谷 好通コラム

2003年10月31日(金曜日)

830話 同時進行の極み

いくつかの用件を同時にこなしていく
同時進行
それもハイスピードで同時進行させる
事業を考えた場合
経営者がこれを出来るかどうかは、大変重要な用件であり
場合によっては、会社のスケールを決定してしまうだけの意味がある

 

一度に一つのことしか考えることしかできないということは
一度に一つのことしか行動できない
ということだけではない

 

複数のことを同時に並列的に考えることができれば
その複数の事が
お互いに有機的に影響しあって
一つのことだけを考えていることとは違う結論になる
つまり
物事とは
複数の要素が複雑に絡み合って存在し
進行しているのであって
一つの要素だけが単独のこととして存在していることはほとんど無い
だから
物事を考えていくには
本当は複数のことを同時に平行して考えていく必要が有るわけで
それが出来て、はじめて正しく物事が進んでいくもの
だから
何かを考えるときに
一点だけを考えることしか出来ないということは
他の要素を、その考えの中に入れることが出来ないという事であって
近視眼的な結論になってしまいがちになり
多くの要素を考えに入れた結論とは、精度が落ちるのは当然である

 

その意味において
より多くのことを同時進行していく能力は
物事の進行をスピードアップする効果だけでなく
その行動が、目的である成果に結びつく精度を高める効果もある
大いにある

 

しかし、同時進行は大変なエネルギーが必要で
しばしば、気を緩めると
同時に進行している複雑な要素が混乱してしまい
チャランポランな状態になる危険性をはらんでいる

 

私は、常に同時進行で
たくさんの仕事に同時に関わっていくスタイルをいつもとっている
その方が
全体を強く進めていく力になるし
それぞれの要素を同じ方向に進めることが出来るからだ
自分でも驚くぐらいの多くのことに足を突っ込み
同時進行の鬼のようにたくさんの事に関わっている
しかし
ある時、どれかの要素が頓挫するような事態があると
その他のすべての要素に影響が出て
歯車が狂ってしまって
チャランポランになってしまいそうなこともある

 

これは、単純に能力の問題かもしれない
自分の能力以上に
足を突っ込み、関わって行き過ぎると
すべてのことを台無しにしてしまうことになりかねない
そんなことがあると
イライラして、自分自身をコントロールが出来なくなり
かえって収拾がつかなくなってしまう

 

「自分の能力が、もっとあったら・・・」
そう何度も思ったものだ

 

たくさんの事をいっぺんにこなしていく能力は
たいていの人には負けないつもりで
いっぱい抱えむのだが
ついついの、過信なのであろう
行き詰ると、そのたびに自分の限られた能力を思い知らされる

 

分業すべきである
しかし
分業すると
その人は一つのセクションの中で
単一の仕事をすることになりがちで
全体の状況を把握しない仕事
つまり同時進行的ではない仕事をすることになって
それがいつか、バラバラの方向を持ち始めてしまうことを恐れる

 

悩ましいところである

 

あるべき姿は
分業が適切なコントロールの元に実践されることだろう
そのコントローラーが
私から切り離されたところにあって
なおかつ、そのコントローラーが
全体を掌握したコントロールを出来るように
私自身がコントローラーを制御出来ればいいのだ

 

ならば、現実的にどうすれば良いのか
それが分からない
それが出来ないところが、実は自分自身の能力の限界なのだろう

 

それはかなり前から気づいている
気づいているのだが
現実的に、それがどういう行動であり
どういう言動で持ってすればいいのかが分からない

 

自分の能力に自信をなくす事だって
私にだってある
アホなぐらいポジティブな私にだって
そんな時があるのだ

 

たまには・・・

 

困ったときの富士山だのみ
初雪をかぶった富士山は、格別に美しい

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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