谷 好通コラム

2017年02月02日(木曜日)

2.02.私が現場主義である訳

私はずっと昔から現場主義であると言ってきました。

 

現場を持っている会社の場合、
会社が社会と接するのはほぼ現場であるし、
現場で造り出した付加価値が社会に提供されて、
その付加価値が、社会に必要とされ、役に立つならば
それが会社の価値であり、ある意味、会社そのものとも言えます。

 

だから現場を持っている会社の場合、
会社とはその現場にこそ価値があると言えます。
現場がその会社の本体であり、そのものであるとも言えます。
少なくとも私たちのこの会社はそうです。

 

よく会社とは、その本体が”本社”にあると勘違いする人がいますが、
実は、本社には何もありません。
現場で社会に提供した付加価値に対して得られた報酬と経費、
つまり収入と支出を計算して、仕分けし記帳している所であり、
あるいは現場で発生する雑務を処理する所で、
そういう意味では会社の端役でしかありません。
しかし多くの場合、経営者などは一つの現場に常駐できない場合が多いので
会社の経営に関わる企画とか確認、検討は、
経営者などが集まりやすい本社で行われますが、
そこで企画され、確認、検討されるのは、現場でのことであり、
その結果を反映するところも現場です。

 

経営者や管理者の経営的企画や施策が的確であっても、
それだけで収入が得られるわけではなく、
現場での仕事で実現されて初めて社会への付加価値となり収入となります。

 

逆に、経営者も管理職も自分の認識と発想が、
リアルに「現場」に置いていないと、
文字通りの机上の空論となり、
その企画が”ピントはずれ”だったり、
事実の誤認、的外れの検討であったりすると、
現場で社会に提供する付加価値が下り、あるいは失われます。
現場で提供できるはずだった付加価値が下がると
つまり、社会からいただく報酬=会社の収入も減ります。
しかし費用、経費=支出が減ることはまず無く、
収入-支出がマイナスになって赤字企業に転落します。

 

ましてや、現場とその人々を、
その会社の主役であり本体であることを
経営者が忘れて、
会社の道具であるような意識を持とうものなら、
あるいは、人を道具扱いでもしようものなら
いずれ現場は崩壊し、会社も危うくなります。
簡単なことです。現場の人々がいずれいなくなるだけです。

 

経営者は支配者ではなく、
その会社を運営する役割を持った会社の一員で、
多くの場合、その会社の所有者が経営者を担い、
多くの場合、もっとも優秀な人がその責を担っています。
しかしそうであっても、
経営者は支配者でも主人でもなく、
社員は被支配者、使用人でもありません。
同じ会社の中で、会社が目的とするお客様の満足を、同じように、
それぞれに違う立場で実現する意志を持った会社の構成員です。

 

だから、現場を持った会社の場合、
社長をはじめとする経営陣、管理職は
一つの共通した会社のポリシーで貫かれた
誤解を恐れず言えば、極端な言い方ですが、
最も優秀で大きな”現場力”を持った人でもなければならない。と思うのです。
だから、社員も、
経営陣、管理職に支配されている訳ではないのだから、
変に被害者妄想を持つとしたらそれは勘違いであり、
また極端な言い方をすれば、
お客様からすれば社員一人一人がその会社の代表者なので、
会社のポリシーを同じく共有して
経営者と変わらない覚悟と責任感が求められます。

 

ところで・・・
資金繰りが、本社、経営者の仕事のように思っている人がいますが、
資金は、その会社の現場がキチンとした付加価値を生み出していれば、
ちゃんと利益も出るものなので、
利益の出る会社には、銀行は、向こうから資金の提供を言ってきます。
こちらが手間と時間を使う必要は全くありません。
余計なことです。

 

現場が主役であり、
現場が会社の運命を左右するのですから、
経営者は現場そのものとその人々に意識と力を集中すべきです。
創業の人は、不思議にみな同じようなことを言います。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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