2020年05月08日(金曜日)
5.08.レース界の窮状とピンチをチャンスにする人
いつもレースでお世話になっている関谷正徳氏からメールをいただいた。
レース界にとっての今の窮状がひしひしと伝わってくるメールでした。
日本を含めて世界中の自動車レースが、
完全に凍り付いたようにすべての活動を停止しています。
表面上、活動を停止していても、
その実、それぞれの開発の活動は続けられているのかと思えば、
今では、もうそうでもないらしく完全に凍り付いてしまっているようで、
今年のスーパーGTも、一応は、7月に第一戦の岡山戦が予定されているが、
その時点で緊急事態宣言が完全に撤廃されていたとしても、
数万人の観客が応援する中でのレースの開催があるとは思えないし、
スポンサーとしては、
少なくとも「無観客レース」だけはやって欲しくない。
誰も見ていない中でのレースは、
地上波でのテレビ中継がない現状では、
ただ単に走って、結果が出ただけのレースになって、
大きな投資がほぼ全くのムダ金になりかねないのです。
チームとの契約書では、
レースが無かった場合はスポンサードフィーが発生しない旨の項目はあるが、
まさか無観客レースなどは全く想定されていなかったので、該当の項目はなく、
誰も応援する人たちのいない、テレビ中継もないサーキットで走ったレースに、
契約通りのお金を払うことになる。
そんなことがあったら、
KeePerを含めたレース運営のスポンサーたちも二の足を踏むようになる。
今回の緊急事態宣言下の自粛で大打撃を受けた自動車メーカーは、
GT500クラスのレースカーに1台約5億円もの開発費をかけて
スーパーGTの500クラスのレースを続けようとしないだろう。
現に、販売が止まっている日産はレースから撤退するうわさが出ている。
はるか昔、40年以上も昔、
日本のレース界は、「日本グランプリ」が最高に盛り上がっていて
日本の二大自動車メーカートヨタと日産がガチンコで勝負し、
全社を挙げて、日産のR380、R381、R382、
相対するトヨタ7シリーズ、福沢諭吉の孫・福沢幸男がこの7で死んだ。
プライベートで挑戦する滝レーシングの
ポルシェ・カレラ6、910、908、917。
いすずR6、プライベートでホンダマクランサ
ファクトリーのホンダは一人蚊帳の外で単独で世界のF1に挑戦していた。
日産R381
この頃の日本のレースは、バブルのさ中で、最初の黄金期であり、
中学校から高校の頃の私ですら、
夢中で日本グランプリを見て、熱狂していたことを覚えている。
(ただ、高校の中で同じようにレースに熱を上げている奴は私以外誰もいなかった)
しかし、オイルショックがあって、
バブルははじけ、自動車業界も一斉に氷河期が来たように不況が来た。
そんな中で、自動車メーカーは一斉にレースから離れて、
あれだけ盛り上がった日本グランプリもなくなり、
日本のレース界は冷え切った。
しかし、ファクトリーは去ったが、
日本のレーシングチームは自動車メーカーに頼ることなく、
それぞれが立ち上がって
「グランチャンシリーズ」が始まり、
今のレース界に繋がっている。
関谷正徳選手は、その頃に活躍し、
マクラーレンF1に乗って、日本人で初めてル・マン24時間に優勝した選手。
レース界にとっての今回のピンチを、
自らの不屈の力と、メーカーの枠を超えた広大な人脈で、
大きなチャンスに変えていくに違いないと直感したのでした。
私の直感は意外と当たるのです。
最高に面白いインタープロトスポーツ(IPS)のレース