2007年07月31日(火曜日)
1691.稼ぎ手と支える人
最近の若い人たちは、
結婚すると多くの場合、
給料はすべて奥さんの手に入り、
亭主には“おこづかい制”になっていて、奥さんから一定額を与えられているらしい。
その上、何を買うにも奥さんの許可が必要で、
そのやり取りの様子を聞くと、奥さんと亭主は主従の関係で、
奥さんが主、亭主が従の関係か。
亭主の給料が何かの事情で下がったりすると、
奥さんが会社に文句を言ってくる、
なんてことが当たり前のように増えてきた。
そんな場合には、会社としては「ご主人に聞いて下さい。」と言うしかない。
あるいは、まったく逆で、
亭主が稼いできた給料は亭主が握ってしまい、
奥さんには一定額の生活費を“与える”という夫婦も多くいるらしい。
その場合、奥さんは亭主がいくら稼いでいるのか知らない場合すらあるらしい。
こんな亭主の価値観も理解出来ない。
しかし多いのは、やっぱりおこづかい亭主。
奥さんが主で、亭主が従の関係の場合、
亭主は奥さんに働かされ、稼がされている役回りであって、
極端に言えば、奴隷と主人の関係に似ている。
逆の場合でも同じようなものだ。
もちろん、亭主の働きに対する感謝の気持ちを持っている上で仲良く、
二人の将来の夢に向って貯金するために、
お互いに節約するために合意の上で
“おこづかい制”にしている堅実派がいることも忘れてはいけないが。
本来ならば、
亭主は稼ぎ手で(あるいは奥さんも)
奥さんは稼ぎ手である亭主を支え、励まし、癒し、
亭主が思う存分に力を発揮できるように支えるのが奥さんの役目だろう。
だから給料は家庭が預かり、
双方が必要なだけ使うのが普通なのだろうと思っている。
今日大阪で、我が社発祥の恩人である藤本さんと飲んだ。
藤本さんとは、今現在は何かの縁でお客様と販売側の関係になってしまったが、
飲みに来たのは営業のためではない。
飲んで話をしたかっただけ。
私はこの人の価値観に共感する部分が多くある。
困った人がいたら助ける義務があるわけでもないのに、
つい「しょうがないなー」と、手を出してしまう所なんか最高だ。
そんな彼に、
私が商売を始めた最初の頃、
私の店にいた若者を、都合があって引き取ってもらった事があった。
その若者が大の恐妻家であり、呑ん兵衛でもあった。
電話口で奥さんから罵声を浴びているのを何度も目撃しているのだが、
それはまるで奴隷とご主人様そのものであった。
やがて離婚、
間もなく、彼がいつものように大量の酒を飲み泥酔状態であった時、
彼は不幸にも、死んでしまった。
あの自分勝手そのものの鬼のような女房と結婚しなかったら、
彼はあんなにも若くして死ぬ事はなかった。
結婚前はあんなに酒を浴びる様なこともなかったのに。
その後、その元鬼女房が藤本さんの会社に押しかけ、
彼の保険とか退職金をよこせともめた事が、
酒を飲みながら、藤本さんの話に出た。
そんな要求に相手をすることもないのに、
藤本さんは意地になって解決まで持って行ったらしい。
許せないことは一文の得にもならないことでも、どうしても放っておけないのだ。
世の中に、稼ぎ手である亭主を自分の奴隷と勘違いして、
亭主が稼いでくれている事、
自分が生活をしていられる事に感謝をすることもなく、
自分の権利などと勘違いしている女房がいるとしたら、
その亭主は、仕事に生き甲斐を見つける事ができず、
いい仕事が出来ず、
当然、いい稼ぎをもってくることもなく、
泥沼のような不幸が待っているだけであることに気がつかなくてはならない。
どんな事でも「俺の知った事か」と言いながら、
放っておけない藤本さんと、大阪営業所の山戸所長。