2010年04月11日(日曜日)
2472.まったく見えない場所で繁盛店
昨日の役員会の途中、昼食をみんなで食べた。
東海市にあるフランス料理の「Pinot(ピノ)」というレストランで。
ここはインターネットでスタッフが探してくれた店だ。
半田街道から100mほど入っていて、
表通りからはまったく見えない所にある。
フランス料理といってもランチは2,500円ほどで飛び切り高いわけでもない。
私はグルメでもなんでもないし、フランス料理なんて滅多に食べることもない。
それでも、ここの料理は本当においしいと思った。
前菜とスープ、肉のメインと小さなデザート。
一つ一つがとても工夫されていて感心しただけでなく、
本当にすごくおいしかったのだ。
これでお腹はいっぱい。大満足。
シェフはホテルニューオータニで18年修行した人だそうだ。
フレンチ「Pinot」
愛知県東海市加木屋町唐山105-2
0562-35-2190
最近、こういう店が増えているようだ。
全く目立たないところにあって、それでも繁盛している店。
同じスタッフが探してきた店で、
大府市の住宅地の中に埋もれたような場所に「おなか本店」という店がある。
鉄板割烹とある。
ここの料理もおいしい。本当においしい。
4月1日、新社員の入社式のあと、みんなで昼食をここで食べた。
ミシュラン京都三ッ星の名店「つる屋」で腕を振るっていたとインターネットにあった。
たぶん料理の何かの称号を表す立派なもの(ミシュランか?)
壁に堂々と飾ってあった。
私は称号をありがたがる方ではないが、
ここの料理はおいしい。何もかもが本当においしい。
http://r.gnavi.co.jp/n167000/
しかし、この店も表通りからはまったく見えない。
探すつもりで行ってもなかなか迷って行き着かないような奥の場所にある。
料理が飛び切りおいしくて、
そして、もちろん繁盛している。
有名なレストラン、料亭で長い間働いて、
素晴らしい腕を身に付けたシェフが独立して、
小さな店をひっそりとした場所に造ることは、以前もあった。
20年以上前のこと、
刈谷市の恩田という場所に「吉兆」というちっぽけな店があった。
二階建ての住居付き店舗の長屋の一つの店だ。
それでもそこそこの交通量がある場所だったが、あまり繁盛していなかった。
「吉兆」とはもちろんあの有名な「料亭吉兆」の「吉兆」であって、
親父さんの腕は超一流であったと思う。
もう六十歳を過ぎていたか。
すごく感じのいい奥さんと、良くしつけられた娘さんとの三人の営業。
とにかく何を食べてもとびっきりおいしく、
昔、ちょっと贅沢したいと思った時、この店に何度も通った。
安い居酒屋よりは高かったが、
これが吉兆の料理と思えばめちゃくちゃ安い。
高そうなものを食べてたくさん飲んでも、せいぜい5,000円止まり。
そう考えると、ものすごくお得な店でありながら幸せにしてくれる店であったのだ。
しかしあのころ、世の中の普通の人は「吉兆」が何であるのか知らなかった。
今のように情報が豊富ではなかった時代だ。
せっかく「吉兆」の超一流の料理が安く食べられたのに、
そんなには繁盛していなかった。
歳を取った親父さんのこの「刈谷の吉兆」は、今はもうない。
今、表通りからはまったく見えないが、
一流の料理を提供するおいしい店が繁盛しているのは、
やはり「情報の量」が昔とはまるっきり違うからではないだろうか。
インターネットでの「情報」「口コミ情報」は絶大である。
まったく目立たない場所に店を出しても、
その店で提供されているものが、消費者に本当に喜ばれるものならば、
本当においしく、みんなの評判のいい店をインターネットで自分で探してくる。
「生の口コミ」は遅いが、インターネットの店舗情報、口コミ情報は早い。
早いだけでなく、その広がりは無限だ。
私たちの(快洗隊改め)KeePer LABOの店舗も、立地は大切な要素である。
だから22軒の店舗を開発するために、
見に行った物件は数百件以上に上るだろう。
しかし良い立地の物件は、やはり賃料も高い。
最初のころは十数万円であった賃料の土地も、
より良い立地を求めるうちに百万円を越える土地に建てた店舗もある。
しかし、安い賃料の店舗と高い賃料の店舗とでは、
立ち上がりのスピードは違うが、
たとえば、決して良い立地とはいえなかった大府店、上溝店などが、
少し時間はかかったが、ぐんぐん成長して完全に採算ベースに乗ってきている。
予算達成はもちろん、今月は間違いなく300万をオーバーしてくるのだ。
表通りからまったく見えない場所、
立地から考えれば最悪の場所でも、
ひたすらおいしい料理を提供することで、
インターネットという劇的な情報源が行き渡った現代、
立派に繁盛している「フランス料理Pinot」と「おなか本店」を見て、
ちょっと考えさせられてしまった。