谷 好通コラム

2002年10月06日(日曜日)

538話 かないそうな夢

また2日書くのをサボってしまった
この何日か、出来事が書ききれないほど沢山あったのだが
それぞれの出来事が
考えさせられることが多くて、逆に書けなくなってしまった

 

少しずつ、書いていきたい

 

水曜日に福岡、熊本に行って、充実した1日をこなしたあと
翌日木曜日朝5時に起き
MINEサーキットに行った

 

しばらくサーキットで走っていなかったので
3日分の予定を2日間に凝縮してこなしてしまい
ひねり出した1日を使って
睡眠時間を減らして無理やり作った1日

 

熊本に同行のH.オサムと
広島営業所から山本君を誘った
両名とも自分の休みを取って、来てくれた
しかも、宇部の岡田さんまで付き合ってくれる

 

サーキットでの練習は、何人かでやった方がずっと楽しい
以前、1人だけ出来て練習をしたことがあって
すごく淋しかった覚えがある

 

H.オサムと山本君は
私と違って若いし、才能もあるのだろう
あのMINEサーキットを、同じ車で走っても
私よりずっと速い

 

25番、キーパーレビンでも
1周あたり、2秒以上の差がついてしまう

 

私達が乗っているのは、“N1クラス”というカテゴリーで
改造範囲はあまり大きくない

 

改造は
走ることに必要な物意外はすべて取り去って
軽量化してあること
だから車内はがらんどう、ドライバーシートだけがぽつんとついている

 

エンジン周りも、エアコンコンプレッサーはもちろん
パワーステー油圧ポンプなども取り去って、軽量化してある

 

エンジンは基本的に無改造
しかし、ピストンのバランスとかの精度が出してあって
余分な補機がないのと
マフラーが直管になっているので
ノーマルカーよりはパワーが出ている

 

車重、800kg
馬力、180~190ps
(ポルシェの車重1400kg、305馬力と同等の、馬力/車重比)
そして
足回りはガチガチ
タイヤも、ソフトコンパウンドの「レース用のSタイヤ」(300kmぐらいの寿命)

 

N1クラスとは、ノーマルクラスとも言うが
その実、バリバリのレースカーなのである

 

 

1千万円以上もするような
スポーツカーより
70万円で、H.オサムから中古で買ったこの“25番レビンの方が”
サーキットでは“絶対”速いのだ

 

2年前、48歳の時にレースカーに乗り始めて
かなりの練習を重ねたが
夏のタイヤコンディションの悪い時期に1分48秒台
冬、タイムが出やすい時期で1分46秒台
25番レビンの元オーナー、H.オサムに2秒遅れ
私は、決して速い方ではない

 

なのに、なぜ走り続けるのか

 

レーシング走行そのものは
おじさんの私には、なかなかつらいものがあって
決して、それ自体が楽しいものではない

 

でも、あと1秒
速く走れるような気がして、仕方がないのだ

 

どのコーナーで、何を克服すれば
もっと速く抜けることが出来
どんなリズムで走り通せれば、あと1秒、ひょっとしたらあと2秒
速いタイムが出せるのか
イメージははっきりしているのだ

 

どうすれば、自分が欲しいと思っているものが手に入るのか
分かっているのだ
どうすればいいのか分かっているのに(分かっている“つもり”だけ、かもしれないが)
それが、なかなか出来ない
口惜しい気持ちと
「もう一度走れば、今度こそ出来るもしれない」
そんな気持ちが
私を、また、MINEサーキットに駆り立てる

 

 

自分にも出来るかもしれない
そう思った時
出来るようになりたい
と、思うのか

 

出来るようになりたいと思い
頑張っていると
自分にも出来そうだ、と思い始めるのか

 

どちらが先なのか、よく分からないが

 

出来そうだと思ったら
どうしても出来るようになりたいと、強く思うようになることは間違いない

 

夢をあったら
その夢をかなえたい、と強く思うこと

 

かなえたいと強く思っていると
自然のこととして、夢をかなえる行動を起こしていて

 

その行動を通じて
その夢がかないそうだと思えてくる

 

夢がかないそうだと思い始めると
もっと強くその夢をかなえたいと思えてくる

 

ここまで来たら、決してあきらめたりしない

 

そして、当然の結果として
その夢はかなう

 

夢がかなったことによって
夢をかなえ力について、自分自身に自信を持ち
もっと大きな夢を持つようになる

 

気がついたら
最初持っていた夢とは桁違いの夢を、持つようになっていて
最初の頃とは、夢を実現するための力も、桁違いに大きくなっている自分に気がつく

 

そう信じている
そう信じて今まで、必死になって仕事もやってきたし
そんな風に生きてきたつもり

 

たかがレース
でも
たった1秒、あるいは2秒、タイムを縮めることに
そして、あわよくば、レースに勝って見たい
草レースごときではあるが、勝って見たいと、強く思っているのです

 

あまりにも遅すぎたレースであったとしても
レースに対する才能など、これっぽっちもないことは分かっていても
自身にハンディがあることなど分かりきっていても

 

こんなことぐらい出来なくて
自分の持っている夢
たくさんの大きな夢を、実現などできっこないとも思っているのです。

 

そんな意味もあって、やっぱり意地になっているのです。

 

彼らも、みんな、大きな夢を持っている

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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