2012年05月01日(火曜日)
福岡・久留米での達成会で思ったこと
ただいま福岡空港から中部空港へ帰る飛行機の中。
世の中、不景気で就職難だと言われているが、
私にはどうしてもそうは思えない部分がある。
働き口は今でもいっぱいある。
「なかなか思ったように人が集まらない。」とは、
店舗を運営している人が良く口に出す言葉である。
日本は豊かだ。
世界の中でもトップレベルの豊かさを持っている。
少なくとも食うに困るなんてことはあり得ない豊かさを持っている国だ。
韓国は自動車や電気製品で日本製品に追いつき、凌駕しようとしているが、
国民一人当たりのGDPは日本の二分の一、
所得も平均すれば二分の一程度である。
中国はGDP全体では日本を越したが、人口は日本の約十倍いて、
所得が10年前の3倍以上に跳ね上がっているが、
それでも日本の数分の一でしかない。
それでいて物価は、食料は安いが、
その他の物価は日本とそれほど変わるものではない。
日本のように
働き始めたばかりの若者でも、
普通に中古車で自分の車を持て、
携帯電話を持っていることが当たり前の国なんてそうあるものではない。
日本は欧米諸国と比べても間違いなく豊かな国である。
しかも、圧倒的に所得の上下の格差が少ない。
米や中国では「使う側」と「使われる側」がはっきりしていて、
所得の差がびっくりするくらい大きい。
店舗の中のワーカーとマネージャーでは5倍くらいの格差があるし、
会社の経営者と従業員などではとんでもなくその差が大きい。
日本はまるで社会主義の国家のように格差の小さい国であると、
何かの本で読んだことがある。
日本では「使う側」と「使われる側」という階層が分かれている感覚よりも
経営者も従業員もみんなが一緒になって働くという感覚、価値観がある。
それでいいと思う。
そんな日本の社会の中で、
冷暖房の効いた所で、
決して肉体的につらくなく、
知人に言って格好のいい職種で、精神的にもつらくなく、
お休みが多く、出来れば自由に取れて、
決して叱られることもなく、縛られることもなく、
安定した立場で、決して転勤がなく、
出世しなくても許され、社会の平均ていどの所得が安定して得られる。
そんな条件の職場を求める人は多い。
しかし、そういう仕事は無い。
何をどう探しても無い。いつまで探しても無い。
転々と職場を変えてみても、無いものは無い。
仕事とは、
会社あるいは組織を通じて、
社会の役に立つことをする事をいう。
社会の求める物を造り、運び、販売し、あるいはサービスを提供する事。
社会すなわち相手の為になる事や物を提供する事。
だからこそ、その結果、報酬を得られ、
それが自分自身のためになり、家族のためになること。
それを仕事と言う。
自分の時間の切り売りをしても、
それは本来的に仕事とは言わない。
仕事とは、誰かの役に立ってはじめて成立する事をいう。
自分の為だけに都合のいい仕事を求めても、
たぶんそれは仕事とは言わない。
私たちの会社では、
募集した職種が、営業でも、事務職でも、出荷業務でも、
入社して数ヶ月は、キーパーラボの店舗で働いてもらう。
その期間にKeePerのすべての技術と知識を身に着けてもらう。
その上で、それぞれの能力に適した部署に配属され、
得た技術と知識をそれぞれの部署で活かしてもらうことになっている。
だから、我が社のスタッフは、ほぼ全員、
キーパーラボでの実作業の経験があり、
年末、お盆、ゴールデンウィークなどキーパーラボの繁忙期には
みんな当然のように応援に入ることもできる。
しかし店舗で身に着けてもらいたいのは、技術や知識だけではない。
むしろ、
自分が学んだ技術で提供した
洗車とかコーティングとかのサービスで、
お客様が本当に喜んでくれることを実感し、
仕事とはどういうことなのかを、理解して欲しい意味のほうが大きい。
仕事とは「やらされる」ものでない。
自分の時間の切り売り、
筋力・体力の切り売り、自分の能力の切り売りは、楽しくない。
大した報酬も得られない。
仕事とは、自分が提供した相手の喜びに、自らのやりがいを感じ、
自らやっていて嬉しいものであるべきだと思う。
だから、相手が感じた喜びに相応した報酬が得られ、
その喜びが大きければ大きいほど、大きな報酬が得られるはずだ。
より多くの報酬を得たいならば、「いい条件」を探すのではなく、
自分の持っている能力を、
お客様のより大きな喜びに換えることが出来、
それが報酬に結びつくような職場を探すことだろう。
昨日、福岡営業所の達成会に出て、
お客様の喜びと、働く喜びを知っているみんなの笑顔を見て、
そんなことを思った。
モツ鍋はなぜこんな最高に美味い!のだろうか。
福岡空港で、初めて、間近にボーイング787を見た。
最新鋭の機体はものすごく軽く造られていて、燃費がかなりイイらしい。
それにしても、なんとも不思議な迫力がある。
軽く、最新の空力理論で造られた機体とともに、
省燃費を実現する最新式のエンジン。
ジェットファンの吹き出し口がギザギサに切ってあるのもB787の特徴だ。
恐ろしく静かなエンジン音であると何かで読んでことがある。
それにしても、飛行機から見る空は、
自分の目で見ると明るいのに、写真に撮るとなぜこんなに深い蒼なのだろうか。