谷 好通コラム

2015年03月19日(木曜日)

3.19.地区チャンピオン決定戦、時間順位加点方式のジレンマ。

昨日は九州の久留米市にある福岡営業所において、
キーパー技術コンテスト”九州チャンピオン”決定戦が行われました。

 

4回の予選会から勝ち抜いた選手と、
キーパー選手権の県優勝店からのシード選手、
10店舗以上のキーパープロショップが所属する会社からの選抜選手、
合計24名の選手で、全国12のブロックに分けた地区で、
今回は九州チャンピオンを決定する地区チャンピオン戦でした。

 

今回のコンテストは、予選会の段階から非常にレベルが高く、
特に上位選手の得点は点数が拮抗していていました。
それが上位選手ばかりが集まったチャンピオン決定戦となると、
ほんのわずかな審査の加減で順位が変わってしまうので、
審査員たちも、採点基準のすり合わせを念には念を入れて行っていましたが、
やはり限界があるとして、
地区チャンピオン決定戦から「時間順位加点方式」を取ることにしました。
技術コンテストですから、あくまでも技術点が基本です。
だから、作業時間は全員の時間を記録はするのですが、
技術点で上位5位までの選手だけ時間順位をつけて、
作業時間トップの選手に5点プラスし、
2位の選手に4点プラス、3位の選手に3点、4位の選手に2点、5位に1点、
と、170点満点の技術点に最大5点の時間順位加点をする仕組みです。
これはみんなで議論を重ねて、最終的に私の責任で決めました。

 

「上手いは早い」は、ずっと言ってきたことですし、
それでも、キーパーコーティングは技術と品質が最重要なので、
変に時間を急いで、商品品質をないがしろにしたのでは本末転倒なので、
あくまでも絶対的な技術点を優先し、
技術点で上位5位までの選手だけに、
作業時間の速さの要素を加点として付けることにしたのです。

 

技術点だけでは、
審査員の主観が全く入らないとは言えない採点なので、
運、不運で順位が変わる可能性もあります。
あくまでも客観性のある「時間」の要素を、
技術点170点満点に5点だけ加えたのは妥当ではないかと考えました。

 

ただその為に、
作業する「車」に差があったのではいけないということで、
今回の地区チャンピオン戦から全戦「レンタカー」を借りて、
“同じ色”の、”同じ車種”で、競技車両を揃えることにしました。

 

前回の第一回目の技術コンテストでは、
全国チャンピオン戦から、車種を「アクア」で統一しましたが、
車の色は、テレビ取材も入ることもあってカラフルであった方がいいのではと、
バラバラの色でしたが、
今回は、競技優先で、”同じ色”、”同じ車種”で、統一しました。
九州チャンピオン決定戦では、
「白い」「ビッツ」で揃えました。
(審査員の意見で次回から選手の動きが見えやすい「シルバー」に変更します)

 

しかし、それでも、競技前の説明段階で、
「最大5点の加点は、大き過ぎる。」とのご意見をいただきました。
確かにそうかもしれない、と本当に悩むところでした。

 

しかし、それでも「とにかく一度やってみよう。」と、
用意した最大5点の「時間順位加点方式」で、
九州チャンピオン決定戦を実施してみました。

 

その結果、やはり、少し「これで良かったのかな。」という思いが、
僅かではありますが、残る結果となりました。
技術点では、1位が160点で加藤石油の阿南選手。
阿南選手は、去年全国大会まで進出し、全国5位を獲得したことのある実力者。
しかしタイムは4位で、加点は2点。総合点で162点。

 

技術点2位は159点で、マツハヤ石油の吉川選手。
吉川選手はキーパー選手権優勝の経験のあるルート・エムチトセ給油所の
所長であった中島選手の愛弟子で、
施工台数が非常に多いこともあって時間順位は2位で、プラス4点。
総合点で163点となり、
技術点トップであった阿南選手を逆転して、
中川選手が九州チャンピオンに決定しました。
阿南選手は山崎選手まで0.5点差で抜かれて結局3位。

 

今回から導入した時間順位加点方式で、
1回目のチャンピオン決定戦早々から、逆転ドラマが出てしまったのです。

 

表彰式の時、
阿南選手は悔しそうで下を向きがちでした。
本当にこれで良かったのだろうか。と、自問します。

 

 

でも、阿南選手の入賞コメントに
「1位になりたかった。
実技のスピードを上げて総合1位目指します。
楽しく出来たと思いますので全国大会に向けて猛練習します。」
とあり、笑顔を取り戻してくれたいました。

 

 

地区チャンピオン決定戦から取り入れた「時間順位加点方式」
とりあえず、続けてやることにしました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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