2011年09月11日(日曜日)
2866.オムさんの「ティファニー」と「ローマ」
韓国のガソリンスタンドの社長オムさんは2軒のガソリンスタンドを経営しています。
しかし2軒とあなどるなかれ、その2軒がとんでもない店なのです。
まず「ティファニー」。
この店はまだ新しい、出来たばかりの店で、
ソウルでも指折りの高級住宅地のど真ん中の一番目立つ交差点の角にある。
まずその姿をご覧下さい。
LEDで埋め尽くされたキャノピーは、
すでに雨除けとかの概念を突き破り、ほとんど芸術作品の域に入っています。
このLEDが絵として動くのです。考えられないのですが本当に動くのです。
これがSSのキャノピーと信じられますか!
※画面をクリック、スタートしてご覧下さい。
昼間見るとこうなります。
このSSには地上4階、地下1階のビルがくっついていて、
ここにはスタッフさん達の福利の施設がいっぱいあって、
地下には大規模な水の浄化装置が設置されています。
この芸術的なキャノピーでどうやって雨を除けるのか。
心配ありません。
ちゃんと計量器ごとに雨除けのテントがせり出すように出来ているのです。
オム社長いわく、
「韓国人は”派手”で、”スケールが大きく”、”目立つ”ことが好きなんだよ。」
「私も40年以上この業界でやってきて、これが私の最後に造るSSだと思って、
自分の好きなように造って見たんだ。近所の人が喜んでくれればそれでいい。」
このSSに付けられた名前「ティファニー」。
その意味は見ての通りで、実にこの名前が似合っている店でした。
もう一つの店舗は「ローマ」と言います。
オム社長いわく
「すべての道はローマから始まる。と言うでしょ。だからここはローマなんです。」
まさにここは高級住宅地の入り口にあって、
目の前に建設中の一戸建ての住宅は一軒「200億ウォン」だそうです。
200億ウォンとは日本円にして約16億円。
なんともすさまじいばかりの高さ。
18年前に建ったこの「ローマ」は韓国で一番の立地なのかもしれません。
「ローマ」
計量器のホースがなんと計24本もあって立派な店です。
ピークには1ヶ月に燃料を12,000ドラム販売していたそうで、
(韓国では燃料販売量を○○KL(1,000)㍑ではなく○○○ドラムと表現するらしい)
12,000ドラム×200㍑=2,400KL
約三百数十坪のSSで、2,400KLは、とんでもない出荷量です。
しかし今は市中の販売単価よりも200ウォン/㍑、
つまり約16円/㍑高く販売しているので、
販売量は3,000ドラムまで落ちたが、
その方が空いていてお客様にも喜んでもらえるとおっしゃる。
それでも、3,000ドラムとは600KLであり、すごいハイボリュームSSです。
この店舗も夜になると、この通り”派手”です。
SSの中に小さなコーヒーとアイスクリームの店があります。
50,000ウォン以上給油するとコーヒーがただで飲めるのだそうです。
朝のうちでしたので、まだ暇です。
ローマの二階にある事務所。
オム社長はここが一番落ち着くようでした。
ローマもティファニーも洗車をやっていました。
ドイツ製の連続式洗車機を導入して、
アメリカスタイルで洗車を日に何百台もこなし、。
道路が凍り、雪が降る「冬」は、
日に600台をこなし、道路には行列が出来るそうです。
まず入ってきた車の足マットを全部出し、
エアーガンでごみと砂ホコリを飛ばす。
この方法についてはけっこう効率が良さそうで、
ひょっとしたらキーパーラボでも採用するかもしれません。
次に、スチームを吹きかけてマットをもっとキレイにする。
そのスチームをなんと車内にもボワーッとかけている。
これで何がどれだけキレイになるのか私には分かりませんが、
大方のお客様は喜ぶそうです、
お客様が自分で車を動かして洗車機の前に来ると、
スタッフが水スプレーガンで砂ボコリを落とします。
そして御自慢のドイツ製連続洗車機の中へ。
洗車機の出口で待っていたスタッフが
エアーガンで隙間に入っている水を追い出します。
最後に二人がかりのスタッフがボディ全体を吹き上げて一丁上がり。
これだけのことをガソリンを入れてくれたお客様には
約500円で提供しているそうです。
韓国で私達がどのようにビジネスとして活躍できるのか
まったく分かりません。
しかし、自動車の燃料としての石油販売が確実に減っていくのは、
韓国でも日本とまったく変わらない事情であり、
そのような状況の中において、
私達のようなものがやれる事、
やらなければならない事があることは間違いありません。
望まれるのならば、
何なりと力をお貸しすることを拒んでいけないと思っています。
わが親愛なるオム社長と。
昨日の夕方、
飛行機に乗ってソウルから羽田に飛び、
羽田空港からそのまま沼津に行きホテルに泊まって、
今日のスーパーGT富士戦を応援して、先ほど帰ってきました。
長い長い三日間でした。