2011年10月29日(土曜日)
2901.人の言うことは聞くもの。人は頼りにするもの
プロシッョプ研修会で使われている資料は、
多くの人に力と知恵を出してもらって出来上がっています。
7月から8月にかけて行なった三回目の「ユーザーアンケート」は、
広告代理店のADKに依頼して実施しました。
依頼と言っても、
ただお金を出せば出来るというものではありません。
まず、私達の経営企画本部と、
ADKのマーケティングに高い実績を持っている人が、共同で、
今、ユーザーに何を聞いて、
何を知りたいのかを議論をして、
共同で設問を造り、何度も何度も議論して、決定します。
定点観測としてずっと同じことを聞く設問も数多くありますが、
刻々と変化するユーザー心理をタイムリーに把握するためには、
新しい設問を数多く付加する事も大切な仕事なのです。
マーケティングに精通している人の力をお借りしないと出来ません。
私達の会社を担当しているその人は、
私達も良く知っているあるビールのマーケティングで、
何とか言う大きな賞をもらったとおっしゃっていました。
しかし、そんなプロに任せっきりでは実態に即した質問は出来ません。
積極的かつリーダーシップを持つ勢いで議論します。
こちら側は、以前は、私が主にその議論に参画していましたが、
今は、経営企画本部がそのほとんどに関わって作り、私は+αになっています。
設問がすべて決定すると、
今度はインターネットアンケートのサイトを持っている会社にゆだね、
アンケートの本番です。
これはわずか二日間ぐらいで終わり、
インターネットの力は本当にすごいものだと思います。
あっという間に終わるのです。
インターネットでのアンケートは、
アンケートに答える「クラブ」みたいなものがあって、
今回はこのクラブの人の中の1万5千人に「こんなアンケートがあります。」と
「予備調査の質問」をインターネットで呼びかけたら、
11,641人が答えてきてくれました。
これが「あなたはどこで洗車をしていますか?」とか、
「あなたの車はコーティングがしてありますか?」などの予備調査のデータです。
この11,641人から、700人に絞り込んで本調査に進んでもらいます。
絞込みは、日本の年代分布、年収分布、地域の人口分布などを、
700人に中で実現できるようにシミュレーションし、
コンピューターで自動的に選別し絞り込むのです。(瞬間でやるそうです)
「本調査」の質問は多岐に渡るので答えるのに時間もかかり大変なので、
なんらかの謝礼が支払われるそうです。
それがどんな形でどれくらい渡されるのかは知りませんが、
ここでそれなりの費用が発生するので、700人に絞り込むのです。
しかしかなりの確度で、日本全国の色々な種類の分布を700人の中に実現するので、
そこから出てきた答えから導き出されるデータは、かなりの正確さだということです。
ここは私達の出番はありません。
しかしデータが出てきてからは大変です。
定点観測の部分は、決まっているので簡単ですが、
どんなユーザーがどんなことを思って、何を望み、何に不満を持っているのか、
たくさんのデータをクロスして調べていきます。
たとえば、いつ、どこで、○○を××したのか、という答えと、
今後、いつ、何を、どうしようとしているのか、という答えをクロスさせると、
いつ何をどうした人は、今後、何をどのようにしようとしている。
という答えが、導き出されるわけです。
データのクロスは、たとえば設問が30あれば、
30の二乗、900通りあるわけで、たくさんのデータをクロスさせて、
ユーザーの意向をできるだけ正確につかもうとします。
(実際に数十種類のクロスデータを作ります)
それによって私達や、
キーパープロシッョプさん達がやっている事が、
ユーザーにどのように受け入れられ、
どのようなユーザーに、どのように今後していくべきか、
たくさんのことを考えます。
その過程で、
私達の考えだけでは分からないことが多く、
マーケティングに長けている人の分析で、
初めて見えてくることも多いものです。
良いとばかり思ってやっていた事が、
実は、ユーザーにはまったく受け入れられていない事実を反省させられたり、
思いもよらなかった解決策が見えてくることもあります。
もちろん、やってきたことが間違いなくて、
想像以上のユーザー支持を得ている事が分かって、驚喜する事もあります。
ユーザーアンケートは、
ただ単にアンケートを取っているだけでなく、
そこから見えてくるユーザーの現実と心を知るには、
私たち自身の真剣な努力も必要ですが、
大変な手間とたくさんの時間と、費用に加えて、
プロのマーケティングの助言と分析が絶対に必要なのです。
アンケートには、
自分に都合良いような結論を期待した設問や、分析をしたのでは、
まったく意味がありません。
しかし、ついそういう方向を持ちがちになるのが人の常なので、
客観的な見方が出来て、遠慮呵責なく批判してくれるプロが必要なのです。
と同時に、それを受け入れる自制心と覚悟が必要なのです。
人の言うことは聞くものです。
自分の言うことだけを押し通していては、何も出来ないし、何も見えてきません。
人は頼りにするものです。
自分だけで、自分の好きなようにやっても、ろくなものは出来ません。
そこには自己満足があるだけで、何の役にも立たないのです。
俺が俺がで出来ることなんて何も無いのでしょう。
プロショップ研修会に取り上げている㈲江戸屋燃料店さんの資料は、
広田社長をはじめ、特に㈱倉島商会さんの澤田課長には、
たくさんの言葉とご意見をいただき、初めて出来たものです。
そこから導き出された11月から12月にかけてのキャンペーンの企画にも、
大きく役に立たせていただきました。
今度、11月月初に発行するキーパータイムスでも、
㈱中広の坪井さんには、大変助けられました。
今日に持ち越した最終原稿は、
坪井さんの助力がなければ出来なかったかもしれません。
人の言うことは聞くものです。
本当に人は頼りにするものです。
一日がかりでやろうと思っていた仕事が、
坪井さんのおかげで午前の半日で終わったので、
ちょっとだけ、はしりの紅葉を見に行ってこられたのも、そのおかげです。