谷 好通コラム

2004年09月08日(水曜日)

1015.キャッシュレス?

キャッシュレス時代とは今更ながらではあるが、
私たちは生活の中で、実に、現金を使わなくなってきている。

 

私達が出張をしても、
JRの支払いは、JR東海の「エクスプレスカード」を、主に名古屋駅で使い、
JR東海の窓口で買う場合は、「JRカード」を使う。

 

高速道路は別納カードを使ったほうが割安になるし、
最近は、その別納カードを使って「ETC」を使うようになった。
燃料は元売り発行のクレジット。

 

飛行機は、国内便はクレジットカードを使うし、
国際便の場合は、エージェントからの請求になる。
その方がはるかに安い。

 

レンタカーも、レンタ会社発行のカードを使うとずいぶん割引になる。

 

誰かと食事をして、何千円以上の支払いならば、ほとんどの場合カードを使う。
これは国内でも、海外でも一緒だ。
カードは、私の場合は「VISA」が付いたカードで、
今まで行ったことのある外国で、
きちんとしたレストランでは一度も断られたことはない。

 

泊まるホテルの予約は、大抵の場合「旅窓」で取るが、
支払いはカードで払う。

 

国内でもそうだが海外での出張でも現金はほとんど使わない。
たぶん現金を払うのは、タクシー代と、空港税の支払いとか、
ラーメン屋さんなどの一人何百円止まりの食堂での支払いだけ。
そんな事が分かって来たので、
外国に行ってもほとんど現地の通貨に両替をしなくなった。
3泊4日の中国出張でせいぜい1~2万円。
それでまず大丈夫。

 

多分、お土産を買うとしたら、それは現金になるのだろうが、
頻繁に出張する私は、たとえ何処に行っても、お土産は買わないことにしている。
キリがないし、買う暇がほとんどない。
暇がないなら空港でお土産を買うと言うことになるが
空港で売っている土産は、
バカ高いし、その土地に本当にちなんだ本当の物は売っていない。
だから、空港でも買わない。

 

結局、現金はほとんど使わない。

 

昨日お会いしたガソリンスタンドの社長。
どこの元売さんのマークも上げていない、いわゆる「無印」スタンドであるが、
そこのお客さんの燃料の支払い方法は、48%がクレジットカードであるという。
元売さんのマークが上がったスタンドならば、
元売さん発行のカードが、その店では一番優遇されているので、
たいてい、そのカードがよく使われる。
しかし、そこは無印スタンドなので、元売カードがなく、
一般のクレジットカードの利用傾向がよく分かる。

 

今は本当に現金を使わなくなった。

現金を使わず何らかのカードを使うわけだが、
そのカードを発行する側としては、
何とか自分たちが発行したのカードを使ってもらおうと努力をする。
方法は、オマケを付けるか、安くなるメリットを付けるか。

 

一般のクレジットカードでは、それほどでもないが、
それが、販売側の会社が発行しているカードならば、
そのカードの発行は、自分の店舗で消費をして欲しいことが大きな目的である。
最大の目的と言ってもいい。
カードによる「顧客の囲い込み」ということ。
これは販売戦略として非常に大きな要素でもある。

 

まず、オマケを付ける方法。
その代表選手が航空券のマイレッジである。

 

私たちの会社の営業スタッフには、飛行機をよく使う者もいるが、
よく見ると大抵の場合、全日空ANAの飛行機を使っている。
そのこと自体は、やはりANAの路線が一番充実しているので
当然なのかも知れないが、
ANAを使う動機の一つに「マイレッジ」があることも事実だろう。
私もそうであった。

 

マイレッジは楽しみなものである。
特によく飛行機を使っていた私は、
(過去、1ヵ月に最高32回飛行機に乗ったことがある)
一時、マイレッジが20万マイル以上、いや30万マイル近く貯まっていたことがある。
たぶん、夫婦でファーストクラスに乗って世界一周が出来たはずだ。
そのマイレッジも使う暇がなくて、
3年の期限が切れるマイレッジ分を、毎年、娘にプレゼントしていたら、
いつの間にか、たいしたマイルが残らなくなってきた。
部長クラスのスタッフが、
それまで私がやっていた仕事をすべて片付けるようになったから、
私が飛行機に乗る機会が激減したからだ。

 

マイレッジは、溜まるのがけっこう早くて本当に楽しみなのである。

 

マイレッジは、決まった航空会社に集中して乗らなければ貯まらない。
あちらこちらの航空会社に拡散させては絶対に貯まらないのだ。

 

そして、
マイレッジを本気で貯めるのは
団体客ではなく、
ビジネスで飛行機を利用する人たち。
つまり、自分で航空会社を選択できる人たち。

 

そして、
空席を埋めるだけの、極端に料金の安い団体客に比べて、
仕事で飛行機に乗るビジネスマンは、安くなっても特割がせいぜいで、
それは団体客の何倍もの料金であり、
いわゆる、きちんとお金が取れる客なのだ。

 

そして、
マイレッジは貯め始めると、なかなか変えられない。
飛行機を利用するビジネスマンの実に多くの人が
ANAのマイレッジを楽しみにしていたことを、私は知っている。
少なくとも、わが社の飛行機をよく利用するスタッフは
全員ANAのマイレッジであった。

 

私も、当時のJASや、JALのマイレッジカードは持っていたが、
ほとんど使わなかった。(つまり、乗らなかった)
だから、何かに交換するのが楽しみになるようなマイル数も貯まっていなかった。
それに、
特にJASのマイレッジは、航空券に交換するときに、
バカバカしくなるような制約をゴテゴテと付けて、実際に使い物にならなかったのだ。
全く、天下った官僚どもの考えそうなことで、イヤになったことがある。

 

私はひそかに思っている
全日空×日航×日本エアシステムの三つ巴の戦いの中で、
全日空が勝った要因の大きな部分に「マイレッジ」があったと。

 

これは絶対あったと、
ひそかに確信しているのだ。

 

マイレッジは、会社のお金で飛行機に乗って、
そのバックが個人に戻ってくるという、
実にビジネスマンの心情をくすぐり、的を得た企画であった。
そして、どの航空会社の飛行機に乗っても同じ料金であり、会社にも迷惑はかけない。

 

それを真似したのがワシントンホテル。
ホテルに泊まった時、ワシントンカードを出すとポイントが貯まり、
あるポイントになると、個人に「一万円」がキャッシュバックになるというものであった。
私はワシントンカードは持っていないが、
ワシントンホテルには泊まったことがある。
いかにも、出張でのサラリーマンが多いな、と感じたことがある。
この企画は大成功したが、
いかにもの露骨なこの企画は、企業側の反発を食らってか、
今はもうやっていないようである。

 

・・・・・
いかん、
キャシュレスという題から、だんだん話がそれてきてしまった。
今日はとりあえず、ここぐらいまでにして、
あしたまた、話を戻した上で、その?を書きます。

 

外の台風は、もうすっかり収まって、いつもの広島の夜景に戻っています。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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