谷 好通コラム

2016年04月20日(水曜日)

4.20.地震が無いドイツは建物の文化が日本と根本的に違う。

ドイツは地震と台風が無いそうです。
すると、その両方が頻繁ある日本とは違う街になります。
まずだいいちに”建物”が”地震で壊れることがない”ので、
ドイツの古い建物は基本的に”石造り”です。

 

石造りで建物は、
建物の”質量”が木造の何倍もあるので、
たとえば地震で地面が大きく揺れたりすると、
地面の揺れに石の大きな質量が着いて行くことが出来ず、
たわむ余裕もなく、壊れます。
今回の熊本の地震で、
頑強な熊本城の石垣が脆くも崩れた様子でそれが解かります。

 

木造の建物は、
筋交いなどの耐震の構造さえ入っていれば、
“質量が軽い”ので、地震と一緒に揺れるのと同時に、
”たわみ”が振動を吸収して、意外に揺れに強いのだそうです。
日本では地震が多いので、
建物が石造りではなく、軽い木造で出来ています。
また日本は山地が多いので木が豊富です、
しかし木は、材料そのものが腐るので寿命は長くなく、
強度が低いので台風にも弱く、
木造だから火事にも弱く、燃えてなくなることも多く、
建物は定期的に数十年で建て直すことが普通であり、それが繰り返されます。
築百年を越すような建物は滅多にありません。

 

日本の建物は一部の文化財的な建物を除いて、建て直されるのが普通です。
そんな”建て直す文化”が、
鉄筋コンクリート製や、近代的不燃材料の建物になっても、
古くなったら、新しく建て直すのが普通で、抵抗はありません。

 

それに対して、ドイツは、地震が無く、
昔から、建物を頑丈で燃えない”石”で造ることが普通でした。
だいいち山がほとんどないドイツでは”木”が日本ほど豊富でなかったのです。

 

“石”は質量が大きいので、揺すられると脆いのですが、
地震はないので、
揺すられることなく、腐らず、燃えず、
建物が壊れる要素がドイツにはほとんどありませんでした。
だから、
建物はずっと使うことが普通で、建物はそのままで、
内装だけをリニューアルしていって、気持よく暮らし続けることが普通でした。
地震の無いドイツでは、
建物は古くなっても使い続けることが普通です。
だから今でもドイツの町並みは、
百年以上経ったような建物が当たり前に残って、古き良き街が残っています。
もちろん新しく建てられた近代的な建物もありますが、
古い建物がいっぱいある街並みになじむようなデザインで建てられています。

 

ドイツには古い建物がいっぱいあります。
日本にはそれがほとんどありません。
数十年の寿命しかない建物ばかりです。

 

だからと言って、
ドイツ人が古い物を大切にする文化と精神があって、
古い歴史的な街並みが残り、文化的であって、
日本人はそれがないので安手の建物しか建てず、街がいつも変わっていて、
文化的ではない。という訳ではありません。

 

ドイツは地震が無く、
建物が石造りなので、
ずって古い建物のまま使うことが普通で、
日本では地震が多く、木も豊富で、
建物が木造であり、
建物は、短いスパンで繰り返し建て直すのが昔から普通なのです。
古い物を大切にしない文化なのではありません。
日本人は、古い文化と物をとても大切にする文化をもっています。
ドイツとは違った形なだけです。

 

日本とドイツの街並みの劇的な違いは、
ただ、そういうことなのだと思います。

 

それが、街並みだけではなく、
人間の生き方にも大きく影響を与えていて、
人間の文化の違いも作り出している面もあるようです。
そんなことを考えました。

 

しかし桜の花が咲く様子は、
そこが日本なのかドイツなのか錯覚を起こしそうです。

 

 

また、ドイツには台風が来ないので、
樹木が細長いのですね。
木の幹が細くで、すらっと長いのです。

 

 

そんな文化の違いを乗り越えて、
KeePerはSONAXの開発陣と、長く、真剣に、共同開発を続けています。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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