谷 好通コラム

2013年08月23日(金曜日)

8.23.耐えるのはきつく、だが 耐えた方が 最後に 最後に笑うのだ

昨日は東京に泊まって、今日の午前中に、
すごい実績を上げていらっしゃる千葉のSSさんを見学に行きました。
エリアマネージャーにたくさんのお話も聞いて、
短い時間ではありましたが、大変勉強になりました。

 

そのあと東京駅まで行って、
東北新幹線で、福島に行く予定でした。
時間もそれなりに余裕を持っていたはずだったのですが、
千葉→東京を結ぶ高速道路に渋滞があって、
ヒヤヒヤしたのですが、やっとのことで
福島の約束時間に間に合う列車に乗れる時間に駅に到着したのですが、、
間に合うのは賀来常務と鈴置常務だけで、
私は間に合いません。
福島での仕事の時間に合うはずの東京駅発の新幹線「やまびこ」が
キップの売り場に着いた時点で「満席」だったのです。
平日なのに満席が出るなんて、夏休み中ならではのことでしょう。

 

間に合う列車に乗るなら「自由席」しかなく、
若い同行の彼ら二人だけが、先に自由席に乗って福島に向かいました。
私は、立っていなければならないかもしれない自由席は、
どうしてもダメで、
一本遅い東北新幹線で指定席を取っていくことにしました。
だから私だけ、一本遅れです。

 

少し足が不自由だから仕方ないといえばそうですが、
こういうのは、すごく自分が惨めったらしくでイヤです。
「夏休み中は、これだから困るよな。」と夏休みのせいにしてごまかします。

 

以前ならば、私も自由席に乗って、
空席がなければ、通路に座り込んでも平気でした。
それも夏休み中の出張の楽しみの一つに出来るだけのタフさがありました。
一本遅れの新幹線に一人乗って、「弱くなったなぁ」とため息が出ます。

 

最近の私は、1年後の社長引退を控えて、
攻撃的、発展的な発想をしなくなり、
控えめであり、消極的な戦略しか立てなくなってきています。

 

コントロールする事と、
消極的になる事とは、まったく違うと思っていても、
それが、あきらめる事につながるようなところで一緒になってしまう
そんな気がして不安になってきます。

 

 

先週のスーパーGT「鈴鹿1000km」の戦いを振り返っての報告が、
TOM‘Sの井藤さんから送られてきました。
そのメールに、前文として井藤さんが味のある文章を添えてきます。
それが、少し消極的になっている私を叱咤するような内容だったので、
今回は、その全文を紹介させていただきます。

 

以下、TOM‘S井藤さんより


いつもお力添えを賜り、誠にありがとうございます。

 

去る8月17日~18日に亘り、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにおいて、
「Pokka Sapporo 1000km」が開催されました。
その報告書を送付させていただきます。

 

真夏の風物詩にふさわしいというより、気温は36℃にまで上昇し、
観るほうも過酷さとの闘いとなったのではないでしょうか。

 

今回のレースには大きなドラマはなかったにせよ、
それぞれの場面では小さいながらも白熱した、
緊張を伴うドラマが色々な場面で展開されていたように思われてなりません。
まるで高校野球のような・・・。

 

折りしも甲子園では高校野球が開催されておりました。

 

甲子園で開催される全国高校野球選手権が
かくも国民的に指示されている理由はいろいろな要因があるでしょう。
郷土愛であったり、白熱したドラマの展開であったりと。

 

小生が思うに、郷土愛もあるでしょうが高校野球の魅力は
なんと言っても、愚直なまでに同じ練習を繰り返し、
退屈さが恍惚さに昇華するまで鍛えぬいた身体と技が、
甲子園という舞台で繰り広げられ、織り成される一つ一つのプレイが
感動的に伝わってくるからではないでしょうか。

 

今回の1000kmレースを見て高校野球のような感動を覚えました。
レースには流れがあり、ちょっとした小さなキッカケで結果が大きく
変わるということを思い知らされるレースではなかったでしょうか。

 

2001年8月10日のスポーツニッポン紙に作詞家・阿久悠氏が連載していた
『新世紀の神たちへ 甲子園の詩 「最後に笑う」』というコラムがあり
ます。その詩を髣髴させるレースでしたのでご紹介させていただきます。

 

「試合には流れがある
流れのきっかけは小さく 結果は大きい
だが諸君 流れは決して無神経ではなく
試練に対する諸君のあり方を
きびしく やさしく 時には少々いたずらっぽく 見詰めているのだ
それにしても 諦めると踏みこたえると その差はどこにあったのか
一瞬でも もう駄目だと思うと
力は萎え 運は逃げ 夢を追った時間までもが空しいものになってしまう
しかし まだまだ と踏みこたえたら
いつの間にか 力が蘇えり 運がこちらを向き
あの厳しい練習までもが 貴重なものに思えてくる
そうだ きっとそうに違いない
諦めると踏みこたえるは
心の中に引いた一線で越えるのはやさしく
耐えるのはきつく
だが 耐えた方が 最後に 最後に笑うのだ
耐えた 待った 粘った
勝利の女神から 目をそらさなかった
そして生き返った
大きく 強くなって 最後に笑った」

 

優勝こそなりませんでしたが、36号車、37号車共に入賞できました。
しかし、その展開は苦しさとの戦いでもありました。
苦しみながらも
耐え、粘ったレース展開でした。
奇跡は地道な人に訪れるものなんでしょうねぇ。


 

私はけっこうTOM’Sのファンになって来ています。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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