2007年02月20日(火曜日)
1582.ロス アンジェルス
ロサンジェルスを、トニーがカタカナで書くと「.ロス アンジェルス」となる。
正しく発音するとこうなるのだろう。
英語は私たちの発音とはかなり違っていて、
本当はカタカナでは書ききれないものだと思う。
「1580話」で「ゆっくり喋ってね」と書いたが、
本物の英語は、本当はゆっくり喋ってもらってもあまり解らない。
日本語とは、根本的に「音」が違うのだ。
それは中国語でも同じで、英語を日本語的に発音しても相手に通じないのだ。
日本語だけで54年と11ヶ月も生きてきた私には、
舌を丸めて発音する英語は、もう、無理なのだと思い始めている。
今日は、朝8時に、
ロスの自動車屋さんに行って、
カーディテールと呼ばれる車を磨くことを仕事にしている人達にデモを行なった。
場所は巨大な自動車屋さんが何十軒も並ぶ何とかいう場所(名前を忘れた)
「つや」を見せたいので「ブラック」の車で、
出来れば中型車をというリクエストをトニーが出してくれている。
まず、キーパーファイナル1を使った“クィックディテール”の実演デモ。
出てきたのは、
巨大なセダンで、クライスラーの300Cに似たダッジのフルサイズセダン。
「これが中型?」とデモ担当の森君がぼやく。
そうなのだ、これがアメリカでは中型なのだ。
大型の車とは、ハマーであるとか、巨大なピックアップとか、
なるほどと言うような大型車があるので、これが“中型”なのだ。
・・・・
それでも、背の高い(手の長い)森君は、
ロスでは珍しい雨の中、テントの下で、
淡々と、この馬鹿でかい中型車にファイナル1を掛けはじめた。
そして顔だけは涼しい表情で、約束どおり20分間で仕上げまでやった。
(「腰が痛い」と小声で言っていた。結構いっぱいいっぱい?。)
向こうで怖い顔をしている白人は工場全体のサービス担当の責任者。
たまたま怖い顔を写っただけで、本当はとても明るい人なのです。
手前の若者は、英語が話せるメキシカンで、
たくさんの英語を話せないメキシカンの通訳であり、技術指導者であるサンチャゴ君。
一堂、ファイナル1の作業の速さと仕上がりの良さに「ファンタスティック」。
次はダイヤモンドキーパー。
さすがにダイヤは雨が降る中のテントの下で施工するわけには行かないので、
工場に連れて行ってもらう。
広大な工場の中で、ダイヤモンドキーパーを掛けはじめ、
新車で何も掛けていない良い状態の車だったので、そのままナマ塗りをし、
わずか30分ほどで終了。
驚異的な早さと、見たことがないような仕上がりの良さに、
再び「ファンタスティック!」
無事、デモンストレーションが終わった。
すべてのデモが終わり、事後の話し合いが終わったのは正午近く。
意外と森君は元気であった。(少なくともそう見えた。)
次に行ったのは、
古い車のレストアをするカマロンさんのちっちゃな工場。
何十年か前のVWビートルがあちらこちらにゴロゴロしていた。
カマロンさんは、天才的な楽天主義。
彼の話を聞いていると、私達も彼もすぐにでも大金持ちになるような気がする。
愛すべきポジティブガイである。
「自分の車なんだ。」と言って見せてくれたのが、
ポルシェカレラターボ。改造して600馬力以上あるのだという。
この人は不思議な人である。
滅多に雨の降らないカルフォルニア州、ロサンジェルスは、
午前中の雨がウソのように、午後からは晴れ上がった。
たった一日の仕事の日、
キーパーは本当にアメリカで成果が上がるのか、
まだまだ解らないが、大きな手ごたえを感じた一日でした。