谷 好通コラム

2012年05月05日(土曜日)

「こどもの日」に我が大反抗期を思う

5月5日は「こどもの日」
昔、親父が家の前に立ててくれた”こいのぼり”が、
強い風にあおられて、”こいのぼり”の竹さおが折れそうにしなうのを見て、
「こわい、こわい」と泣いて、困らせて、
“こいのぼり”を降ろしてもらった記憶がある。
私は親父から愛されていた。

 

そんなチビの頃から小学生、中学生の頃に撮られた写真は、
親父の横で、私はいつもニコニコと無邪気に笑っていた。
私はまだ”こども”だった。
こどもであった私は両親から愛され、健やかであった。

 

 

私が反抗期になったのは高校生になった頃だったか。

 

親父は私が小学校の頃から
「お前は足が悪いから肉体労働は出来ない。だから勉強をしなさい。」
そう言われ続け、自分も本当にそうだと思い、勉強した。
その結果か、中学校の成績はまあまあ良かったので、
そこそこの進学校の高校に入った。
それを親父はものすごく喜んで、褒めてくれ、親戚にも自慢にした。

 

しかし、入った高校のレベルの中では成績は中ぐらいで、
一生懸命勉強したつもりだったが中々上がらず、
親父から「お前は足が悪いから・・勉強して身を立てるしかないんだ。」と、
責められても、どうにもならない。
中学校ではずっと上位だった自分としては、どうしようもない”挫折”を覚えた。

 

すると授業にも身が入らず、ますます着いていけない。
見る見る成績は落ちて、私は落ちこぼれた成績の中に埋もれていった。
もういくら「お前は足が悪いから・・・」と叱咤激励されても、
ただただ苦痛であった。

 

勉強する自分に自分のアイデンティティーがあったのに、
それを見失ったのだ。
その代償として、一年生の途中から二年生まで柔道を夢中でやった。
「足が悪いのに柔道なんて・・」とたしなめられても、
かえって夢中で続けた。
しかし、それも三年生までで、受験勉強のために柔道部をやめた時、
もう受験勉強には着いていけず、
代わりに今度は。
勉強とは関係のない哲学とかの色々な本をむさぼるように読んだ。
それらの本に中には、
親父が言っていることと正反対のことがいっぱい書いてあって、
親父はそんな私を激しく責めたが、
そんな親父が私には悪の権化のように思えて、
その何倍もの激しさで反発した。

 

高校に入って、それまで褒められていた私は、叱られるようになって、
猛烈な反抗期に入ったのだ。

 

受験勉強をまったくしなくなっていた私が入れた大学は夜間しかなかったが、
同時に仕事も始めたのは私にとって幸運であったのかもしれない。
ガソリンスタンドの仕事が面白くなったのだ。

 

仕事が面白くなったのは、仕事をちゃんとやると
お客様から褒めてもらえるようになったからだろう。
そして成果が上がると会社の上司や社長からも褒められるようになって、
学校などそっちのけで、夢中で仕事をやるようになった。

 

単純なもので、
“こども”のころは褒められても、叱られても、
まだ自我があまりないので
反発にまではならなかったが、
成長し、自分の中に自我がはっきり生まれた頃、挫折し、叱られると、
猛烈な反発になり、大反抗期になった。
しかし思いもよらぬ人から、
思いもよらぬ形で褒められ、
立ち直れたのかもしれない。そういうことかもしれない。

 

若者は、子供から大人に変わるハザマで、
うっかりした叱り方をすると、
簡単に、挫折して、傷つけてしまうものなのかもしれない。
私たちはその間違いを今もやっているのかもしれない。
私たちは自省しなければならない。
私は特にダメだ.

 

自分の子供がすでに大人になって、
こどもの日に、子供たちのことを思い浮かばなくなった今日、
そんなことを思いました。

 

 

庭に初めて見た花が咲いていた。何の花だろう。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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