谷 好通コラム

2010年02月14日(日曜日)

2425.お客様は自分のお金を払う

国会の予算委員会で自民党の「与謝野議員」が、
鳩山総理に「鳩山総理の弟から聞いた話だが、あなたのお母さんが・・・・」と
鳩山総理にいやらしく迫った。
あれは見ていてすごく不愉快だった。
母親が自分の子供を心配していることを攻撃の材料にするのは、
相手が大金持ちで、億単位の話であろうと、
政治に関わることであろうと、
それがどうであろうと、何であろうと、
「あんたのお母さんがこう言ってたそうだぜ・・・」みたいな話をされたら、
誰だってすごくいやだ。
自分の大切にしている人を侮辱されるほど、許せない気持ちなることはない。

 

私はテレビでこの場面を見てから「与謝野議員」が嫌いになった。
どちらが正しいか、間違っているかの問題以前に、
「それは言うなよ」と思った。

 

自分が言われたら嫌かどうかは、
自分がそれを言われたらとどうなのかを思い浮かべることが出来れば解るが、
思い浮かべることが出来なければ、
自分が言われたら嫌かどうかを解ることはない。
解らないから、平気で相手に嫌なことを言える。

 

相手の気持ちになれるどうかの差だ。

 

(自分以外の)人の気持ちになれるかどうかは、すごく難しいことだ。
すごく難しいが、
そこに、ビジネスの世界においても「成功の鍵」もある。

 

 

店舗を見る自分の目を、お客様の目にすることが出来ないで困っている人がいる。
そういう人は、たいてい店長とか、
店舗に所属しない上司の場合が多いので、
どうしても管理監督する者の目で見て、
スタッフの元気がどうだとか、一生懸命とか、
ポスターがキチンと貼ってあるかとか、まるで「現場監督」のような目で店を見る。

 

もちろんそういうことも大切なことの一つかもしれないが、
一番大切なのは、その店舗がお客様から見て良い店なのか、
お客様にとって快適で、公平で、便利で、必要な店舗であるか、サービスであるか。
店舗のすべてが、お客様にとってどうなのか。
それだけで店舗のすべてが決まる。

 

だから店長であったり、上司であったりする者は、
「お客様から見たら」の目になれないと、
繁盛する店舗を作ることは絶対に出来ない。
それは自然になれる人もいれば、一生懸命努力しなければなれない人もいるが、
いずれにしても「お客様の目」を持てなければ、
どうしても、その役を果たすことは出来ない。
お客様を相手にしているビジネスでは、
店長とか上司を努める者は「現場監督」ではその用を果たせない。
お客様の目を持たぬまま現場を監督しても、
(悪い言葉で)クソの役にも立たないことになる。

 

お客さまは、
自分の好みと、自分の気持ち、自分の都合、自分の意思だけで、
その店舗に来て、その商品を買い、そのサービスを受ける。
そして
自分の好みと、自分の気持ち、自分の都合、自分の意思だけで、
その店舗に来店し続け、その商品を買い続け、そのサービスを受け続けるかを決める。
お客様は、自分の勝手だけで決める。
そういう意味では、わがままでいいのだ。

 

だから、私たちは、
お客様の自分の好みと、自分の気持ち、自分の都合、自分の意思を
理解するしか、店とスタッフと自分と会社を成功させる方法はない。
だから、具体的な方法としては、
私たち自身が、お客様としてワガママに、自分勝手になることである。
つまり自分が本当にお客様になること。

 

つまり、自分で「実際にお金を払って」自分の店舗の商品を買い、
自分の店舗のサービスを受けてみることが、もっとも有効な方法である。
「役得」で、「研修」のためなんて「屁理屈」をこねて、
自分の店舗のサービスを
「タダ」でせしめる「ちっぽけな得」を当たり前と思っている輩には、
「お客様の目」は永遠に理解できないだろう。

 

お客様の目を得たいなら、まずはお客様になるべきだろう。
自分のお金を払ってサービスを受ける、ワガママでいいお客様にである。

 

すると、自分がお客様になりきるコツが解るかもしれない。
本当は実は簡単なことなのです。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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