年のギネスは、土砂降りの中で一挙に突破された。
この光景は、実際に見てみないと信じられないものです。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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