谷 好通コラム

2002年08月19日(月曜日)

499話 洗車は新しい文化になりうるか?

いまだ未開発の洗車客層の、巨大なマーケット
誤解を恐れず、大変乱暴、かつ無茶な計算をしてみる

 

※自分の外見に対する1所帯/月当たりの出費
理容・美容が2,819円/衣類に16,585円≒16.99%
※自動車に対する1所帯/月当たりの出費
SS洗車は260円/自動車に22,639円≒1.15%
このような単純な計算は、的外れで比較にならないかもしれないが、それにしても理容・美容に対する出費は、SS洗車に対する出費の14.77倍。

 

従来のSS洗車とは一線を画した、新しい洗車商品を提供する「洗車屋」の出現によって、せめて、SS洗車も含む全体として理容・美容の出費の1/3の需要になったとすると、年間5千億円のマーケットになるはず。

 

SS洗車のマーケットスケールが、現状、約1千5億円とするならば、あと3千5百億円が未開発の需要として残っている。
とするならば、たとえば、洗車屋が全国に10,000軒出現したとしても、1件当たり350万円の洗車売り上げが見込める。

 

 

もう一つのムチャクチャな仮説

 

※刈谷快洗隊の存在する愛知県刈谷市は人口13万人。
刈谷快洗隊に訪れるユーザーの85%が、半径2.5km以内の地域から来店している。そう考えると、隣接して存在しても有効な商圏は、半径2km程度か。面積で12.56平方km。刈谷市の面積が50.45平方km。とすると、刈谷市には、4件の快洗隊が限界か。
刈谷市の世帯数が47,442軒。全国の世帯数の約1,000分の1
とすれば、全国に快洗隊は4,000軒存在することが出来る。刈谷快洗隊一ヶ月平均の洗車売り上げが400万円であるから

 

400万円×4,000軒×12ヶ月≒1,920億円の新しい洗車マーケットが出現する。

 

いずれも精度の全く高くない試算ではあるが、そのマーケットスケールは巨大であり、十分に一つの文化を形成するだけのスケールはある。

 

 

そこにマーケットが存在すれば、一つの業種が必ず出現する

 

この不景気な世の中、企業はバブルの頃までのように安穏としていてはたちまち消滅してしまう。
また、今までどおりの業種に閉じこもっていても同様だ。「何でもあり」であり、商売になることがあれば、今までの業態がどうであろうと、全くこだわらず進出しようとする。

 

SS洗車とは異質の洗車サービス業(コーティングサービスを含む)に、大きなマーケットが潜んでいることに、色々な業種の方達が気付き始めており、その動きをひしひしと肌に感じている。

 

 

独立型の洗車屋ならば、100坪規模の専門店
あるいは、300坪規模のトータルサービスショップ

 

「洗車屋」が一つの業種として成り立っていくことは間違いないことであろう。では、どんな形態で広がっていくのであろうか。

 

単純に考えれば、単独の専門店舗であって、刈谷快洗隊のような形態が一番分かりやすい。どこから見ても洗車専門店であり、前面道路から店内で車を洗い磨いている様子が手に取るように分かる店が理想的である。
誰が見ても、その店に入っていけば、自分の車に対してどんなサービスが受けられるのか、つまり商品が一目瞭然になっていることが、ユーザーに訴求力を持つ店舗といえる。

 

刈谷快洗隊に来店したユーザーに対するアンケートで、「来店動機」を尋ねたところ、「店の前を通りがかって」という回答が、全体の55%を占めていたことを考えると、その意味でも、独立店舗が望ましい。

 

前面道路側が20mの間口、奥行き15~6m、約100坪程度の敷地が、一つの理想と考えている。現在の刈谷快洗隊の敷地は奥行きが深い188坪である。その洗車売り上げが平均400万円程度。これがもっと奥行きの浅い100坪程度の敷地であっても、200~300万円ぐらいの洗車売り上げが可能と、経験上判断しているのだ。
そして、この100坪程度の土地というものが、他の商売には狭すぎて、物件としてかなり残っていることも、これからの急速な普及を考える上で重要な要素といえる。

 

あるいは、いっそのこと300坪以上の店舗も意味がある。
洗車、コーティングなどだけではなく、オイル交換、タイヤ販売、そしてペイントリペアなど車のメンテナンスすべてをカバーするショップは、洗車の集客力を活かして、非常に活発な店舗を作り上げることが出来るであろう。
このタイプも、ビジネスとして大変魅力的な可能性を持っている。

 

集客力を利したSS併設型も、有望である。

 

私達は、かつて普通のSSに快洗隊の看板を上げ、スタッフに訓練を通じて技術をつけてもらい、新しい洗車メニューを作り、刈谷快洗隊でやってきた販促を打って、「快洗隊チェーン店」を展開してきた。しかし、前号のKeePreタイムス15号において延べてきたように、“限界”があった。もちろん、快洗隊導入前に比較すれば飛躍的な収益アップは実現できていたが、刈谷快洗隊に匹敵するようなチェーン店は、結局作り得なかった。
それは、SSに快洗隊の看板を上げても、一般ユーザーから見ると「快洗隊という名前の看板を上げたSS」であったことも大きな障害の一つで、「洗車屋」を表現し、そこには今までのスタンド洗車ではなく、新しい洗車ニーズに答えられる上質な洗車があることを、なかなか訴求できなかった。
だから、単独店である刈谷快洗隊の売り上げに追いついて来られなかったとも言える。しかし、元々SSが持っている集客力はずば抜けたものがあり、その集客力を利した形での「併設型、洗車専門店快洗隊」を作ることも、十分に可能であり、有望である。

 

 

SS併設型を企画していく中で、考えたいこと

 

1.快洗隊部分を独立した店舗として機能させるように工夫する。
2.出来れば、SS部分との間に私道を入れ、独立した設備とする。
3.上記のことが無理でも、仕切りとしてテントなどを利用し分離感を出す。
4.洗車、仕上げ、コーティングなどの作業エリアは、必ず屋根、テントなどで日陰を作る (これは絶対条件である)。
5.洗車作業スタッフには、洗車屋としてのユニフォームを着用させる。
6.専用のメニューボードを用意し、SS洗車との差別を実現する。
7.洗車作業、コーティング技術を高度なレベルで身につける。
8.洗車屋としての接客を、SSと切り離して作り上げる。
9.洗車、コーティングなどに使う材料を決していい加減なものに変えない。
10.店の外から見た洗車に関するビジュアルは、洗車屋部分に集中する。

 

快洗隊2次募集では、100坪構想、300坪以上構想、と同時に
SSあるいは整備工場併設タイプを推し進めて行く

 

何年後かには、「快洗隊」が「洗車屋」の代名詞に、
新しい文化として日本国中に広がることを夢見るのです。

 

「洗車は新しい文化になり得るか」
もちろんイエスである!

 

真夏の雲のように
ムラムラムラっと来るのです

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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