谷 好通コラム

2017年08月15日(火曜日)

8.15.最後に勝って華やかに引退するのは難しい

私は陸上競技の事には全く詳しくないし、
それほど大きな興味を持っている訳でもないが、
8月4日から行われている世界陸上2017は、
面白かったので、ついつい毎日深夜まで見てしまいました。

 

何と言っても今年のハイライトは、
短距離走の伝説的存在になりつつあるウサイン・ボルト選手でしょう。
ボルトは何度かのオリンピックと、もっと何度かの世界陸上で、
トップを勝ち続け連勝中ですが、
この世界陸上で引退すると言っていました。
年齢的な衰えが引退の理由なのでしょうが、
彼は「勝って引退する。」ことを宣言していました。
「負けるなんて考えられない。」

 

しかし結果は、100mでは3位に落ち、
4×100mではアンカーで走って、足を痛めて途中で倒れてしまいました。
足を痛めたのは、
待機室が寒過ぎて
体が冷えてしまったのが原因だと怒っているそうですが、
だから、ボルトが被害者であったと思う人はまずいない。
不敗の王者ボルトは、
100mでは3位で、4×100mでは走り切れなかった。
早い話が、負けたのだ。

 

どんなスーパースターでも引き際は難しいものだなと思いました。

 

勝って引退した王者はほとんどいません。
どんなに連戦連勝の不敗王者でも、最後は「負けて、引退」です。
多くは「負けた」、の結果として「引退」ですが、
ボルトの場合は
「引退」と「勝利」の両方を事前に宣言し、
「勝って」⇒「引退」の花道を本当に引こうとしたのですが、
結果として「負けた」のです。
そして「引退」です。

 

よく解りませんが、あまりかっこよくありません。

 

勝って来た者ほど、
いつかは負ける自分を予感するのでしょうが、
最後にもう一回だけ勝って引退しようと思った時には、
多分、もう勝てなくなっているのでしょう。
だからこそ、もう一回だけ・・・と思うのかもしれません。

 

引く時は、潔くスッと引くべきであって、
もう一回だけ勝ってから引きたい、と思ってはいけないのかもしれません。
勝って引退しようとしたのに、負けたボルトをテレビで見ていて、
そんなことを思いました。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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