谷 好通コラム

2021年04月21日(水曜日)

4,21,あえて、みんなで話し合って

私は創業者であり、

何でも自分でやらないと気が済まず、

すべての事を知っていたいタイプの経営者だった。

そうすることで、一つの価値観と感性ですべての事が出来て、

独自性を持った組織と会社が出来て来た。

起業してそのまま一人の経営者の下で大きくなった会社の多くは皆そうです。

そのこと自体は珍しい事でも何でもないのですが、

人は誰でも必ず年老いて衰えて行くので、

自分が弱って、動けなくなってきても、

同じような体制でい続けると

組織全体が弱って、やがて滅びることになるのも事実なので、

いずれは事業を次の世代に受け継がなくてはならないことも厳然たる事実です。

 

その時期は、

自分が弱って、組織全体が弱って、

そのまま行ったら滅びるような趨勢になってからでは、

次の世代の者が貧乏くじを引いたようなもので、

それを立て直すことは出来ないのが普通だ。

そのまま潰れるのが当然で、私もそんな会社をいくつも見てきた。

 

だから、そんな愚だけはすまいと思い、

2年前、会社がまだ力強く成長し続けている時に社長職を次の世代に渡した。

その2年前、私は腰を悪くして手術を受けることになったので、

長期間の入院が必要になったタイミングを好機と考えた訳だ。

手術は大変うまく行って、私は完全に腰の痛みから解放されて、

すっかり健康に戻って元気になった。

しかし、体力は70歳に近くなってきて衰えてきていることは違いなく、

あのタイミングで社長職を辞したことはベストであったと思っています。

 

今は会長職として仕事を限定しており、

日本国中を駆け回る仕事はほとんどなくなって、

自らの身の移動に体力を消耗することなく

会社としての経営企画、営業企画や、

広報、製品開発などに全力を尽くせるようになっています。

もちろん、代表取締役として会社の責任を逃れることなく、

CEOとして会社のすべてに対する全責任から逃げるものではありません。

逃げも隠れもしません。

 

しかし、

体力と気力の両方を多く必要とする仕事を、

今の社長と専務に全部任せて、

悠々自適のように仕事をしていると、

非常にうまく仕事が行って、

もちろん、社長や専務たちの際立った働きもあって、

会社は、さらに大きな実績を出し、大きな成長を実現しつつあります。

 

私もあと10年以上は健康に働ける目途が立って、

今の状態を非常に充実して、続けています。

 

しかし、一つの価値観と感性ですべてをまとめ上げることは、

起業者ではなく、組織の初期を創った訳ではないので、当然出来ません。

それを我が身を忘れて形だけのワンマンをやろうとすると、

愚かな独裁者のように、組織全体をダメにして、

この会社に関わる全ての方たちの利益を損ねることになってしまいます。

 

そこで思ったのは、

組織の中のある程度際立った働きをする者、意見を言える者を抽出して、

あらゆることに対して「話し合って」、

みんなで具体的な事を決めて行けるような組織にしようと思ったのです。

そう思って、何でもかんでも、小さな会議を持って、

繰り返し繰り返しみんなで話し合って、

みんなの”合意”で造り上げられるような組織が出来上がりつつあります。

 

毎日いくつも会議があって、いくつもの合意を造り上げています。

社長は社長らしく、専務も専務らしくリーダーシップを取って、

皆を引っ張って行きます。

この組織は、今非常にうまく成長しつつあります。

 

報・連・相の極みだと思ってるのですが、

どうしても「命令と服従」の関係にとらわれている者は、

報・連・相と、「話し合いでの”合意」”の意味が、

体質として理解できないようです。

それでも、繰り返していくうちに解ってくれるに違いないと楽観しています。

 

4月29日オープンの姫路店のオープンチラシもみんなで造りました。

もちろん、私も参加しています。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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