谷 好通コラム

2002年10月06日(日曜日)

539話 クリーガーの提案

5日、金曜日
朝から部長会議

 

部長会議は、意見も活発に出てテンポが速い
その内容は、まだまだこれから活性化していかなければならない課題は有るが
今年の初め、4営業部体制にしてから
色々な意味で、いい方向に向かっているような気がする

 

今回の部長会議には
午後から、ドイツSONAXのクリーガー輸出部長が来訪する
予定通り訪れたmr.クリーガーに対して
英会話教室の成果もあり
みんな、世界のビジネス共通語である英語で挨拶をする
なかなか気持ちがいいものである

 

フランクな挨拶のやり取りの後
クリーガーからのスピーチをもらう

 

○SONAXが日本のマーケットを、非常に重要と考えていること
○SONAXのコーポレートコンセプト
○商品コンセプト
○SONAXの世界戦略
○その中での、アイ・タック技研の存在に大きな注目を持っていること
など、など、など

 

外交辞令もあるのであろうが
十分に、私達を動機付けるものであり
さすがに、スピーチを一つの文化としている人たちである
SONAXの会社としての考え方
商品開発の方向は、私達が同感するものであり
それを再確認することにもなった

 

そして、SONAXが日本に進出して10年
これまで付き合った日本企業は
いずれも「行動が遅い」と、ネガティブに認識していたが
アイ・タックはきわめて異例であって
SONAXが望んでいるペースより、むしろ早すぎるペースで行動を起こしている
「むしろ“more slowiy”でも、いいのではないか」
と、笑っていた

 

それから、色々話し合いが進み
2時間の予定がかなり伸びて
快洗隊の見学も含めて、3時間半に及んだ

 

その話し合いの中で
Mr.クリーガーがこんな提案をしてきた

 

 

「目標を持とう
○○○○ユーロの買い付けを、来年の6月までにしてくれたら、
5人のアイ・タックのメンバーと、顧客を2人
ドイツ・ホッケンハイムに招待しましょう。
つまり、ドイツグF1ランプリに招待します。
もちろん、飛行機代、ホテル代、F1入場券、
そして、パドックパスでのピット招待(!)付きです。
よかったら、イギリスのF1の工場にもご案内しますよ。」

 

というもの
これは、F1を少しでも知っているものが聞いたら
びっくり仰天するものである

 

ドイツまで行けて
世界のサーキットの中でも、最高の環境にあるホッケンハイムサーキットで
ヨーロッパラウンドのグランプリを見ることが出来る
しかも、しかも
ピットに入ることが出来るという
ピットとは、グランドステンドの向こう側
見る側の向こう側、つまり、走る側のほうに入ることが出来ると言うこと
ミハエル・シューマッハ、モントーヤ、バリチェロ、ライコネン!・・・・・・
世界のスーパースター、F1パイロット達と
間近に会うことが出来る!

 

それが全部で7名
費用も、300万円以上はかかるだろう

 

目標の金額も、決して無理な数字ではない
しかし、もちろん楽な数字ではない

 

 

結論から言えば
「喜んで、お受けします」と、申し上げた

 

とびきりの“景品”を、目の前にぶら下げられたから
ヨダレを垂らして
飛びついたのか
そして
必要でもない商品をユーザーに売り付けるのか

 

勿論、違う!

 

SONAXの商品は、まじめに作られたものであり
ユーザーの利益になることを考えて作られたものである
それは、自分たちの目でよく認識していて
キーパーの考え方と一致している
それを
より正しい形で普及させるいい刺激であり、きっかけとなると考えた
「期限を持った目標」
これは、目標実現な一番有効な、目標の持ち方である

 

ホッケンハイムは、その“シンボル”である

 

期限を設け
目標を共有し
◎実現を果たし
共に喜び合い
お互いの実現力、実行力、約束に対する誠実を認め合い
信頼関係を築き上げる

 

ホッケンハイムは、そのシンボルなのだ

 

Mr.クリーガーに同行の、SONAX日本代表吉村氏は
「これは、きわめてまれな提案です。」と驚いていた

 

 

おもしろい!
See you Hokkenheim!

 

 

しかし、Mr.クリーガーは
この提案を言い出す前、more slowly と言っていたのに
話しているうちに、全く逆の提案をしてきたのだ
それも、おもしろい

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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