2007年03月11日(日曜日)
1596.私はまだまだ甘い
私達は今、抱えきれないほどの仕事を持っている。
これは世間が私達を必要としてくれているという意味であり、
実にありがたい事だ。
しかし、ともすればその仕事の量に自分が潰されて、
被害妄想になる者もいるかもしれないが、
それは、その仕事が自ら作った仕事ではなく、
与えられた仕事ばかりをこなしているからであることが多い。
自らが持っている目的のために
自分で作った仕事を、主体的に働いている人は、
仕事をする事で目的が果たされていく事になるので、仕事に充実感を伴っている。
その結果、目的が果たされた暁には達成感を持つ事が出来る。
被害妄想どころか、
これはかなり高い幸福感ともいえる。
その幸福感は、
目的が高ければ高いほど、大きなものとなり、
その目的が大きなものであればあるだけ、
達成するための仕事の量は多くなってくる。
多くなった仕事を効率よく進めていくには、
やるべき仕事を直列に並べて一つずつ順番に仕事を進めていっては
時間がかかるばかりか、
初期にやっておいた仕事が時勢に合わなくなる事だってある。
また、モタモタしていると競合に持っていかれてしまうので、
縦に並べた直列的な仕事の進め方は、今の時代に合わない。
スピードを出そうと思ったら、並列である。
やるべき仕事を横に並べ、いくつもの仕事を同時に進行する事だ。
いくつもの要素を持った仕事を同時に進めていくと、
目的を達するための方法に修正の必要があった場合、
すべての要素に対して同時に修正できるし、
要素が相互にチェックでき、相乗効果的にスピードが上がる。
仕事のやり方は並列である。
仕事の目的に対する多くの要素を並列に並べて、同時進行する。
そうしてこそ、たくさんの仕事量を必要とする大きな目標にたどり着ける。
いっぺんにたくさんの仕事を同時進行するためには、
何をおいても整然としたスケジュールを立てることが絶対に必要だ。
大きな目標のためのたくさんの仕事を実現するには、
自分がスケジューリングの達人になる事である。
私はスケジューリングの達人ではない。
とてもとても下手である。
しかし、私のスケジュールはほぼ三週間先まで入っている。
下手なりにも、なるべく先のスケジュールまで入れるようにはしている。
年間のスケジュールとしては、
「役員会」「所長会議」「営業会議」
「快洗隊会議」「キーパータイムス編集会議」などがすでに入っているが、
まだ隙間はいっぱい有って、
そこに自分の主体的な目的を進めるために
こちらからアポイントを取っていってスケジュールを作り、
三週間先までの「予定の骨格」を自分から作るようにしている。
三週間先ならば、よほどの人でないと、すでに予定が入っている人は少なく、
だいたい、自分の望んだとおりのスケジュールを組む事が出来る。
先手必勝というわけだ。
この三週間先の予定を如何に有効に作っていくかが、
スケジュールを主体的な目的で作る事が出来るかどうかの分かれ目になるようだ。
二週間先のスケジュールは、
会社のスタッフが入れてくる場合が多い。
入ってくる仕事を私がいる場所で受け入れる体制で待つが、
自分でも隙間を埋める形で予定を入れ続ける。
その結果、
一週間先ぐらいまで、
かなりの密度で予定が組みあがっていて、
予定外の仕事は短時間の仕事までは場合によっては入るが、
だいたい1時間刻みに予定はもう固まっている。
自分の主体的な予定は、3週間先に入れる予定が骨組みとなる。
反対に、
自分が持っている予定は与えられたスケジュールだけで、
その間に要請された仕事が入り、
それでも余った日には、前日、お客様にアポを入れるのが精一杯で、
今日の先には主体的に予定は何もなく、
今日の後に、受動的な仕事の結果が積み重なっていく。
そういう主体性のない部所、スタッフには、
目標とは関係のない結果だけが、うず高く残っていく。
そんな行き当たりばったりの仕事をやっていると
移動費に関わるコストだけが馬鹿みたいに上昇して、
その反面、“移動”というコストだけの時間が多くの割合を占めるので、
実際の仕事が出来る時間が減少して、
絶対的な仕事量が減る。
予定をキチンと立てられない人の仕事は、
その質が低いのはもちろん、極端に仕事量が少ないのが特徴である。
そのくせ、仕事が出来ないので、いつまで立っても仕事が片付かず
「忙しい、忙しい、何で俺だけこんなに忙しいか」と、
有りもしない被害妄想にまでかかる。
まったく始末が悪いのだ。
高い目標を立て、それを達成するためには並列に仕事を並べ、
たくさんの要素の仕事を同時進行で進めていくべきである。
そのように活動すると仕事の絶対量は増えるので、
自分の時間を、無駄な時間に費やしているわけには行かない。
だから、効率的に仕事を進めていくためには、
絶対に効率的かつ主体的なスケジュールを立てる事が絶対条件なのである。
私は、まだまだ甘いのである。
私なんか、とても、まだまだ甘いのである。
昨日、高知に飛んだ。
高知の新洗組の洗車を如何にもっともっと上げるかを、
ハード、ソフトの両面で進言するつもりで行ったのだ。
一店ずつを見て廻って、一生懸命知恵を絞って提案をしたのだが、
徐々にこの会社の凄さが、
自分が思っていた以上のものであって、
本当にものすごい経営をしている事に気が着いてきたのだ。
それは、人間力であり、徹底した理にかなった考え方であり、
商売の原点から一歩も外れずに、「絶対負けない。」という、強固な意志である。
そういえばいかにも抽象的で、ある意味、美辞麗句のように聞こえるが、
そんなものではない。
私は、かなりのカルチャーショックを受けた。
しばらく考えて、自分の中でキチンと整理をしないと、
安易には文字に出来ないと思っている。
小牧空港から高知空港へは、ボンバルディアCRJ。
40人乗りぐらい小型のジェットで、激しく揺れた。
雲の上面がささくれ立っているような時、気流は激しく乱れている。
高知で最初に訪問した店。
最高の接客をする店。
本当にみんな最高なのである。
何の変哲もない狭いSSでの450klは、
その訳を探っていくと、
ふと、自分が商売の原点に戻り、すべてが理解できたような気がした。
この店は、私にはまだ、全く理解できない。とんでもない店なのだ。
これらの店を作り上げたのは、この人。
話せば話すほど、私はどんどんこの人の深みにはまってしまいそうな気がする。
この日、まだ陽がある時間に仕事が終わったら、
土佐、桂浜に行って、坂本龍馬の銅像に会ってこようと思っていたのだが、
話が長くなって、すっかり夜になってしまった。
それでどうしようかと思ったのだが、
結局、ホテルで仕事を出来るところまで片付けると決心をした上で、
高知に泊まってしまった。
そして、朝一番で桂浜に行った。
私は坂本龍馬の崇拝者ではないが、彼の生き方に憧れを持っている。
この風景を、彼も観たのかと思うと感無量であった。
このあと、飛行機に乗って、福岡に向かう。
今は博多のホテルでこれを書いている。