2010年10月22日(金曜日)
2637.チャンネルの切り替えが大変でも
私の毎日にとって何が一番大変かというと、
「頭のチャンネルの切り替え」なのです。
キーパーラボ直営店のスタッフにはみんな自分の子供のような感情を持っていて、
彼らの幸せは彼らの職場である店舗の繁栄なしには考えられず、
洗車・コーティングの専門店としてどのような店舗作りをすべきか、
どんな商品作りとサービスを考えるか、
専門店に対してのお客様の目線のチャンネルを自分で造らなければならない。
あるいは、多くのガソリンスタンドでのことを考える場合、
専門店としての目線は、必ずしも通用せず、
ガソリンスタンドビジネスの優位性を活かしつつ、
それでも新しい洗車・コーティングビジネスの可能性を探し出すチャンネルで考える。
この2つの頭のチャンネルは似ているようでかなり違うチャンネルなのだ。
専門店としての運営と、
別の本業を持ちつつ洗車・コーティングの強化をすることとは、
同じ思考方向では必ずしもうまくいかない。
また、お付き合いの長いプロシッョプの人たちと、
初めてお会いする人たちとのコミュニケーションも同じでは通用しない。
頭の中のチャンネルをかなり移動して考えなければならない。
会社の中では、経理的なチャンネルと、
総務的なチャンネル、企画のチャンネルではまったく違っていて、
企画を考える時は、キーパーラボ的とSS的ではかなり違うし、
いろいろな立場で来訪されるお客様とのスタンスも同じでは通用しない。
一日に何回も頭の中のチャンネルを変えながら、
多角的な発想で物事を考えていくと、
どこかで発想の一部がくっついて、
それぞれのつじつまが、どこかで突然合っていくのだ。
私が良く使う言葉に「俺、いろいろ考えたんだけど・・・・」
こう言った時には、必ずしもそのことについて正面から考えるのではなく、
他方面のことを考えているうちに、そのことについての角度の違う発想が生まれて、
独特な結論に結びついていくことが多い。
頭のチャンネルを変えても、軸は変わらないから、
多彩な発想が一極に集約していけるのかもしれない。
だとしたら、頭の中のチャンネルとは、デジタルではなく、
昔のガチャガチャと回すタイプのアナログの軸のあるチャンネルなのかもしれない。
しかし、デジタル的に人格が変わっていく人を見たこともある。
つい今まで好意的だった話が、突然、表情が一変して正反対の話になり、
また突然、好意的に変化したりして
びっくりして唖然となることがあるのだ。
いつか読んだ多重人格という本で、
一人の人間の中に何人もの人格が同居することがあると書いてあった。
デジタルのチャンネル移動は唐突で、
まったく着いて行けないが、
一人の中に二人の人間が住んでいると思えば、納得できる部分もある。
そういう人が意外といて、今までは支離滅裂な人と思っていたが、
二人の人が一人の人の中に住んでいて、
それが瞬時に入れ替わると思えば理解できることもある。
今日はたくさんの人の前で話をさせていただいた。
どういうチャンネルで話を組み立てるか直前まで考え続けたが、
途中で一度だけ、話のつじつまがズレかけたが、
何とか持ち直して、
たくさんの人に私なりの話をお伝えできたのではないかと思う。
相手の人が多くなればなるほど、
どこにチャンネルを合わせるのかが難しくなるが、
その中でも共通項を見出そうと考えると、
意外にすっきりした発想と論理が出てくることがある。
そういう意味で、おかげさまで今日も一つの勉強が出来た。
たくさんのチャンネルを持って、
それを切り替えながらの思考は一方向からだけの偏った思考から脱出できるが、
それはアナログ的なチャンネル切り替えであり、
デジタル的な移動は、何の論理的な結論も導き出すことは出来ない。
二人の人格に整合性がないからだ。
毎日、頭の中のアナログチャンネルをガチャガチャ切り替えながら
一生懸命考えることは
一番大変な作業ではあるが、軸さえずれなければ、
結果的に、多角的なものの見方が出来るところに利点があるのではないだろうか。
もっともっとたくさんの場面を経験すれば、
もっともっと勉強することがそこにあって、
自分の中にまだまだ進化できる余地が見えてくるものなのかもしれない。
こんなにたくさんのことを経験させていただいていることに感謝したい。
そのたびにチャンネルの数は増えていくし、
それでますます軸をしていくことが出来るような気がする。